釣りファンに人気の高い和歌山県串本町で釣り船や渡船を営む約30の個人・法人が大阪国税局の税務調査を受け、昨年までの数年間で計約3億円の申告漏れを指摘された。帳簿への記入や管理がずさんで売り上げを適切に申告していなかった業者が多い一方、船に乗せた釣り客を実際より少なく見せかけて所得を隠していた悪質なケースもあったという。 関係者によると、国税当局が特定地域の釣り船・渡船業者を集中的に税務調査するのは異例。メジロやイシダイなどが釣れる串本町では、釣り船などを営む個人・法人の「遊漁船業者」が100以上登録されている。串本町を管轄する新宮税務署員らが昨年夏〜今年初め、プロジェクトチーム(PT)を立ち上げて一斉調査した。 PTのメンバーは夜明け前から釣り人を装って港で張り込み、釣り船や渡船の出航時刻や利用客数を確認。実態を把握したうえで本格的な調査に乗り出した。その結果、帳簿に売り上げをきちんと