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ブックマーク / academist-cf.com (10)

  • 天王星は巨大衝突で横倒しになり、大蒸発の果てに小さな衛星群が残る – 新たな理論モデルの発見

    太陽系の形成と惑星の自転 太陽系では、内側の軌道に岩石を主成分とした小型の地球型惑星(水星、金星、地球、火星)があり、その外側に水素・ヘリウムガスを主成分にした巨大な木星型惑星(木星、土星)、さらにその外側に氷を主成分にした中型の海王星型惑星(天王星、海王星)があります。地球は「水の惑星」のように見えますが、海の総質量は地球全体の0.01%に過ぎず、内部に染み込んだ水を含めても0.1%を超えることはないと考えられています。地球は、中心の鉄の芯に岩石層が取り巻く、からからに乾いた惑星です。海王星型惑星も表面を取り巻くガスは全体の10%ほどです。 太陽は、銀河系に漂う水素・ヘリウムガスの密度の濃い部分が収縮して形成され、原始の太陽のまわりには収縮しきれなかったガスが円盤状に取り巻き、その円盤に微量に含まれる岩石や固体成分が凝縮して無数の小天体(微惑星)が形成されます。地球型惑星は岩石微惑星が集

    天王星は巨大衝突で横倒しになり、大蒸発の果てに小さな衛星群が残る – 新たな理論モデルの発見
    kamei_rio
    kamei_rio 2021/02/13
  • 【特別寄稿】深海生物「テヅルモヅル」とは何者か?

    これまでacademist journalにテヅルモヅルに関する記事をいくつか寄稿してきたが、せいぜい「深海生物である」という説明にとどまっていたように思う。稿では、テヅルモヅルとはどういう生きものであるかを、学術的にみなさまにご説明したい。 テヅルモヅルの分類 テヅルモヅルは、学術上、「棘皮動物門(もん)のクモヒトデ綱(こう)」に分類される。棘皮動物とは、ウニ、ナマコ、ヒトデを含むグループであり、クモヒトデとは、腕が細長いヒトデのような形をした生きものである。 その形や、クモ「ヒトデ」という名前のせいか、よく「クモヒトデはヒトデのいちグループですか?」と聞かれることがあるが、ヒトデとクモヒトデは「綱(門のひとつ下の階級)」のレベルで分けられる別の分類群である。我々に近いところに置き換えてみると、魚綱と両生綱くらいの違いに相当する(2)。 クモヒトデとヒトデの一般的な体制。メナシクモヒト

    【特別寄稿】深海生物「テヅルモヅル」とは何者か?
    kamei_rio
    kamei_rio 2020/08/03
    "テヅルモヅルはそのうち、系統的に遠縁な2つの科に別々に存在するのである。" そうなんだ
  • 鳥の種まき追跡! – 3年間の大規模調査で探る、森の果実の量と種のゆくえ

    植物と動物の共生関係 – 周散布とは? 固着性の植物にとって、種子散布は貴重な移動の機会です。植物の多くは、動物に種子を散布してもらっています。動物による種子散布でよく見られるものが「周散布」です。周散布とは、植物が種子の“周り”の果肉を動物に提供し、動物が果実をべて種子を糞として排出することで、種子の散布が成り立つというものです。植物側にも動物側にも利益がある、共生関係といえます。 周散布は温帯林の樹木種の35~44%、熱帯雨林では75~90%を占めており、動物が森づくりに大きくかかわっています。実際、森林伐採や狩猟で動物がいなくなった森は空洞の森といわれ、種子散布されなくった樹木の世代交代が上手くいかなくなっています。 周散布にはナメクジやゴキブリ、バッタなどの無脊椎動物から、カメ、カラス、クマ、ゾウなどの脊椎動物まで多くの動物が参加します。雨季に林床が水に沈む南米の湿地林

    鳥の種まき追跡! – 3年間の大規模調査で探る、森の果実の量と種のゆくえ
    kamei_rio
    kamei_rio 2019/02/27
    "大規模に設置した種子トラップを利用することで、森の果実の豊凶が鳥の種子散布に与える影響を明らかにしました" ふーん
  • ナメクジの出現を予測する!- 市民科学と最新統計の融合

