能登半島地震の発生から1カ月以上が経過し、現地では避難所運営を巡り、一部の被災者に特定の役割が固定化されることへの懸念が高まっている。特に毎日の食事作りは女性に偏る傾向があるという。ボランティアの聞き取りに対し、「男性もカレーくらい作ってくれたらいい」と打ち明ける声もある。民間の支援団体は「持続可能な避難所運営ができるように、役割分担やルール作りの調整役が必要だ」と訴える。 【写真】断水が続く中、避難所で食事を作る女性たち ■日中の避難所に男性がいない 「発災から2~3週間くらいまでは、被災者自身も命を守ることを優先して過ごしていた。1カ月以上が経過した今は、避難所を実際に切り盛りしている人たちの積み重なった疲労やストレスが心配だ」 そう話すのは、これまでに2回、石川県穴水町で避難所運営の支援を行った「男女共同参画地域みらいねっと」代表理事の小山内世喜子さんだ。 東日本大震災以降、「防災に
能登半島地震で被害が大きかった石川県珠洲市では、12日までの3連休中も一般ボランティアの活動が行われましたが、いまだ深刻な人手不足が、続いています。 珠洲市では12日、一般ボランティア16人が地震で傷んだ住宅で大きな家具やふすまなどを運び出しました。 自宅が被害を受けた男性は父親が作った形見の家財と別れを告げました。 自宅が「準半壊」 泉明さん(64) 「一人ではとてもじゃないけど、気力が湧かない、何から手をつけていいか。できるわけがない。ちょっとつらい。ゴミになっちゃうかと思うとしんどい」 珠洲市では12日までに延べ二百数十人が一般ボランティアとして活動しましたが、活動時間はおよそ4時間に限られるなど人手不足は深刻で、多くの建物が手つかずのままとなっています。 ▶【能登半島地震 被害状況マップ】災害をとらえた映像を地図上に表示 ▶能登半島地震特集
能登半島地震の発生直後、大きな揺れによって住宅が崩れる様子を捉えた映像。この後、津波の映像が流れます。ストレスを感じる場合は視聴を控えて下さい。 ■住宅くずれ砂埃 自転車も倒れる 石川県珠洲市を走る車。運転していた女性は直前に震度5強の地震が来たため、車を道路脇に止めます。すると、地面が横に大きく揺れ始め、車内に悲鳴が響きます。時間は珠洲市で震度6強を観測した午後4時10分です。大きく揺れる電線。揺れが始まって約20秒後には奥の住宅が倒れ、砂ぼこりが上がります。さらに、右側の住宅も屋根から大きく崩れます。次々と倒れる住宅。画面は砂ぼこりで真っ白に。 地震から1カ月経った今月2日の様子。今も道路沿いの建物は倒壊した状態で残されたままです。 車は介護施設の送迎をしていて、運転していた女性を含めて7人が乗っていました。車内カメラにはすぐ横の建物が崩れる様子も…。 車を運転してい
能登半島地震は22日で発生から3週間になる。被災地では道路が寸断され、多くの集落が孤立した。かつて「珠洲原発」の予定地だった石川県珠洲市高屋町も孤立。住民が市外に逃れるのに10日余りを要した。計画は住民の反対を受けて2003年に凍結されたが、「珠洲原発があったら、避難どころじゃなかった」。反対運動の中心的存在だった地元の僧侶・塚本真如(まこと)さん(78)が、避難も屋内退避もできない状況を振り返った。(岸本拓也) 珠洲原発計画 関西と中部、北陸の電力3社が1976年に構想を発表した。関電が高屋地区に、中部電が寺家(じけ)地区にそれぞれ100万キロワット級の大型原発を建てる計画だったが、住民らが反対運動を展開。電力需要の伸び悩みもあり、2003年に凍結された。
BUSINESS | 2024/01/14 能登半島地震のSNSバトルにうんざりな人に 知ってほしい「政治的主張と事実を分ける」 考え方 【連載】あたらしい意識高い系をはじめよう(45) (Photo by Shutterstock/写真はイメージ) 能登半島地震で被災されている方へのお見舞いを申し上げ、一日も早い生活の再建を祈っています。 今回記事では、高校生だった頃に阪神淡路大震災で被災し、家の近所がワンブロック丸焼けになったりした私の経験から、こういう災害の時に情報が錯綜し、その混乱が政治利用されて余計に混乱に拍車がかかってしまうような現象について、私たちがどう対処していけばいいのか?について考える記事を書きます。 倉本圭造 経営コンサルタント・経済思想家 1978年生まれ。京都大学経済学部卒業後、マッキンゼー入社。国内大企業や日本政府、国際的外資企業等のプロジェクトにおいて「グロー
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(山本一郎:財団法人情報法制研究所 事務局次長・上席研究員) 2024年の幕開け早々、能登半島北端の輪島市、珠洲市周辺を襲った巨大地震。山がちな半島特有の地形や寸断された隘路に悩まされていましたが、ホバークラフトが投入されるなどして、ようやく被災地に暮らしていけるだけの物資が輸送できるようになってきました。 大型の余震や豪雪などの悪天候もあり得る中で、ギリギリの人命救助や輸送作戦も行われています。石川県の皆さんだけでなく、応援に入られた各都道府県消防・防災ご担当者や防衛省・自衛隊、海上保安庁および電力会社や通信会社、医療関係者ほか各民間の皆さんのご努力には本当に感謝に堪えません。 総理の岸田文雄さんも、巨大地震発生の報が入るや発生1分後には対策室を設置。5分後には関係部門への指示出しを行うなど、きちんと初動の対策に力点を置き、状況把握や人命救助、物資輸送に尽力されました。 石川県知事の馳浩
こういう時は、実際に現地を見ないと分からないものです。 今、大地震があった能登半島では「他県の迷惑なボランティアが殺到して渋滞を起こし、緊急車両の妨げになっている」と言われており、馳浩知事をはじめ、「石川には行くな!」の大合唱となっています。しかも、現地を見たわけでもないネトウヨ系のバカどもが、現地でボランティアしてきた人たちに「石川には行くなと言われてるだろ!」と吠え、何か良いことをしている気になっているので、この言説がどんどん広がり、現実とのギャップはますます大きくなっています。 ■ そもそもボランティアなんて滅多にいない1月6日午後3時頃の能登方面に向かう「能登里山海道」の様子 まず、ネット上で流布されている話と、実際に起こっていることは全然違います。この3連休は、金沢から能登方面に向かう主要道路である「能登里山海道」を含め、ほとんどの道路で渋滞は起こっていませんでした。地元紙が渋滞
北陸電力は9日、能登半島地震発生後に約3メートルの津波が志賀原発(石川県志賀町、停止中)に到達していたと発表した。原発の敷地は高さ約11メートルで、さらに4メートルの防潮堤を設置しているため原発への影響はなかったとしている。 津波は地震発生から約1時間半後の1日午後5時45分ごろに到達したが、北陸電は当初、津波による水位の変動はなかったと説明していた。 その後、同時刻ごろに敷地内にトンネルを通じて海水を引き込んでいる2号機取水槽で水位が3メートル上昇していたことが判明。ただしこの上昇は津波の高さとは対応していないため、このデータを使って原発西側の海の水位変動を解析した結果、約3メートルの津波が到達していたことが分かった。 地震直後はデータ伝送が停止し、3日に復旧した海底の波高計とも一致した。今後、津波が陸地を駆け上がった高さも解析する。
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