著名な物理学者Stephen Hawking博士の死去を受け、同氏を追悼する声が数多く寄せられている。なかでも心を打つのは、英国のケンブリッジ大学が公開した動画だ。 動画は同校のYouTubeチャンネルに投稿されており、Hawking氏の言葉を、その生涯を通じて撮影されたさまざまな同氏の姿とともに紹介している。動画の音声部分は、Hawking氏が2017年、75歳の誕生日にあたる日にケンブリッジ大学で行った講演から抜き出したものだ。 「今の時代に生を受け、理論物理学の研究を続けていくのは素晴らしいことだ」とHawking氏は述べている。「私たちの宇宙に関する理解は、この50年間で大きく変化してきた。このことに私が少しでも貢献できたのなら幸せなことだ」 Hawking氏は、ケンブリッジ大学で宇宙論を研究していただけでなく、生涯のほとんどをケンブリッジ大学で過ごし、さまざまな役割を全うしてきた
科学技術の躍進が続く中国で、世界最大の円形加速器を建設する動きが本格化している。計画通り2040年に本格稼働すれば、現代物理学への大きな貢献が期待されるが、実験の副産物としてミニブラックホールが生じる見込みもあるのだとか。専門家は「心配ない」と断言するが、そこは何事もダイナミックな中国のこと。どうしても一抹の不安を抱いてしまう…。 一周100キロの巨大サイズも日本や中国の専門家によると、世界最大の加速器は中国科学院(CAS)の高能物理研究所が建設を目指している実験施設で、「SPPC」と呼ばれている。SPPCとはスーパー・プロトン・プロトン・コライダー(super proton proton collider)の略で、プロトンは原子核を構成する陽子を、コライダーは加速器を意味する。周長は検討中だが最短でも57キロに達し、中には100キロを目指す動きもあるようだ。 現時点で世界最大の円形加速器
日本テレビのニュース報道が「環境省の調査により海外でのヒアリによる死亡例は確認できなかった」と伝えていた。 news.livedoor.com 国内で相次いで発見されているヒアリについて、海外での死亡例は確認できなかったとして、環境省はホームページから表現を削除した。 日テレNEWS24 しかし、このブログの前回の記事でも検証したように、アメリカではヒアリの死亡例が確認されているのは明らかだ。 horikawad.hatenadiary.com 1998年までに累計で少なくとも44例のヒアリによる死亡ケースが確認されている。そして、これはだいぶ少なく見積もった数だ。個々の死亡ケースは、たびたびニュースになっている。たとえば2016年には、母親が死去した翌日に、葬式のアレンジのために干し草の上で電話をしていた娘が、ヒアリに襲われて亡くなったことが報告されている。 www.independen
ヒアリ Solenopsis invicta. 撮影:松本吏樹郎(大阪市立自然史博物館)(CC BY 4.0) 2017年になって、神戸、名古屋、大阪、そして東京で相次いで発見されている、侵略的外来種のヒアリ(Solenopsis invicta)。ヒアリは人を刺し、確率はきわめて低いものの、ときに死に至らしめることもある。このことから、連日のように報道されるヒアリ発見のニュースは、少なくない人々を不安にさせている。 前回の記事で紹介した、日本語で書かれた唯一のヒアリ書籍『ヒアリの生物学』には、アメリカでは1年間で1400万人ほどがヒアリに刺され、そのうち100人ほどが死亡していると書かれている。*1 ヒアリの生物学―行動生態と分子基盤 作者: 東正剛,東典子出版社/メーカー: 海游舎発売日: 2008/04/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見る (追記:Amazonで在庫切れ
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小保方晴子氏がホームページにおいてSTAP現象の存在を改めて主張しはじめたということである。そこで前回の記事に追記する。 適者生存 前回の記事においては、小保方晴子氏の手記(1)のみに基づいて分析を行い、小保方氏が本来的な科学を習得する道を踏み外したきっかけがバカンティ研究室における彼女の最初の成功の瞬間であることを明らかにした。そこにおいて小保方氏は2つの特異な才能を発揮した。すなわち、ボスの心の底にある望み(夢)を忖度し引き出して雄大な「仮説」として提示するという、いわば法螺吹き的な力と、プロジェクトを確かな実験的検証ができない(それゆえに法螺が長続きする)方向に持っていく力という2つの才能である。 ここで法螺という言葉をもってして何かをけなすつもりはない。どんな科学者であってもときどき誇大妄想的な夢に取り憑かれることはあって、それは一部には科学者としての人生を続けていくための原動力で