    外来種問題は突然に 2014年7月某日、札幌市の円山原始林で私が出会ったのは、体長15cmもの巨大な豹柄のナメクジ、マダラコウラナメクジでした。私はそれを知っていました。過去に一度だけ、ドイツ・ドレスデンの森の中で見たことがあったからです。北欧原産のナメクジがどうしてここに? 慣れ親しんだ円山の森に現れた、不似合いな新参者との突然の出会いに、目眩がしました。私の知る北海道の生態系は、これからいったいどうなってしまうのか? 我々ヒトの生活への影響は? 体長15 cmほどのマダラコウラナメクジ 市民のブログが教えてくれた 予期せぬ出会いに衝撃を受けた私は、研究室に戻るや否や、飛びつくように現状を調べ始めました。わかったことは、マダラコウラナメクジが2006年に茨城県で最初に侵入・定着が確認されたということ、さらに2010年には福島県、2012年には長野県にも侵入し勢力を拡大しているということで

    ナメクジの出現を予測する!- 市民科学と最新統計の融合
    kamei_rio
    kamei_rio 2018/06/19
    "それはもう只者ではない市民と言います。そんな驚愕のデータを、あろうことか2年間分もまるごといただいてしまいました" 他にも神とか出てくるのがすごい
  • 弱い量子コンピューターはどのくらい強いのか? – 量子スプレマシー研究の最前線

    量子コンピューターとは、原子や分子、光など、ミクロな世界を記述する量子力学に基づいて動作するコンピューターのことであり、現在我々が使っているコンピューター(古典コンピューターと呼ばれます)をはるかに凌駕する計算能力を持つと期待されています。 量子計算の研究者たちが目指す究極のゴールのひとつは、大量の量子ビットからなるユニバーサル量子コンピューターを作ることです。ユニバーサル量子コンピューターというのは、任意の量子アルゴリズムを走らせることのできる汎用の量子コンピューターのことです。しかしながら、大量の量子ビットを自由自在に操る汎用の量子コンピューターを実験室でつくるのはまだまだ技術的に難しく、実現されていないのが現状です。 そこで、ユニバーサルでなくてもよいから、また、量子ビットの数もそれほど多くなくてもよいから、何か、現在もしくは近い将来の技術のみで実現できるような「弱い」量子コンピュー

    弱い量子コンピューターはどのくらい強いのか? – 量子スプレマシー研究の最前線
    kamei_rio
    kamei_rio 2017/10/23
  • ヘビの胴体が長いメカニズムがわかった! – 脊椎動物の後ろ足の位置の多様性を生み出す仕組み

    私たちの後ろ足は背骨の中の仙椎の場所にあります 私たちヒトを含む脊椎動物の体の中心には背骨(せぼね)があります。背骨はたくさんの脊椎骨(せきついこつ)が1列に並んだ構造をしており、脊椎骨は形の違いで頭に近い方から頸椎(けいつい)、胸椎(きょうつい)、腰椎(ようつい)、仙椎(せんつい)、尾椎(びつい)と呼ばれています。私たちの後ろ足は骨盤(こつばん)を介して仙椎に接続しています。 脊椎動物の骨格パターン 後ろ足(水色)は仙椎(赤色)の場所に作られている 仙椎と後肢の位置関係は進化の過程で保存されています さまざまな動物の骨格を見てみると、今生きている動物だけでなくすでに絶滅してしまった恐竜や首長竜、ヘビの祖先で手足を持つテトラポドピスに至るまで、あらゆる生物種において後ろ足は仙椎に接続していることがわかります。このように、仙椎の場所に後ろ足が形成されるメカニズムは進化の過程で非常に良く保存さ

    ヘビの胴体が長いメカニズムがわかった! – 脊椎動物の後ろ足の位置の多様性を生み出す仕組み
    kamei_rio
    kamei_rio 2017/09/15
    "なぜ後ろ足は必ず仙椎の場所に作られるのか" GDF11の活動が遅いほど胴が長くなる
  • 霊長類の脳が大きいのはヘビのせい? – 「ヘビ検出理論」の真偽に迫る

    霊長類の大きな脳 ほ乳類は、ほかの脊椎動物よりも身体のわりに大きな脳を持っています。なかでも多くの霊長類は、ほかのほ乳類よりも大きな脳を持っています。霊長類が脳(とくに視覚系)を発達させた要因として、かつては果実への移行が有力視されていましたが、20年ほど前からは、霊長類の複雑な社会構造で必要なコミュニケーションのためとの説が唱えられていました。しかし近年では、毒ヘビのいない地域での霊長類の視覚が劣ることや、ヘビを見たことのないサルでもヘビをすばやく見つけることなどから、霊長類はヘビを検出するために脳(とくに視覚システム)を大きくしたとの「ヘビ検出理論」(Isbell, 2009)が提唱されています。にわかには信じられない学説ですが、いまでは多くの実験結果によって支持されています。 ヒトやサルはヘビをすばやく見つける ヒトの祖先の霊長類は、およそ6500万年前ころから樹上で放散適応を始め

