欧州中央銀行(ECB)が、日本銀行が政策を変更した場合の債券市場へのリスクについて、異例の警告を発した。日本の投資家は既に、記録的なペースでユーロ圏から資金を引き揚げている。 日本の投資家は2022年に5兆4000億円の欧州債を売り越した。これはブルームバーグが2005年からまとめているデータによると過去最大。今年1-3月(第1四半期)は買い越しとなっているものの、その規模は810億円と同四半期として6年ぶりの低水準にとどまった。
日銀の黒田総裁の任期が残り1年を切った。「黒田バズーカ」とも呼ばれた大規模な金融緩和で、デフレからの完全脱却を目指し日本経済を下支えしてきた黒田総裁だが、2年程度で達成するとしていた2%の物価目標は達成できないまま9年がたった。そして今、金融緩和などを背景にした円安の進行で、新たなジレンマに陥っている。 『消費者物価は4月以降、2%程度の伸びとなる可能性がある』 黒田総裁は先月の記者会見で、物価上昇率が2%に達する可能性を明言した。 2013年3月に総裁に就任した当初、2年程度で実現すると宣言した2%の物価目標。 9年を経て、到達がいよいよ目前に迫っている。 しかし、黒田総裁は同時に今の大規模な金融緩和を続ける姿勢を繰り返し強調した。 なぜか。 黒田総裁は、エネルギー価格を要因とした物価上昇は、企業収益のマイナスや家計の負担増加で、景気を後退させる懸念があると指摘。 「当然、金融を引き締め
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香港を訪れている自民党の岸田政務調査会長は、アジア各国の投資家らを前に講演し、大規模な金融緩和策をいつまでも続けることは難しいとして、金融政策を正常化させる「出口戦略」の検討を始めるべきだという考えを示しました。 また岸田氏は「財政再建と経済再生は両方とも大事だが、今の日本の状況を考えると、もう少し財政再建について真剣に取り組む必要がある」と述べ、財政再建の取り組みを加速させる必要があるという認識を示しました。 そして岸田氏は、来年には新しい天皇の即位や参議院選挙、消費税率の10%への引き上げなどが予定されており、政治、経済の安定が重要だとしたうえで、ことし秋の自民党総裁選挙について、「誰をリーダーにし、どんな体制を作って来年を迎えるのかを考える大変貴重な機会だ」と述べました。
GPIFが国民年金積立金を運用するのに際し、信託銀行に預けている円預金にかかるマイナス金利を徴収されることになりそうだ。この話は端的に言えば「マイナス金利政策のせいで、国民の資産である国民年金積立金から日銀に毎年0.1%(数十億円)の利子を支払うことになる」というものだ。間にはさまっている信託銀行はただの土管であり、当然誰かに代わってマイナス金利を補填すべき立場にないため議論の主体になるべきではない。GPIF、預金にかかるマイナス金利分を負担公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、預金の預け先である銀行が日銀に支払うマイナス金利分を負担する方針を固めた。運用難でGPIFの預金(短期資産)は10兆円以上に膨らみ、信 今後について考えると、マイナス金利を負担していない預金主体はもう一つある。GPIFですらマイナス金利を負担しているのだから、個人預金者のみがゼロ金利を享受
スティグリッツが各国中央銀行のマイナス金利政策を批判しています。 www.project-syndicate.org モデルでは「実質金利低下→投資刺激」とされているものの、 企業は潤沢な現預金を保有しており、投資判断にはわずかな金利低下よりも需要動向が影響する。*1 企業(特に中小)は国債金利で銀行から借りられるわけではない。 マイナス金利政策は銀行のバランスシートを毀損し、貸出意欲を抑制する。 などが現実であるため、逆効果になるという分析です。 これらが日本に当てはまるかについて確認します。 1.について。超低金利政策が20年以上続くにもかかわらず、民間企業の借入抑制・内部留保積み上げを最優先する姿勢は不変です。 2.について。国債金利と銀行の新規貸出約定平均金利を比較します。 リーマンショック後に注目します。 2012年から長期国債金利と銀行の新規貸出約定平均金利の乖離が大きくなって
日本銀行のマイナス金利政策の影響で、金利変動リスクをヘッジするスワップ取引が機能しにくくなっている。企業が借り入れをためらうことにつながり、日銀が目指す貸し出し増加の阻害要因になる可能性がある。 企業が変動型の借入金利を固定化する時に払うスワップレートの1年物は、1月29日のマイナス金利発表前には9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)近辺で推移していたが、2月からマイナス圏に突入し現在マイナス5bp近辺。企業にはコスト負担が発生し、金利スワップ契約が困難になっている。 日銀のマイナス金利政策は、民間銀行が預けている日銀当座預金の一部にマイナス0.1%の金利を適用、預けにくくし、銀行がその分を貸し出しに回すことを促している。しかし、日銀統計によると3月の銀行貸し出し残高は前年比2%増と、黒田日銀が量的・質的金融緩和を導入した直前(13年3月)以来の低い伸びにとどまっている。 銀行は調
