Tweet 東日本大震災の影響で泥や海水をかぶったり、流失するなどした県内沿岸の図書館の蔵書は少なくとも約20万冊に上ることが県立図書館などの推計で分かった。津波で施設が全壊したり、避難所に使用されるなど依然開館のめどが立たない図書館もある。県立図書館は関係機関と協力して「被災図書」の修復を進めるが、貴重な資料の流失もあるとみられ、文化的損害をどれだけ回復できるかはまだ見通せない。 県立図書館などによると、津波で壊滅した図書館の蔵書数などを基に被災した冊数を推計した。被災冊数が多いのは陸前高田市立図書館約8万冊、大槌町立図書館約5万冊、山田町立図書館約3万冊。建物が津波で壊れ、蔵書が流失したり、泥をかぶったという。 山田町立図書館の桜井俊雄館長(57)は「貴重な郷土資料は被害を免れたが、約4割の蔵書を失った。どの本を失ったのか、まだ分からない状況」と声を落とす。 5月30日現在、少なくとも