生活保護利用者の「施設」 東京の山谷、大阪の釜ヶ崎など、かつて日雇い労働者の街と呼ばれた地域を歩いていると、「○○屋」「ホテル○○」「○○荘」といった、いわゆる「ドヤ」と呼ばれる簡易宿泊所(旅館)が立ち並ぶ。 過去には数万人とも言われた日雇い労働者の宿泊場所として、また、生活の拠点として大きな役割を担ってきたこれらの街に、数十年前ほどの活気はない。 もちろん、現在でも日雇い労働者はこれらの地域に多く居住しているが、往年に比べるとその数は圧倒的に減少していると言っていいだろう。 そういった時代の変化とともに、多くの簡易宿泊所が廃業したり、改装して値段を上げて客層を変えたり、外国人のバックパッカー向けのゲストハウスになったりと、様変わりしている。 一方で、かつての日雇い労働者たちが高齢になり生活保護を利用するようになるにつれ、住まいのない生活保護利用者の宿泊場所、生活の拠点としての役割を担うこ