トレーニングの後、水浴びする、ケンタッキーダービーの優勝馬メディーナスピリット。レース後の検査で禁止薬物の陽性反応が出た。(Photograph by Rob Carr,Getty Images) 2021年5月1日に行われた米国競馬クラシック3冠の第1戦、ケンタッキーダービーで1位になったメディーナスピリットが、レース後の検査で禁止薬物の陽性反応を示した。調教師のボブ・バファート氏は、治療のために抗真菌軟膏を使ったことを認めたが、この軟膏にステロイド抗炎症薬ベタメタゾンが含まれているとは知らなかったと主張した。 米国競馬界では、こうしたスキャンダルが増加傾向にある。2020年、ドーピングに関わったとして米国政府に起訴された調教師、獣医、医薬品販売業者は、25人以上にのぼった。2019年にジョッキークラブが発表した報告書では、サンタアニタパーク競馬場で22頭の競走馬が相次いで死んだことを挙