博士号を取得しても低所得の任期付きポストでは生活もままならない、研究費減少により資金獲得のために研究時間が圧迫される……。このように、日本の理系学生や研究者を取り巻く状況は厳しく、科学力の地盤沈下は避けられない。彼らの明るい未来を作るための一つの鍵は、様々な「マッチングの課題解決」だった。 理系学生と企業をマッチングさせる『LabBase』などを展開する、株式会社POL代表取締役CEOの加茂倫明氏が、自ら解説する。 任期付きポスト、低所得、奨学金返済… iPS細胞や青色発光ダイオードなどをはじめ、数多くの発見・発明を生み、人類社会全体の進歩に大いに貢献してきた日本の研究者。一見華々しくも見えますが、実は多くの研究者の個人としての所得や職の安定性は、大変厳しい状況となっています。 現在、博士号を取得する人は毎年1万5000人以上いますが、卒業生のうち約30パーセントはポスドクと呼ばれる任期付