世界を一つに結ぼうとしてきたインターネットに亀裂が生じ、分断化しようとする動きが広がっている。研究者らの間で「スプリンターネット」と呼ばれている。 英語の「splinter(破片)」あるいは「split(分割)」と「internet」を組み合わせた造語だ。これまでは、サイバー空間への自由なアクセスに対し、国家間や対立する地域間で何らかの制限をする事象を指し示していた。 代表例は中国だ。国内からはグーグルやツイッターなど欧米のサービスにアクセスができない。中国当局が国外への接続をチェックし、遮断しているからだ。いわば、インターネットに国境を築き、国の政策に合うものだけアクセスを認めている状態というわけだ。 ところが今回、ロシアを取り巻く状況は、それとは大きく異なっている。ロシア政府による遮断は中国と同じだが、欧米の大手IT企業や通信事業者が、ロシアをインターネット上から切り離す動きが相次いで