理化学研究所(理研)は2月9日、一般の顕微鏡の光源下に「励起フィルター」を取り付けるためのアダプタを開発し、蛍光顕微鏡を用いずとも一般の顕微鏡で細胞を蛍光観察することに成功したと発表した。研究は、理研発生・再生科学総合研究センターゲノム・リプログラミング研究チームの若山照彦チームリーダー、山縣一夫研究員(現大阪大学微生物病研究所 特任准教授)、近畿大学生物理工学部遺伝子工学科の佐伯和弘教授および大阪大学大学院生命機能研究科の木村宏准教授らの共同研究グループによるもので、成果は米オンライン科学雑誌「PLoS ONE」に2月8日付けで掲載された。 これまで、細胞内で「蛍光色素」(照射された光のエネルギーを吸収して発光する色素)を発色させ観察するには、水銀ランプやレーザーなど高出力の光源による「励起」が必要だとされてきた。 蛍光物質は光を照射されると、その物質の原子がエネルギーを吸収して電子が基