世界的なカネ余りを背景に市場経済が壁に突き当たっている。企業や投資家、国家はそれぞれどうすればいいのか。オリックスの宮内義彦シニア・チェアマンに聞いた。 宮内義彦氏(みやうち・よしひこ) 58年(昭33年)関西学院大卒、64年オリエント・リース(現オリックス)入社、80年グループCEO。14年シニア・チェアマン。規制改革関連の政府審議会の長を10年以上務めた。兵庫県出身。84歳。「富の分配を担う国家が機能していない」
日本では、2019年10月に実施予定の消費税10%への引き上げに際し、ポイント還元制度をつくって中小商店でのカード払いの普及を図るという。かつて「旅行に行くときは必ず現金をもっていくように」と言われていたギリシャでは、2年前にすべての買い物でのカード支払いを義務にした。違反した場合は1000から5000ユーロ(約13万~65万円)の罰金、悪質な場合は営業停止になる。 現在、私が暮らすフランスでも、店で現金は1000ユーロまでしか使えない(非居住者である旅行者は1万ユーロまで)。もっとも、ギリシャの措置の理由は、消費税にあたる付加価値税の脱税を防ぐためだ。直接現金払いで課税を逃れていた額は年に80億ユーロ(1兆円)にのぼるという。フランスもマネーロンダリング対策だというが同じ狙いがあることは間違いない。 ある日突然、ATMに現金を入れられなくなった 理由はどうあれ、キャッシュレス社会が進んで
無印良品、ファミリーマート、パルコ、西武百貨店、西友、ロフト、そして外食チェーンの吉野家--。堤清二氏が一代でつくり上げた「セゾングループ」という企業集団を構成していたこれらの企業は、今なお色あせることはない。 日本人の生活意識や買い物スタイルが大きな転換期を迎える今、改めて堤氏とセゾングループがかつて目指していた地平や、彼らが放っていた独特のエネルギーを知ることは、未来の日本と生活のあり方を考える上で、大きなヒントとなるはずだ。そんな思いを込めて2018年9月に発売されたのが『セゾン 堤清二が見た未来』だ。 本連載では、堤氏と彼の生み出したセゾングループが、日本の小売業、サービス業、情報産業、さらには幅広い文化活動に与えた影響について、当時を知る歴史の「証人」たちに語ってもらう。 連載第7回目に登場するのは、消費社会研究家として活躍する三浦展氏。三浦氏の原点はパルコに入社して配属されたマ
May 29, 2018 「いただきますの倫理」はいつごろ広まったのか(1) 1 いただきますの倫理 日本の文脈で動物倫理の議論、とりわけ肉食をめぐる議論をしている際に無視できないのが「いただきますの倫理」とでも呼ぶべきものである。この倫理は、人によって内容に異同はあるものの、概ね以下のような主張から構成されている。 ・人間は動植物の命を犠牲にする(「命をいただく」)ことでしか生きていくことはできない。・人間はそうして犠牲になった動植物にせめて感謝を捧げなくてはならない。・その感謝の気持ちを表すのが「(命を)いただきます」という食前のあいさつである。・この感謝の気持ちの当然の帰結として、食材を無駄にする、食べ残しをするといった行為は許されない。 日本人の間で大変ポピュラーなこの考え方であるが、西洋流の動物倫理(19世紀型動物愛護、動物福祉、動物の権利等)の観点からは大変奇妙な考え方にうつる
経済的独立すなわち自由は、世の中の仕組みを正しく理解し、最適な人生の戦略をデザインすることで、もっとも確実に達成できる。 世の中(世界)はどんな仕組みで動いているのだろう。そのなかで私たちは、どのように自分や家族の人生を設計(デザイン)していけばいいのだろうか。経済、社会から国際問題、自己啓発まで、さまざまな視点から「いまをいかに生きるか」を考えていきます。質問も随時受け付けます。 橘 玲の最新刊『幸福の「資本」論 あたなの未来を決める「3つの資本」と「8つの人生パターン」』好評発売中! 「幸福な人生」を送るために幸福を定義すると基盤となるのは3つの資本。その組み合わせで8つの人生パターンが考えられる。あなたが目指すべきはどの人生パターンか? ダイヤモンド社から発売中!(1,650円 税込) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【DIAMOND PREMIU
脱北と情報の流出入を阻止するために朝中国境の警備強化を図ってきた金正恩政権が、ついに豆満江と鴨緑江沿いに設置した鉄条網に高圧電流を流し始めた。「もう中国への越境は不可能だ」と現地住民たちは嘆いているという。北部の咸鏡北道と両江道に住む取材協力者が伝えてきた。(カン・ジウォン) 【関連写真を見る】 軍生活は空腹との闘い 生理止まる女性兵士も(写真4枚) 「最近国境にはアリ一匹も近づくことできない。鴨緑江沿いに設置された鉄条網に電気が流され、触れて感電する人が多い。死んだ人もいるそうだ。最近も恵山(ヘサン)市ウィヨンドン洞で女性一人が感電して鼓膜が破裂したそうだ」 7月4日、両江道の国境地域に住む取材協力者が、厳しい国境の状況をこう伝えてきた。 もう一つの国境河川・豆満江沿いも同様だ。中流域の咸鏡北道会寧(フェリョン)市に住む取材協力者に調査を依頼したところ、やはり最近になって鉄条網に電流
