防衛省が打ち出している計画は、ガザへの攻撃を続けるイスラエルとの関係を見直す国内外の動きに逆行するものだ。
岡真理(おか・まり)/1960年生まれ。早稲田大学文学学術院教授。京都大学名誉教授。東京外国語大学大学院修士課程修了。専門は現代アラブ文学・パレスチナ問題。著書に『アラブ、祈りとしての文学』『ガザに地下鉄が走る日』ほか(撮影/小山幸佑) AERAで連載中の「この人のこの本」では、いま読んでおくべき一冊を取り上げ、そこに込めた思いや舞台裏を著者にインタビュー。 著者である岡真理さんは現代アラブ文学とパレスチナ問題を専門とし、パレスチナを訪問しながら研究を続けてきた。本書はハマス主導の越境奇襲攻撃に端を発し、イスラエルによるガザ地区への攻撃が激化した2023年10月に行われた二つの講演をもとに、パレスチナ問題の歴史とその本質を平易で力強い言葉であきらかにする。現在3刷、累計2万5千部になっている『ガザとは何か』。岡さんに同書にかける思いを聞いた。 * * * 「パレスチナ問題はシンプルです
イスラエルのヘヴィ・メタル・バンド ORPHANED LAND は、そのキャッチーな歌とエモーショナルな歌詞、強烈なビートにオリエンタル・プログレッシブな音楽性で忠実なファンを生み出してきました。しかし、このバンドはそれ以上に、リスナーに平和のメッセージを伝えるという使命を持っています。"中東で最も人気のあるイスラエル人" とまで謳われる彼らは、ノーベル平和賞に推す声まで上がるほどのバンドなのです。 2013年夏から "All Is One" ツアーを行った彼らは、そこにパレスチナのヘヴィ・メタル・バンド、KHALAS を招き、共演し、ツアー・バスの狭い空間で友情を培いました。ツアーにはヨルダンの BILOCATE も参加。これによってライブの多様性は増し、その結果、ヘヴィ・メタルは、人々は少しの違いがあっても調和して協力できることを世界に示すことができたのです。 それまで、パレスチナ人と
ロシアのウクライナ侵攻によって世界はどう変わるのか。国際政治研究はどうあるべきなのか。東大で30年以上国際政治研究に携わり、今年度で東大を退職される藤原教授のロングインタビュー後編。 (取材・円光門、撮影・中井健太) 藤原帰一(ふじわら・きいち)教授(東京大学大学院法学政治学研究科) 米イエール大学大学院政治学研究科博士課程留学を経て、84年東大法学政治学研究科博士課程単位取得退学。東大社会科学研究所助教授(当時)などを経て、99年より現職。著書に『平和のリアリズム』(岩波書店)、『国際政治』(放送大学教育振興会)、『不安定化する世界——何が終わり、何が変わったのか』(朝日新聞出版社)など。 【インタビュー前編はこちら】 「アイデンティティへの疑問がナショナリズム研究につながった」藤原帰一教授 退職記念インタビュー【前編】 ──今回のウクライナ侵攻で、ロシアに対する大規模な経済制裁が行われ
言語学・言語哲学の大家でありながら、政治やメディア批評も旺盛におこなってきた米マサチューセッツ工科大学(MIT)名誉教授のノーム・チョムスキー(91)。「世界最高の論客」とも呼ばれる彼は、2020年米大統領選とアメリカの未来、そして今後の中東情勢をどう見ているのか。イスラエル紙「ハアレツ」がインタビューした。 ノーム・チョムスキーは大統領選挙に先んじて、自身がジョー・バイデンに投票するつもりであり、アメリカの革新派の人々も同じことをするだろうと、繰り返し語ってきた。11月3日より前に行われた米オンラインメディア「サロン」のインタビューで、伝説的な知の巨人たる言語学者はこう語っていた。 「私は反トランプ側に投票するつもりですよ。現状の二大政党制では、反トランプ派に投票しようと思ったら、民主党支持に舵を切るしかないという現実的な問題はありますが」 選挙はバイデンの勝利に終わったが、選挙直後に行
