イラクとアフガニスタンでの2つの戦争をアメリカ軍の現地司令官として戦い、CIA長官も務めたデイビッド・ペトレアス氏。 「ロシア軍は首都キーウを制圧できない」と早い段階で予見したペトレアス氏の目には、ウクライナでのこの6か月の戦闘はどう映っているのか。 ウクライナ軍による反転攻勢で注目を集める東部戦線とともに、今後の戦いを左右すると見られてきた南部では何が焦点となっているのか。 そして、この戦争を終わらせるためのカギは? 国際関係学の博士号を持ち、“軍人学者”とも呼ばれる元司令官に話を聞きました。 (聞き手 ワシントン支局長 高木優) Q. ウクライナの最前線では何が起きている? ウクライナ軍に対して、アメリカや西側諸国から膨大な量の兵器や弾薬が送られました。とりわけ、誘導型の多連装ロケットシステム(GMLRS)によって、ウクライナ軍は正確にロシア軍の弾薬補給拠点や燃料庫、作戦拠点を攻撃する