わたしは今、オープンソース小説とでも呼ぶべき作品を読んでいる。 「1634: The Ram Rebellion」は、一般的な著作権が適用された書物だ。だが、制作された過程は、まさしくオープンソースである。Eric Flintの著作「1632」のファンがウェブサイト上に集い、彼が創造した架空史の世界をふくらませてできた本なのだ。 人気のある書籍には、たいていファンサイトが存在している。わたしの娘は二次創作小説が大好きで、一般の人々が人気キャラを使って書いたオリジナルストーリーを発表するサイトを、しょっちゅうのぞいているようだ。 Flintが特殊なのは、彼が自著の二次創作を積極的に認めているばかりか、1634: The Ram Rebellionにおいては、書籍市場への売り込みにまで協力した点だ。オープンソース的なプロセスを受け入れたことで、Flintは経済的にも芸術的にも、活動の幅を広げら