「大衆の反発は民主主義の復活」 「決定権を得るために」 米大統領選の「トランプ現象」。英国の欧州連合(EU)離脱を決めた国民投票。時代に逆行しているかに見える出来事が意味するものは何だろうか。多くの著書が注目されるフランスの歴史人口学者、エマニュエル・トッド氏に話を聞いた。【聞き手・小倉孝保外信部長、まとめ・隅俊之、写真・徳野仁子】 トランプ現象やEU離脱を読む −−英国のEU離脱の動きや米国の「トランプ現象」は「ポピュリズム(大衆迎合主義)」だと言われますが、あなたはこうした現象を「グローバル化への疲れ」だと指摘しています。どういう意味でしょうか。 グローバル化が行き過ぎると、人口のわずか1%の人々による特権化が起きます。英国のEU離脱やトランプ現象は、そうしたグローバリズムにはこれ以上耐えることができないという大衆の反発であり、「民主主義の復活」と分類することができます。高学歴のエリー