小保方さんは間違っていたのか、それとも正しかったのか—アメリカの権威誌に掲載された記事には、日本で報道されていない新たな証言が書かれていた。世界中が彼女に注目し始めている。 すさまじい駆け引き 「私は、STAP細胞は正しい、確かに存在すると100%信じたまま墓場にいくつもりだ」 こう語るのは、小保方晴子さん(32歳)の恩師、アメリカ・ハーバード大学のチャールズ・バカンティ教授だ。バカンティ氏は、小保方さんが発表し、後に撤回された「STAP細胞論文」の共著者でもある。 小保方さんが、自らの言葉で綴った手記『あの日』が、海の向こうでも話題になっている。アメリカで有数の権威を持つ週刊誌『NEW YORKER』(ニューヨーカー)の電子版に、一連のSTAP騒動を検証する記事が掲載されたのだ。筆者は、アメリカ人のデイナ・グッドイヤー女史(39歳)。'07年まで『ニューヨーカー』の編集者として勤務し、そ
どんなコラム? 職業は科学ライターだけど、毎日お買い物をし、家族の食事を作る生活者、消費者でもあります。多角的な視点で食の課題に迫ります プロフィール 京都大学大学院農学研究科修士課程修了後、新聞記者勤務10年を経て2000年からフリーランスの科学ライターとして活動 毎日新聞社が3月7日朝刊に出した「福島・甲状腺検査 子のがん「多発」見解二分 過剰診断説VS被ばく影響説」を読んで、「両論併記の罪」という、昔考えた言葉を思い出しました。 私は1999年に同社を退職して、2000年からフリーランスの科学ライター、ジャーナリストとして活動を始めました。最初は、科学雑誌への企画売り込みから。今はなき「科学朝日」や「日経eco21」という日経ホーム出版社の雑誌などに持ち込みました。たとえば諫早湾干拓事業の是非、当時医療現場で浸透し始めていたEBM(evidence-based medicine、根拠
高嶋 秀行さん 1975年、福岡県宗像市生まれ。1997年、東京大学工学部物理工学科卒業。1999年、同大学大学院工学系研究科超伝導工学専攻修士課程修了。読売新聞社青森支局および三沢通信部で、記者として六ヶ所村の核燃料サイクル施設や自衛隊・米軍三沢基地などを担当。2001年10月よりニュートンプレス社で編集者・記者として勤務。現在は月刊誌ニュートンのデスク(執行役員・編集部長)などを務める【写真:川口友万】 応対していただいたのは、同誌編集部デスクの高嶋秀行さん。 ――ニュートンは昔からよく読んでいるんですが、今年で創刊何年になるんですか? 「35周年ですね。初代の編集長が竹内均といいまして、元東大の教授で地球物理学者なんです。 私は世代が違うのでニュートンの初代 編集長としての印象が強いんですけど」(高嶋秀行さん。以下同) ――もしかして、映画の『日本沈没』を知らない? 竹内先生といえば
この「俺のソース」というツイッターアカウント/ブログでは新聞等で報道された科学記事の元になった原著論文を提示しています。 今回は2015年に報道された記事のなかから個人的に面白かったものをまとめてお送りします。 まずはこれ。 日刊工業新聞の元記事へのリンクが切れてるので日経新聞の記事へのリンクを貼っておきます。 岡山大、植物の葉緑体へビタミンCを運ぶ輸送体特定-日射耐性植物育種に一役 http://t.co/n5dmKYEeVQ ミトコンドリアでつくられたVCはPHT4;4が葉緑体内へ輸送し強光障害耐性に寄与(Nat commun)OA→ http://t.co/nfW8zPrRn3 — 俺のソース (論文紹介) (@OrenoSource) 2015, 1月 9 植物のビタミンC輸送体を世界で初めて同定 (岡山大学プレスリリース)→ http://t.co/wbIuXE2fxN — 俺の
5.推測表現(難易度☆☆) 研究結果からの推測は、まさに、単なる推測でしかありません。「〜だろう」「〜かもしれない」「〜の可能性がある」等の言葉には警戒しましょう。このような表現が用いられている場合、研究によって、その結論の確かな証拠が得られているとは考えにくいからです。 対処法の例:「今わかっていること」と推測は分けて考える。科学では一つ一つのステップを踏んで証明していくが、報道や広告ではしばしば数段飛ばしの推測がなされていることを念頭に置いておく。 科学記事の例 昨今論文として発表されるような科学研究の成果というのは、専門外の者からはその意義がわかりにくいことが少なくありません。科学研究というのは、はるか遠いゴールに向けて、一歩ずつ、地道に進んでいくものです。一歩=一つの研究の結果と考えると、その歩幅-つまり、研究の進み方-はとても小さかったりします。一般のメディアで報道されるような研