投資商品としての仮想通貨 大きい意味でフィンテック(Fintech=ITを使った金融技術)の一環として、初の「仮想通貨」であるビットコイン(Bitcoin)が誕生したのが2008年。もう9年も前のことになる。 最近、筆者が金融市場についての講演を行うと、ビットコインについての質問を受けることが多くなった。これはほかの投資性金融商品の市況が伸び悩んでいる中、ビットコインの価格が上昇しており、この1月から約3倍になったことで注目を集めているからである。 もっとも、この高騰は主として中国本土の投資家の購入によるもの。彼らは、人民元の値下がりリスクをヘッジしているのである。最近、人民元が2カ月ぶりの高値となり、通貨制度も変更し、値下がりリスクも低下したことから、ビットコインを売って人民元に戻す動きがあり、一般投資家の損切りも加わり、最大で約4割下落した。 ところで、この仮想通貨という名称が、誤解と
近親相姦はダメ――これは社会常識化した概念だが、実は刑法上の罰則はなく、人類学的に見れば、「近親相姦はむしろ普遍的」と言うこともできる。タブーであるが故に誰も積極的に語りたがらない近親相姦にはどんな歴史があるのだろうか?(フリーライター 光浦晋三) ● 「近親相姦で子どもに障害」は作り話説も 人類学的に見たタブーの歴史 古来、インセスト=近親相姦は人間の根源的な禁忌行為だった。しかし、起源にはさまざまな説があり、実ははっきりと分かっていない。 これほど近親相姦が禁忌だと一般常識化されているにもかかわらず、実は日本の刑法上、近親相姦は罪に問われることはない。定期的に報道される成人男性と未成年女子との性交やわいせつ行為は法的に罰せられるのに対し、近親相姦は「やってはいけない行為」としてタブー視されているにすぎない。 しかしなぜタブーなのか、倫理や感情以外の要素で説明するのは意外と難しい
社会学者の鈴木謙介氏が件のペーパーをもとに始まった議論に対してある種の総括(?)的なブログ記事を書かれていた。鈴木氏のことは昔から尊敬しており、過去に氏の著作のいくつかを読んできたのはもちろんのこと、講演を聞きにいったこともある。記事中で私のブログも紹介くださっていたので、勝手に胸をお借りする気持ちになってアンサーブログという形でまとめておきたい。 私の過去記事はこちら。 鈴木氏の趣旨は明快で、記事タイトルの「選択肢を理解する」の通りである。すなわち「どこに論点の中心があって、何が対立していて、そして僕たちに示されているのはどのような選択肢なのかということが明らかになっていない」ので、それを明らかにしようということである。 私も二本目の記事で「どこに国家観や政治思想上の大きな分岐が走っているかを正しく認識したうえで自分の思考を深めてみていただければと思う」と書いていたが、それと基本的に同趣
「する」と「される」――能動と受動の世界をあたりまえに生きている私たち。しかし、歴史をみれば、「する/される」では語ることのできない「中動態」というものがあったのです。 中動態って何? それは能動と受動の中間なのか? そして、なぜ消えてしまったのか?……「する/される」の外側――中動態の世界に関するさまざま問いをスリリングにひも解いていく『中動態の世界』(医学書院)が大きな話題となっています。 発売即重版となった本書を上梓した哲学者・國分功一郎さんが「謝ること」を例に「中動態の世界」の入り口にご案内。世界の見え方が少しずつ変わることになるでしょう。 「謝る」とはどういうことか 突然ですが、皆さん、人に謝ったことがありますか? 僕はつい最近まで人に謝ったことがありませんでした。もっと正確に言うと、謝るということがどういうことなのか全く分かっていませんでした。 もう一つ、皆さん、誰かと仲直りし
こんにちは。日本植物燃料株式会社、代表の合田です。 アフリカの呪術師との戦いには辛くも勝利したものの、もちろんアフリカは日本の常識が通用するところではありません。 当たり前ではありますが、「郷に入っては郷に従え」という格言通り、私たちは「現地の常識」に従う必要がありました。 今回はそんな話です。 ————– すこし前、東大の研究員の方とモザンビークで共同研究をやっていた時の話です。 ある時、私は急遽日本に戻らないといけなくなり、現地で同居していた東大の研究員Tくんに100万円ほどを預けて帰ることになりました。 まとまったお金が必要な時は、現金を手元に置くしかないのです。ちなみに、日本円での100万円は現地のお金で4〜5千万円分に相当するほどの大金です。 (モザンビークの集合住宅) 普段はお金を金庫に入れていますが、翌日すぐに使う予定だった100万円だけは、金庫から出してTくんに預けました。
