「恐怖がものすごく強くなると『先天の気』といって、体の生きるエネルギーそのものを損なってしまう。コロナの日常において、『恐怖』をいかにコントロールするかがとても重要になります」と語る若林理砂さん 新型コロナという「病気」が世界を覆い尽くしたこの2年間。感染への不安やコロナ禍のストレスで「癒やし」を必要としている人も多いのではないだろうか。そこで「気になる」のが、漢方や鍼灸(しんきゅう)などの東洋医学が扱う「気」の世界。医学だけでなく、武術、宗教や思想、さらには超能力にまでつながる「気」とはいったいなんなのか? 人気鍼灸師の若林理砂(わかばやし・りさ)さんが中国の古典から現代科学まで用いて、わかりやすく解説するのが、新刊『気のはなし 科学と神秘のはざまを解く』(ミシマ社)だ。 * * * ――「気」って、よく聞く言葉ですけど、漢字一文字なのに、いろいろな意味があって、実はよくわかりません。あ