ゾンビ流行! 近年続発する世界的な感染パニックは、対策を疎かにする人類への警告なのか Hannibal Hanschke-REUTERS もしゾンビの襲来が怖くて夜も眠れないなら、いざという時のための準備をしておくと安心だ。飲用水や食糧を備蓄して、非常箱や手回し式の自家発電ラジオ、懐中電灯などの必需品を買い揃える。自衛のための武器も入手したほういいかもしれない。 まだそんな準備をしていない人は注意した方がいい。ゾンビの恐怖はいつやって来てもおかしくない。今週、イギリスの医学誌「ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル」に、ゾンビの感染と予防について歴史的、疫学的に検証した記事が掲載された。 筆者のタラ・スミスは、米オハイオ州・ケント州立大学の准教授で、専門は公共衛生学。ゾンビ(またの名を「ウォーキング・デッド」)の脅威への意識を高めることが記事の趣旨だという。ゾンビの歴史は、16世紀のハイチ
9月24日、科学雑誌Natureが3本の記事を載せた。このうち2本は昨年、日本を騒がせたSTAP細胞の論文(以下、STAP論文)に関する“反論”で、残りの1つは総説だ。3本はそれぞれ独立した記事だが、互いに関連している。 いずれもSTAP細胞の騒動に、科学界としての決着をつける記事だ。しかし、まだいくつかの疑問は残る。それは、Nature誌自身の役回りについてだ。 今回Nature誌に載った記事を紹介する前に、STAP論文とそれをめぐる不正告発の経緯を簡単におさらいしよう。すでによく知っているという方は、「すでに撤回された論文への反論」から読んでいただきたい。 画期的だったSTAP細胞 2014年1月末にNature誌に掲載されたSTAP論文は、身体中のすべての細胞だけでなく、胎盤にも分化することのできる細胞に関するものだった。赤ちゃんマウスの細胞を弱酸性の液に30分ほど浸けるなどの簡単な
《AI(人工知能)をしのぐ人類の大敵は、エイリアンだ?!》-。SF小説とみまごうこの一言に、多くの研究者が驚愕し、欧米が騒然となっている。何しろ警告したのが、車いすの天才宇宙物理学者で知られる、スティーブン・ホーキング博士(73)だからだ。博士はエイリアンを含む地球外生命体の探索に取り組んでいるが、人類が関わりを持つことには否定的。しかし、高度に文明化されたエイリアンの襲来を連想させる博士の発言だけに、対抗策などの本格的検討を促しているとも受け止められている。(SANKEI EXPRESS) 博士の“警告”を最初に紹介したのはスペイン紙「エル・パイス」。この内容を英紙デーリー・メール(電子版)など欧米メディアが次々と報じた。 エル・パイス(電子版)の記者は博士にこう質問した。 「最近、銀河系で(エイリアンを含む)地球外生命体を探す非常に意欲的な取り組みを始めましたが、数年前には、地球外生命
理系が昔持て囃されていた時期、自分も理系に行くかーと思った時期があった。 しかし、大量に家庭教師やらをつけても数学のテストの点はよくならないし、物理は一桁すらとる状態だった。 文系の方がやはり簡単だし、魅力もあったからそっちへ行った。 後悔していないし、それに対するコンプもない。 今、人工知能が流行っている。 本屋に行くと、帯には「2045年には人類のー」と煽り言葉が書かれている。 しかし、産総研の研究者の人のツイッターを見ると「無理無理」と言っている。 webの英語翻訳の結果を見たら、何も知らない自分も無理なんじゃねーのと思えてしまう。 科学系のニュースというのは一般的に見たら、煽りすぎなのだ。 「もしかしたらー ○○ができるかも!」「人型ロボットができる!!」とか期待を抱かせすぎだ。 また、科学系のポエムもやめろ。 特に「もしー、○○が出来てしまったら、倫理がー」とかいうやつだ 出来て
ケムステしごと 科学を伝える-サイエンスコミュニケーターのお仕事-梅村綾子さん 2015/6/8 ケムステしごと, 一般的な話題, 化学者のつぶやき, 日常から, 講演・人 コメント: 0 投稿者: webmaster 最近科学(サイエンス)コミュニケーターという職業をよく耳にします。国立博物館や科学未来館などでは積極的に養成講座も行っているようです。化学者へのインタビューでは大学の研究者を紹介していますが、化学に携わる仕事は新しい科学を開拓する研究者だけはありません。ケムステでは、ケミストリー(もしくはサイエンス)に関わるお仕事を積極的に紹介・応援したいと考えています。それを実行に移すべく、時間のある限りそれらの方々への取材記事を作成し、この「化学者のつぶやき」で紹介することを始めます(否が応にも筆者の周りの方々中心になってしまいますが)。 栄えある第一回目は名古屋大学学術研究・産学官連
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