最高裁の決定で、結局トクをしたのは誰?――ブルドックソース VS スティールパートナーズ:保田隆明の時事日想 大手ソースメーカー・ブルドックソース(証券コード:2804)に対してTOB(株式公開買付)を仕掛けた、米系投資ファンドのスティールパートナーズ。8月7日、最高裁は高裁、地裁の判断を支持し、ブルドックの買収防衛策を認めた。これにより、法廷でのスティールの負けが確定したことになる。 スティールが負けて一件落着――多くの人はそう思っているかもしれないが、ゲームは振り出しに戻っただけだ。今後この問題の焦点は、買収防衛策の無策ぶりと、ブルドックの株主が失った財産へと変わっていくはずだ。 スティールから見た現状:買収総額自体は変わっていない 8月8日、スティールは早速TOBの価格を1700円から425円に引き下げた。これは、ブルドックの買収防衛策が認められ、株数が約4倍になることを受けての措置