葬儀の仲介などを手掛けるベンチャー「みんれび」(東京都新宿区)が昨年12月から、「僧侶の手配サービスチケット」をアマゾンで販売し始めた。その名もズバリ「お坊さん便」だ。 お坊さん便は、寺や僧侶と接点がない都市部の人を主たるターゲットにしている。四十九日や一周忌、三回忌といった法要、墓回向、仏壇の魂抜きなどの際、いとも簡単に「供養が買える」のがメリットだ。決済(価格は3万5000円~、全国一律料金)はクレジットカードでできる。チケットを購入すれば、あとは決められた日時・場所(葬祭会場や墓地など)に手配された僧侶がやってきて、お経を唱えてもらうだけだ。 お坊さん便自体は2013年から、同社のホームページなどで販売を始めてはいた。だが、アマゾンに出店した昨年末から注文が急増。同社は販売数を「アマゾンとの契約上、非公開」とするが、販売直後の1年間に比べて、2015年は7倍にも膨れ上がったとしている
国債の市場では、世界経済の先行きに対する懸念からリスクを避けようと、取り引き開始直後から買い注文が広がり、長期金利の代表的な指標になっている、満期が来るまでの期間が10年の国債の利回りが、初めて0%を割り込んでマイナス0.005%まで低下し、過去最低を更新しました。長期金利は、先月29日に日銀がマイナス金利の導入を決めたことを受けて、低下を続けていました。
あざらしじいさん泥憲和 @ndoro19542566 ①16世紀、日本人奴隷の国外輸出にキリスト教宣教師が一枚かんでいた。そのことを弁護するキリスト教神父の言い分が、慰安婦制度の悪質性を否定する論理とそっくりだったという話。引用元は『天正遣欧記録』』(雄松堂書店)。 全24ツイ 2016-02-04 12:19:51 あざらしじいさん泥憲和 @ndoro19542566 ②天正10(1582)年、日本から4人の少年使節がローマに渡った。元資料は1585年にイタリアで出版された本だ。そこに少年使節たちの会話が載っているが、日本にいた人物がローマでの会話に加わっているのだから、ほとんど著者であるバリニャーノ神父の創作だ @ndoro19542566 2016-02-04 12:20:50
のぐち ゆきお/1940年生まれ。63年東京大学卒業。大蔵省に入省。72年にエール大学でPh.D(経済学博士号)を取得。現在、早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問。著書に『戦後経済史』など。 ホームページ http://www.noguchi.co.jp この著者の関連記事 『ソーシャル物理学』によると、人間は他の人から単純な法則に従って影響を受ける。集団は集団的知性を持つ。これは個々の構成員が持つ知性とはほとんど関係がない。本書が紹介するコールセンターの実験では、それまでオペレーターがバラバラに休憩時間をとっていたのをチーム単位で取ることにした結果、生産性が上がった。これは、オペレーター間の交流量が増えたからだ。会話の参加者が平等に発言できる組織のほうが集団的知性が高くなる。相手の社会的シグナルを読み取る能力は、女性の方が高い。誰もが会話に参加することで、チームがアイディア製造マシンとし
ザンビアの首都ルサカで、数千人が参加した不況脱却を神に願う集会で祈る女性(2015年10月18日撮影)。(c)AFP/SALIM DAWOOD 【10月19日 AFP】アフリカ中部ザンビアのエドガー・ルング(Edgar Lungu)大統領は18日、自国通貨の急落を「癒やす」ことを願って神に祈りをささげた。ルング大統領は前もってこの日を「不況脱却のため全国民が祈る日」と定めており、全土でバーが休業し、サッカー国内リーグの試合も全て中止された。 ザンビアの通貨クワチャは今年に入り、対ドルで45%も下落した。輸出の大半を占める銅の価格が下がったのが主な要因だが、下落率は米経済通信社ブルームバーグ(Bloomberg)が動きを追う155通貨の中でも最悪となっている。こうした事態を打開しようと、ルング大統領は前月、国を挙げて神に祈りをささげるよう命令していた。 18日、ルング大統領は集まった約500
かつて産炭地域として栄えた北海道芦別市。ピーク時に7万5千人を超えた人口はいま2万人を切っている。JR芦別駅の正面、「ギンザ」の看板がかかったパチンコ店はこの十数年、閉店したままだ。 店を所有する南川富美雄さん(53)は、60キロほど離れた岩見沢市で別のパチンコ店を経営しながら、芦別の物件の買い手を10年以上探しているが、見つからない。建物を壊して更地にすれば、約500平方メートルの土地を100万円で買う、という人はいた。しかし解体には1千万円かかるため、あきらめた。 市場価値がゼロに近い不動産物件だが、芦別市はこの土地に約150万円、建物に約4200万円の評価額をつけている。自治体が固定資産税をかける根拠となる物件の「価値」だ。この評価額などに基づき、南川さんは固定資産税・都市計画税合わせて毎年約76万円を納めている。「そんなに高く評価するなら」と、芦別市に物件で納めさせてほしいと申し入
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