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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (8)

  • 美は進化の産物か

    注意が必要なのは、この画像が小さいこと(わたしは小さい画像で見てしまい、ピンとこなかった)。できればPCなどディスプレイで、実物大に拡大して見比べてほしい。 これは、顔を魅力的にさせる要素を研究したペシェクの実験(※1)で使われたものになる。被験者は2枚の写真を見せられ、より魅力的に見えるほうを選ぶように求められた。 結果は明白で、問題1も問題2も、右の顔を魅力的だとする被験者が多かった。 なぜか。 実はこの写真、フォトショップによって、一か所だけ加工されている。それは、リンバルリング(limbal ring)だ。 リンバルリングとは何か。 鏡などでよーく目を見てみよう。まず、目の中心に瞳孔があって、その周囲に虹彩(茶や青など色のついている円盤状の膜)があって、その外側に白目がある。この白目との境界に、虹彩を縁取るような暗い円があるだろうか。それがリンバルリングだ。 リンバルリングは若さと

    美は進化の産物か
  • 認知科学から見た、多くの人が論理的に考えない理由『類似と思考』

    2つ問題がある。どちらの問題が、簡単だろうか? 問題は解いても解かなくてもいい。問われているのは、「どちらが簡単か」である。 問題1 ここに四枚のカードがある。 片面にはアルファベットが印刷されており、もう片面には数字が印刷されている。このカードは、「表が母音なら、裏は偶数」というルールに従って作られている。 いま、この四枚のカードが並べられている。これらが、前述のルールに従っているか調べるために、どのカードを裏返してみる必要があるか。 1枚目のカード  U 2枚目のカード  K 3枚目のカード  3 4枚目のカード  8 問題2 あなたは警察官だとする。 あなたは、無免許ドライバーを見つけようとしている。ある駐車場に行くと、車の近くに次の4人がいた。あなたは、どの人を調べるべきか。 1人目  車を運転しようとしている人 2人目  赤ちゃん 3人目  免許を持っている人 4人目  免許を持

    認知科学から見た、多くの人が論理的に考えない理由『類似と思考』
  • 「数量化革命」はスゴ本

    なぜ西欧が覇者なのか?これに「思考様式」から応えた一冊。 キモはこうだ。定性的に事物をとらえる旧来モデルに代わり、現実世界を定量的に把握する「数量化」が一般的な思考様式となった(→数量化革命)。その結果、現実とは数量的に理解するだけでなく、コントロールできる存在に変容させた(→近代科学の誕生)。 このような視覚化・数量化のパラダイムシフトを、暦、機械時計、地図製作、記数法、絵画の遠近法、楽譜、複式簿記を例に掲げ、「現実」を見える尺度を作る試行錯誤や発明とフィードバックを綿密に描く。 複式簿記・記数法:量を数に照応させることで、動的な現実を静的に「見える化」させる。あらゆる科学・哲学・テクノロジーよりも世界の「世界観」を変えた(と著者は断言する) 地図製作・遠近法:メルカトル図や一点消失遠近法を例に、三次元的な広がりを二次元に幾何学的に対応させた。さらに、図画から「そこに流れている時間」を取

    「数量化革命」はスゴ本
  • わが子がイジメられてるらしいと思った親が最初にしたこと

    それは記録。 背中が痛いと訴えてくる息子を裸にしたところ、広範囲に内出血跡を見つける。詳細は省くが、殴られたらしい。「すわイジメ」と気負いたつのではなく、ゆっくりと子どもの話を聞く。度を越した悪ふざけなのか、陰湿なやつなのか見きわめがつかないし、子どもの話なので一貫性が見出しにくい。 まず、子どもの話を遮ることなく最後まで聞く。たずねるニュアンスの「訊く」のではなく受け入れるように「聞く」。そいつを逐一記録する。客観的に述べるのは難しいだろう(大人だってそうだ)、だから矛盾点には目をつぶり、ありのまま記録してゆく。ついでに写真も撮っておく。トラブルが大きくなり、収拾がつかなくなってからではなく、(たとえ一面からでもそれを自覚しつつ)子どもからヒアリングを続ける。 次に、「親は味方だ」というメッセージを伝える。独りで抱え込むなという。どうしても言いたくないのであれば、無理に聞くことはない。親

    わが子がイジメられてるらしいと思った親が最初にしたこと
    shibusashi
    shibusashi 2010/11/26
    『いじめっ子を憎いと思う自分が、たまらなく嫌なのだ』自分の中にいじめっ子と同じどす黒い感情を見いだすことによる驚きと痛み、そして自分の中にもいじめっ子側になりえるどす黒い感情を持っていることへの恐れ.
  • 「石の花」はスゴ本