対中国「人権より大局重視」 民主化弾圧も「温かく見守る」―天安門事件外交文書 2020年09月20日07時38分 中国・北京の天安門広場で民主化を求める大規模デモに参加する大学生たち=1989年5月(AFP時事) 1989年6月4日に中国共産党・政府が民主化運動を武力弾圧した天安門事件の直後、日本政府が今後の対中政策として「民主・人権」より「長期的、大局的見地」を重視する方針を打ち出していたことが分かった。このほど秘密指定を解除した外交文書に明記されていた。極秘扱いの別の外交文書は、西側諸国による対中共同制裁に反対し、日本として中国を「息長くかつできるだけ温かい目で見守っていく」と記しており、対中配慮姿勢が明確だった。 流血当日「対中非難限界」 人権意識低い外交―天安門事件文書 外務省が時事通信の開示請求に対し天安門事件外交文書ファイル9冊(計3123枚)を公開した。西側諸国が対中制裁を強
普段は米国のポッドキャストや、テレビでの会見をずっと訳していますが、久しぶりに自分の思いを書こうと思います。 ミネアポリス市での警察官のジョージフロイド氏の殺害を受けて、国中に広がった人種差別反対のデモ運動。殺害から10日たった今でも毎日全国で行われています。 参加者今でもニューヨーク州内だけで3万人程と言われる規模の動員にも関わらず、ほとんどは平和的に行われています。 ですがやはりこのような大規模で、しかも注目を集めるデモになると、煽動家やアナキスト、極左、極右など、色々なアジェンダを持った各運動団体が入り乱れ、もちろん一触即発の所まで怒り心頭している黒人の若者もそれで触発され、破壊活動や、商店の略奪(looting、と言います)、日本語で一言で「暴動」と言われるような事態も起こっています。 まず最初に、一般市民が現政権、現社会に大きな不満があった時、投票以外で声を上げる術であるプロテス
アイテム 1 の 4 6月5日、米ミネソタ州ミネアポリスで、白人警官から暴行され死亡した黒人男性ジョージ・フロイドさんの追悼式が開催され、数百人が参列した。フロイドさんの遺族。写真は6月4日、ミネアポリスで撮影(2020年 ロイター/Lucas Jackson) [1/4] 6月5日、米ミネソタ州ミネアポリスで、白人警官から暴行され死亡した黒人男性ジョージ・フロイドさんの追悼式が開催され、数百人が参列した。フロイドさんの遺族。写真は6月4日、ミネアポリスで撮影(2020年 ロイター/Lucas Jackson) [ミネアポリス 4日 ロイター] - 米ミネソタ州ミネアポリスで4日、白人警官から暴行され死亡した黒人男性ジョージ・フロイドさんの追悼式が開催され、数百人が参列した。この事件をきっかけに全米各地に広がった人種差別や格差への抗議デモは今も続いている。 著名公民権活動家アル・シャープ
黒人男性ジョージ・フロイドが警官に殺害された事件への抗議デモが全米各地で続いている。 まずは以下の映像を観て欲しい。 3 Brothers-Radio Raheem, Eric Garner And George Floyd. pic.twitter.com/EB0cXQELzE — Spike Lee (@SpikeLeeJoint) June 1, 2020 映画監督スパイク・リーによるものだ。冒頭で「歴史は繰り返すものなのか?」というテロップが出る。 最初に写る、薄いグレーのTシャツの男性の名はエリック・ガーナー。場所はニューヨークのスタテン島。路上で違法なタバコのバラ売りをしていたとして警官に止められた。警官に羽交い締めにされ、「I can’t breathe. 息ができない」を繰り返しながら息絶えた。2014年の事件だ。 続く、ピザ屋から人々が溢れ出るシーンは、スパイク・リー監督
埋蔵量でアフリカ大陸一の産油国であるリビアの内戦は、多くの国が介入する代理戦争の様相を呈している介入する外部の国は「自軍兵士の犠牲を減らしつつ戦果をあげる」という意味でコスパをあげるため、遠隔操作できるドローンと、戦死しても「戦死者」にカウントしなくてよい傭兵の利用を増やしているしかし、その結果、外部のスポンサーにとって介入のハードルが引き下がっていることで、リビア内戦は激化しつつある 国際的に注目されることの少ないリビア内戦は、次世代の戦場の実験場になっている。そこでは「自軍兵士の犠牲」というコストの削減が目立つが、それは結果的に戦闘をドロ沼化させてもいる。 「空爆誕生の地」の現在 現代の戦場で当たり前のように行われる空爆は、イタリア・トルコ戦争の最中の1911年にイタリア軍が北アフリカのリビアで初めて行ない、その後の第一次世界大戦などで急速に普及した。空爆は「自軍兵士の犠牲を減らしなが
