大金動くところに賄賂あり。『レッドカード 汚職のワールドカップ』は、FIFAワールドカップを主催する国際サッカー連盟で行われていた、めくるめく賄賂、途方もない額のマネーロンダリングについて描かれた一冊である。2015年にはアメリカFBIの要請を受け、スイスの司法局によってFIFA幹部の多くが逮捕されている。この事件を端緒として、FIFA真っ黒じゃん! と世界中の国の検察が捜査をはじめ、次々とワールドカップの裏側で行われていた悪事が暴かれていくことになるのだ。 ワールドカップのように放送権、広告権が巨額で扱われる世界ではその利益を享受するために賄賂は合理的な手段となりえる。ゆえにワールドカップを運営する組織が賄賂まみれになることそれ自体に不思議はないわけだけれども、本書で明かされていく悪事は僕の予想を10倍ぐらいは超えてくるものだった。賄賂の金額のあまりの大きさ、賄賂の大胆さもおもしろいのだ