「死」の心身二元性 「死」とは、概念です。この概念は「人間」のみに可能です。動物は「殺す」ことはありません。「死」の概念がないので、「他者を潰そう」ということはあっても、そこに「死」への目的性はありません。 (「人間」の)「死」という概念は、「この私」という個人の尊重によって、生まれています。「この私」というとき、「死」は最高の「強度」をもち、逆に「集団の中の一人」のとき、いわば身体を形成する1細胞という集団の新陳代謝の1個体のように「死」の「強度」は低下します。 だから「殺す」=「他者を死へ至らしめる」ということは、「他者」とは「この私」の反転としての「このあなた」であり、個人の尊重された存在であり、「殺す」という概念には、すでに始めに「禁止」が内在されているのです。 このように「死」、「殺す」という言説を考えるとき、「人間としの人」と「動物としての人」の二面性、「心身二元性」を見る必要