日本の視聴者は、いつからこんなに韓国の政局に関心を持つようになったのだろう? ある日の午後、テレビをつけて各局の情報番組、いわゆるワイドショーを眺めながら思ったことである。 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が法務省長官候補として指名した、大統領府のチョ・グク元民情首席秘書官のスキャンダル問題について、実に詳しく報じていたからだ。ある番組ではチョ元秘書官の記者会見をライブ中継までしていた。 チョ元秘書官はソウル大学の教授で、文政権発足時に大統領府の民情首席秘書官に任命された人物である。民情首席秘書官は政府の重要人事の検証をするなどの役割を担っており、大統領府のなかでも特に力を持つポストとされている。チョ元秘書官が「文大統領の最側近」とされる所以である。 元々法学者であるチョ元秘書官を、文大統領はこの8月に法務省長官に指名したのだが、その際、野党から数々の疑惑が提示された。 大統領が指名し
フォーム「(声明)安倍政権に韓国敵視政策をやめることを求めます」の回答の受け付けは終了しました。 間違いであると思われる場合は、フォームのオーナーにお問い合わせください。
ご訪問に感謝いたします. 最初に「新しい視点」からお読みいただくと判り易いと思います. 大変ボリュームがあるので、 「本文ダイジェスト」を読んで、目次から関心のある記事を探して お読みいただいてもかまいません. 拉致被害者の使命を考える 「日本の国のために、このように犠牲になって苦しみ、 また亡くなったかもしれない若い人たちの心の内を思ってください。 私たちが一生けん命、力を合わせ、戦ってきたこのことが 政治の中の大変な問題であることを暴露しました。 このことは、日本にとっても北朝鮮にとっても大事なことです。 そのことの為にめぐみは犠牲になり、 使命を果たしたのではないかと信じています。 人はいずれ死んでいきます。 本当に濃厚な足跡を残していったのではないか、 そう思うことでこれからもがんばってまいります」2002.9.17 2002年小泉総理大臣(当時)の訪朝により、5名生存、8名死亡の
前回のブログでは、オリンピック開催中に日本政府が発表した難民保護に関する重要事項について解説しました。今回は、同時期に発表された移民受け入れ政策に関する大きな問題点について解説してみたいと思います。 なお、「移民」の定義については既に過去のブログで何度も説明していますので、ここでは繰り返しません。重要なのは小手先の定義論ではなく、日本が少なくとも1990年の入管法改正以来、既に130万人を超える実質的移民を受け入れてきていて、安倍政権はそれをさらに拡張している、という動かぬ事実です。 また最初に断っておきますが、移民を受け入れるべきだ、というイデオロギー思想は私にはありません。以前のブログでも述べた通り、どの国家も移民(安倍政権の言うところの「外国人労働者」)を受け入れる義務や道義的責任など一切ありません。移民の方々の助けなしに日本の経済も産業も社会保障制度も十分かつ長期的に回っていく見通
韓国の社会学者で政治家のウン・スミ氏(53歳)が、「アイドルマスター シンデレラガールズ」のキャラクター『前川みく』のコスプレをTwitterで披露して話題となっていると韓国のゲームメディアが伝えた 事の発端は「似ている」というネタ 以前から、韓国のアイドルマスターファンやアニメファンの間で、アイドルマスターシンデレラガールズの「前川みく」が眼鏡をかけた姿が元国会議員のウン・スミ氏に似ているという話がネタとして広まっていたようだ。 진짜 은수미 의원 닮았다 ㅋㅋㅋ pic.twitter.com/MRyYfTQA7b — 올릉 (˘ω˘ ) (@Sakura_Kyotaro) 2016년 5월 7일 (コアなファンの間では前川みくより上条春菜の方が近いという意見もあったとか...) このネタが2016年にウン・スミ氏の耳に入り、自らのTwitterで「大統領選挙で野党が勝ったらみくにゃん
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