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ブックマーク / note.com/nobunagashinbo (3)

  • トルコがソープに変わった日|新保信長

    トルコがソープに変わった日のことを覚えているだろうか。 事の発端は1984年9月、一人のトルコ人青年が「愛する祖国の名前が、いかがわしい風呂屋の名前になっている」と当時の渡部恒三厚生相に直訴。それを受けて渡部氏は「貴国の風呂とは何の関係もないのに、いつの間にか俗称が使われている。いますぐ行政の力で命令することはできないが、自粛するよう呼びかける」と約束した。 厚生省は、公衆浴場に外国の国名、地名、人名を使わぬよう都道府県に通知。一方、東京都特殊浴場協会はトルコ風呂に代わる新しい名称を一般公募、同年12月19日に新名称「ソープランド」が発表された(以上、1984年12月19日付朝日新聞東京夕刊および1985年1月25日付朝日新聞東京朝刊より)。 この手の“上からお仕着せ”的な名称はなかなか定着しないのが世の常だが(例:E電)、トルコ→ソープについてはかなりすみやかに入れ替わったような記憶があ

    トルコがソープに変わった日|新保信長
  • このマンガがやばい!|新保信長

    前回ご紹介した『硬派銀次郎』や『巨人の星』は、セリフの差し替えだけで済んでいるが、題材やエピソード自体が不適切として、お蔵入りになってしまった作品もある。 有名なところでは、手塚治虫の『ブラック・ジャック』(73~83年)。「指」と題されたエピソードで、ブラック・ジャックの旧友の間久部緑郎という6指の男が登場する。2人が出会ったのは中学時代。〈わたしもきみもみじめだったなあ/わたしは身体障害者/君は不具者だったんだ〉とは当時を振り返るブラック・ジャックのセリフである。回想シーンでは、アメリカの大学に進学することになった間久部が、医大生となったブラック・ジャックに指の切除手術を依頼。そのときのセリフが〈ぼくはアメリカで五の指をもったまともな人間として再出発したいんだ!!〉だった。 多指症という実際にある症例らしいが、おそらくこうしたセリフが原因で単行未収録となっている。確かに、文言だけ

    このマンガがやばい!|新保信長
  • 肖像権と著作権と水島新司|新保信長

    昔の野球マンガには、実在の選手が実名でバンバン登場していたものだ。『巨人の星』はもちろんのこと、『がんばれ!!タブチくん!!』なんてタイトルにまでしちゃってる。『タブチくん』のヒットで火がついた野球4コマブーム当時は、それこそ1軍レギュラークラスの選手はほとんど全員ネタにされていたと言っても過言ではない。 しかし、今やそんなマンガはほぼ絶滅状態だ。プロ野球を題材にしたマンガがなくなったわけではない。「モーニング」連載中の『グラゼニ』なんかは非常に面白く人気もある。が、そこに登場するのはすべて架空の球団の架空の人物だ。 なぜそうなったかというと、肖像権の問題。1995年、プロ野球電波肖像権委員会が、マンガからも肖像権料を徴収すると決定。以降、マンガに実在の選手を出そうとすると、年間数十万円の肖像権料を支払わねばならなくなった(時事4コマ、スポーツ紙の1コママンガなどは報道性の見地から例外とさ

    肖像権と著作権と水島新司|新保信長
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