<50年以上の歴史を持つ「岩波ホール」が閉館を発表。コロナ禍による観客減少は避けられなかったが、文化を支える施設を救う道はないものか> どこまでコロナ禍の悪影響が及ぶのか、誰にも分からないけれど、既に多くの分野が大きなダメージを被っていることは間違いない。その1つで、日本の映画ファンだけでなく、国外にまでショックを広げたニュースがある。 日本のミニシアターの先駆けとして1968年に開館し、国内外の名作を紹介してきた東京・神保町の岩波ホールが7月29日に閉館するという発表だ。 私の母国であるフランスでも大手新聞が1ページの記事を、文化雑誌が2ページのインタビューを掲載するなど大きなニュースになった。 「50周年の時に、みんながお祝いしてくれた。『こんな小さいところは続きませんよ』と最初の頃に言われたが、うまくいった。ただこの2年間ぐらいは本当に大変で、お客さんがほとんど来なくてどうしようと思