「黒田総裁はバカなのか」 「黒田総裁はバカなのか」 「なにもわかっていない」 日本銀行の黒田東彦総裁がマイナス金利の導入を決定した直後のこと。 在阪記者との懇談会に出席したメガバンクのあるトップは、怒りを隠そうともせずに、冒頭のように吐き捨てた——。 それもそのはず。 経済をよくするはずのマイナス金利が、銀行業界の経営をモロに直撃している。メガ3行ではこのほどベア見送りが決定したが、「これこそマイナス金利のせい」とメガ幹部は語る。 「今回は各行の労働組合側が、『今後はマイナス金利で収益環境が悪化する。ベアなんて無理だ』と諦めた。労組側がはなから要求を見送ったわけです。黒田総裁は賃上げの旗振り役を振る舞っているが、彼の愚策が賃上げを抑え込んだ。本末転倒とはまさにこのことです」 いま金融業界で話題になっているのは、米ゴールドマン・サックスが出した試算レポート。マイナス金利が今後数年間でメガバン
マイナス金利政策について、日本銀行の黒田東彦総裁は「必要な場合はさらに金利を引き下げる」といっているが、実質的にはゼロ金利制約というものが取り払われたわけではない。そもそも、なぜ、FRB(米国連邦準備制度理事会)が量的緩和政策を採用し、日銀がQQE(量的質的金融緩和)政策を採用したかといえば、ゼロ金利制約の問題があったためだ。ECB(欧州中央銀行)も先に量的緩和政策を導入したかったと思われるが、国債購入政策に対して財政の健全なドイツや北欧の国々の反対が強かったため、マイナス金利政策を採用したというのが実情だ。 従来のゼロ金利に到達する前の政策金利の引き下げ、たとえば、2%の政策金利を20ベーシス(0.2%ポイント)下げて1.8%にするのであれば、金融機関の仲介機能を通じて緩和の効果が市場にスムーズに波及していく。貸出金利の低下による投融資の増加と、預金金利の低下により貯蓄が減って消費が増え
日本銀行が超過準備に0.1%の利息を付していることを異常に問題視する人が(特にリフレ派に?)見受けられます。 超過準備は日銀が銀行等から受け入れている当座預金の一部なので、原則的には無利子ですが、2008年10月31日の補完当座預金制度の導入時に時限的措置として利息が付されることになりました。 積極的な資金供給の下では、日本銀行の政策金利である無担保コールレート(オーバーナイト物)がその誘導目標から大きく下方に乖離する可能性がある。*1 補完当座預金制度は、臨時の措置として、いわゆる「超過準備」に対して、コールレートの誘導目標を下回る利率によって利息を付すものである。本制度の導入によって、コールレートを目標水準に適切に誘導しつつ、積極的な資金供給を一層円滑に行い得るようになり、金融調節面での対応力の強化につながるものと考えている。 2001~06年の量的緩和期には、無担保コールレートがゼロ
日本銀行は16日から、金融機関が日銀に預けるお金の一部にマイナスの金利をつける「マイナス金利政策」を始める。日銀は、この政策が「経済活動に好影響をもたらす」(黒田東彦(はるひこ)総裁)と効果を強調するが、金融市場の反応は厳しく、政策への評価はまだ定まっていない。日銀の大規模な金融緩和策に懐疑的な立場をとってきた慶応大学の池尾和人教授に、この政策への見方をきいた。 ――日銀のマイナス金利政策は、社会にどんな影響をもたらしますか。 「大きく二つある。ひとつは為替相場に与えるインパクトだ。マイナス金利政策は、海外の金利水準が一定だとすれば、日本と海外との間で金利差が開いて、円高圧力を減殺できる。だが、米国の利上げペースが当初の想定より遅そうで、日米の金利差がなかなか広がらない。だから、円安にするという効果はキャンセル(相殺)されたと言っていい」 「もうひとつは、金融仲介の機能を持つ銀行への影響だ
21日、日銀の黒田執行部が発足し、白川旧執行部は終わりました。 黒田新総裁と岩田新副総裁は、これまで白川総裁が拒み続けてきた大規模な金融緩和を実施することで市場の期待に働きかけ、デフレ脱却を目指すことになるでしょう。 インフレ期待を示す指標であるブレークイーブンインフレ率は最近急上昇していて、すでに1%を超えており、このペースだと2%に達する日も近いでしょう。市場は、黒田執行部がインフレ目標を達成すると予想しているのでしょう。 BEIの推移 | 日本相互証券株式会社 さて、白川体制が終わった今、何故白川総裁がここまでデフレを放置したのか、考えてみたいと思います。この問題はこれまでいろんな人が考えてきましたが、定説はまだなかったと思います。 少し前の日経新聞に、こんな記事が載っていました。 金融緩和の効果を高めるためには、市場の信認を得ることが不可欠。それでも白川総裁は「何かリップサービスを
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