    久々に徹マンした。これほどの濃度をもつ漫画は珍しい。「アドルフに告ぐ」級の傑作。 1941年、ナチスによって寸断されたユーゴスラビアを舞台に、戦乱に巻き込まれてゆく少年を軸にした群像劇。アウシュビッツ収容所で、レジスタンスの戦場で、二重三重スパイの現場で、極限状況にありながら理想を求める生き様が生々しく描かれる。 最初に釘刺しておく。読者がいちばん不満に思うのは、何らかのカタルシスが得られないだろう。というのも、善悪正邪の構図に片付かないからだ。悲痛な叫びもドス黒い血潮も、何も贖うことなく話は進む。 もしも、単純に「ナチス=悪」を討つといったハリウッド的展開であれば、もっと分かりやすかったかもしれない。「『地獄の黙示録』を凌駕する山岳戦」といった惹句があるが、そういう見所はたっぷりあるからね。大義名分は決まっているので、戦争活劇のフレームに押し込んでしまうこともできる。 しかし、7つの国境

    「石の花」はスゴ本
    shibusashi
    shibusashi 2008/05/17
    『冷たい鍾乳石を「まるで花のように」感じられるのは人の眼だからだ。その石を現実として認めてしまったら、それまでなのだ。美しいと感じる心があるからこそ、生きていられる。』これはほんと良い。
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 図書館で夢をかなえた人々

    結婚前までアンチ図書館派だった。は買って読むものであって、身銭を切ってこそ選書眼も養われるというもの。金なくば費を削れ、餓えて読め、というのが信条だった。 それが、図書館ヘビーユーザーの嫁さんの影響を受け、図書館主義者になった。書店の棚はコマーシャリズムに汚濁されたノイズまみれ。自分でを探せない奴が屋を徘徊する、などとうそぶく。180度転向の経緯は[ここ]に書いた。 探す: 都内の図書館を横断的にネットで検索[これ]する。当面読みたいは近所の図書館でたいてい手に入る。どうしてもという場合は国会図書館から取り寄せてもらう。 予約: 実は複数のアカウントを持っている。住んでるところ、勤務先、通勤ルートと複数の区をまたがるため、それぞれなじみの図書館がある。予約は全てネット。巡回先で嗅ぎつけたや、積読リストの上位から予約枠を埋める。確保できたらメールが入るという仕掛けなので、早い場合

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 図書館で夢をかなえた人々
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 全上司必読「もし部下がうつになったら」

    上司必読の一冊。そう「なる」前に読んでおくのと読んでいないのとでは、えらく違ってくる。予防の1オンスは治療の1ポンドに勝る。 7人に1人は「うつ」になるという時代だそうな。うん、プロジェクトの火消しに没頭するあまり、自分に燃え移っていることに気付かず、火だるまになったことがある。罵倒と怒号が飛び交う火事場で残業100超を3ヶ月続けると、確かにおかしくなったよ。 うつになる人が増えているということは、うつになる同僚が増えているともいえる。さらに、うつになる部下が増えていることでもある。 しかし、うつになった社員にどう対応するべきかは、企業レベルでは浸透しておらず、部下から診断書を見せられて困惑する「上司」が大多数だろう。しかも、そうした「上司」は、出世競争のいわばサバイバーなので、うつになった部下の気持ちが理解しにくい。 書はそうした「上司」たちに向けて書かれている。業務量は変わらないま

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 全上司必読「もし部下がうつになったら」
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 欠陥上司が部下を殺す

    上司に恵まれなかったら「オー人事」は古いか… 今じゃ上司次第で部下が死ぬ。冒頭、冗談ぬきの事例が紹介される。「むごい」というしかない。仕事を続けるのにソコまでしなきゃならんのか、と言いたくなる。だけど、追いつめられた人はそこまで考えがおよばない。 「心の病」が増加しているという。成果主義への移行、派遣社員・正社員の責務差、IT偏重の業務、組織のフラット化による若年管理職… など、要因はいくらでも思いつく。ストレス社会は今に始まったことではない。にもかかわらず、特に最近、急上昇している原因は上司にある、と筆者は断ずる。「こんな上司が部下を追いつめる」は、部下を生かすも殺すも上司次第という。これは同意。しかし、そろそろ課長クラスを担うようになるバブル入社組をヤリ玉に上げるのはカワイソス(´・ω・`) 「こんな上司」とあるが、どんな上司が部下を追いつめるのだろうか? 部下は使い棄て、育てるつも

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