(英エコノミスト誌 2014年2月8日号) FRBは量的緩和を「テーパリング」しているかもしれないが、日本と欧州の中央銀行はまだ金融を緩和している。 金融市場の激変について誰か非難する人を探している人たちは、米連邦準備理事会(FRB)を指差しがちだ。債券購入を通じて金利を抑える制度を段階的に減らすことで、FRBは、資本が新興国から一斉に逃げ出し、利回り上昇を期待して先進国に押し寄せるのを促した、というのがその理屈だ。 だが、これまでより拡張的でない金融政策へのFRBの転換は、全体の話の半分にすぎない。世界第2位と第4位の経済(市場為替相場ベース)であるユーロ圏と日本の中央銀行は、まだ反対方向に動いている。 ユーロ圏と日本はまだ金融緩和 日本では、安倍晋三首相率いる政府が、米国のプログラムに匹敵する債券購入プログラムなどを通じて、日本経済に15年間つきまとってきたデフレを懸命に追い払おうとし