「貴方ぁー、くれぐれも大川をよろしくおねがいしますー。あいつはバカなんだけど、ホントに悪いヤツではないのよぉー。見捨てないでチョウダイねぇー! お願ぃー!」 2013年12月21日――。六本木・テレビ朝日で「ビートたけしのいかがなもの会」の収録が行われたこの日、ボクはマツコ・デラックスの楽屋へ自著『藝人春秋』を手に挨拶に出向いた。初対面だった。 楽屋のドアをノックして「どうぞー」の返事と共に扉を開けると、マツコは丁度メーク中だったが本を渡すと「まー。ワザワザ、ご丁寧に申し訳ないわー。ワタシ、もうこの本は読ませて頂いていますけど、そんなことより……」と大きな体を折り曲げてボクの手を握り、冒頭の言葉を告げた。 この頃、本書の著者、大川貴史プロデューサーは「5時に夢中!」の出演者の降板問題を抱えて、その是非や責任を問われていた。一方、マツコはテレビ界の寵児として飛ぶ鳥を落とす勢い、次々に各