『風流夢譚』(ふうりゅうむたん)は、深沢七郎の短編小説。挿絵は谷内六郎の版画[1]。 概要[編集] 『風流夢譚』は、中央公論の1960年12月号に掲載された(発売は11月10日)[1][2][3]。夢譚(=「ゆめのはなし」の意)と言うように、全体的にシュールな展開で、主人公が見た夢の話であるという設定ではあったものの、「ミッチー」「美智子妃殿下」「昭憲皇太后」「ヒロヒト」などの呼称も見られ、「左慾」による天皇と皇后、皇太子と皇太子妃の処刑の場面が登場し、主人公が皇太后を殴る・罵倒するといった内容であったため[4]、名誉を傷つけるものとして宮内庁が民事訴訟を検討するなど、発表当初より物議を醸した[5][1]。この、皇室を冒涜しているような「毒のある革命幻想譚」に対し[3]、「不敬」だという抗議が日に日に強まり、右翼団体が中央公論社に直接押しかけるなど、社では出版業務に支障が出るまでになった[