山田:ネットメディアをめぐり、フェイクニュースやアドフラウド(広告詐欺)など、マイナスイメージの言葉が飛び交っています。メディアの未来をどう考えていますか。 伊藤:今、起きていることは、スパムに似た現象と、ハッキングに似た現象に分けられる。スパムに似た現象は、ツールである程度フィルターできるようになると思う。これはもう時間の問題だ。 ただ、問題はハッキング。進化するハッキングに対しては、対策もいたちごっこになるしかない。こういう戦いは、今後もなくならない。すでに、メディアはバトルフィールド(戦場)にいるからだ。 ところが、ニューヨーク・タイムズも含めて多くの伝統的なニュースメディアの人たちは、メディアがバトルフィールドの中にいる、ということをわかっていない。それどころか、自分たちがネット時代においてどういう役割を果たしているのかを理解できていない。 既存メディアの役割は「エサの投入」 山田