「異次元のバズーカ砲」 東京・日本橋の三越本店と三井本館の間の狭い道路を西に向かうと、右手に壮麗な洋館が目に入る。赤レンガの東京駅なども手掛けた名建築家、辰野金吾博士の設計で、1896(明治29)年に完成した日本銀行本店本館だ。ベルギー国立銀行をモデルにしたというネオバロック様式の建築で、石造りの壁に列柱、緑青を吹いた銅板葺き屋根が美しい。1974年には、国の重要文化財に指定されている。もっとも、日銀の業務のほとんどは、明治の香りのする本館ではなく、北隣りにある10階建ての新館で行われている。73年完成の新館は、セキュリティーなどに費用は掛けているものの、外見はごく普通のビルだ。 2013年4月4日午前9時前から、新館で金融政策決定会合が前日に続いて開かれた。同会合は、総裁と2人の副総裁、それに6人の審議委員の計9人で、毎月1回または2回開かれ、金融政策、すなわち政策金利や日銀の資金供給量