    霊長類の脳が大きいのはヘビのせい? – 「ヘビ検出理論」の真偽に迫る
    kamei_rio
    kamei_rio 2016/12/07
    ご先祖様が樹上で脅かされてたのはそうかもしれないけど、ヘビは他の生物より見た目が極端だからなあ
  • 集団を絶滅させる”裏切りアリ”の謎に挑む – 京大・土畑重人博士

    「アリに学べ!ロボットの集団行動最適化プロジェクト」は、ロボット工学や情報工学、数理生態学など、さまざまな分野を専門とする研究者で取り組む異分野連携型のプロジェクトである。しかし、異分野連携型と言っても、実際どのような連携が行われているかをイメージすることは難しい。今回、プロジェクトのメンバーであり、進化生物学を専門とする京都大学・土畑重人博士に、ご自身の研究内容と異分野連携のメリットについて、詳しくご紹介いただいた。 ーはじめに、土畑先生の専門分野についてご紹介ください。 私の専門は、進化生物学です。たとえば、丸い形をしていたほうが、四角い形をしているよりも生き残る確率の高い生物がいるとしましょう。するとその生物では、世代交代のたびに丸い形が増えることになるので、最終的にはみんな丸い形をするようになるはずです。このように、環境に最も上手く適応できた生物の性質が引き継がれていく考えかたのこ

    集団を絶滅させる”裏切りアリ”の謎に挑む – 京大・土畑重人博士
  • 致死温度に近い温泉に生息するオタマジャクシの発見

    両生類の幼生は、どれほどの水温まで生息することができるのでしょうか? 稿では、最近私たちがトカラ列島口之島にて確認した、温泉を利用するリュウキュウカジカガエルについて紹介します。 周囲の温度に影響を受けやすい外温動物にとって、外気温や水温は生息可能性を決める重要な要素のひとつです。両生類とて例外ではなく、特にオタマジャクシの生存には、水温が大きな影響をもっていることが知られています。また、オタマジャクシは極端に高いあるいは低い水温を避けることも報告されています。 一方で、僅かではありますが、オタマジャクシが温泉地帯の温かい水の中に生息していることも報告されています。そのなかでも有名な例が、台湾のリュウキュウカジカガエルで、 40度近くの温泉水中での生息が確認されています。また実験下では、40度以上の温水にも耐えられることが示されており、この優れた温度耐性が温泉中での生存を可能にしていると

    致死温度に近い温泉に生息するオタマジャクシの発見
    kamei_rio
    kamei_rio 2016/11/08
    ゆでガエルそのもので生命はすごい
  • クマムシ研究のこれまでとこれから – クマムシ博士・堀川大樹さんに聞いてみた

    先日、横綱のように強い耐性を持つことで知られる「ヨコヅナクマムシ」のゲノムが解読されて、その放射線耐性メカニズムの一端が解明されたという研究発表があった。ヨコヅナクマムシが命名された10年前は、クマムシ研究のことを「研究というより、趣味ではないか」などと言われていたそうだ。しかし現在では、クマムシの知名度も向上し、研究者の人口も増えてきている。今回、クマムシ博士・堀川大樹さんに、研究がスタートしたときの状況や、新しい研究分野を開拓することの難しさ、それを乗り越えてきた研究へのモチベーションについて、詳しくお話を伺った。 ーヨコヅナクマムシとの出会いは、いつ頃だったのでしょうか。 「クマムシ博士」こと堀川大樹さん 博士課程の2年目だった2005年頃から、それまで研究してきたオニクマムシの研究が限界に達してきたんですよね。オニクマムシの飼育のパイオニアである鈴木忠さんからも、これ以上オニクマム

    クマムシ研究のこれまでとこれから – クマムシ博士・堀川大樹さんに聞いてみた
    kamei_rio
    kamei_rio 2016/10/19
    緑っぽいもやもやしたものを与えてみた→クマ飲み→1000匹育てた。なるほど……
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