2016年7月17日、第40回世界遺産委員会において、フランスを代表国として日本を含む7ヶ国で共同推薦した「ル・コルビュジエの建築作品」(含国立西洋美術館の本館)を世界遺産に登録された。本小企画展は、世界遺産を契機に当館に興味を持っていただいた方々に、ル・コルビュジエが設計した本館の特徴を、パネルを中心に模型3点とビデオで紹介するものである。 ル・コルビュジエは、自動車や家具の設計と同様に建築においても、まずその建物の原型となるプロトタイプを研究して、それを何度も書き直すという方法で建物を設計することがあった。当館の本館もそうしてまとめあげた《無限成長美術館》のプロトタイプを基にして建てられたものである。 美術館のアイディアは、1929年、スイスのジュネーヴに計画された《ムンダネウム》の《世界美術館》に始まり、その後幾度も練り直されて、1939年に《無限成長美術館》のプロトタイプとしてまと