19世紀に活躍した哲学者、ショーペンハウアー。 評論雑誌のなかで、匿名で言論活動をおこなう批評家たちについて彼は、こんなことばを残している。 もはや文筆の世界におけるほど、不誠実が幅をきかせているところはない。(中略)なによりも、物書きの悪習の盾となっている匿名性が廃止されねばならない。評論雑誌が匿名性を採用した口実は、読者に警告する正直な批評家を、著者やそのパトロンの遺恨から守ることだった。 「著述と文体について」(『読書について』収録 鈴木芳子訳/光文社古典新訳文庫)なぜ言論に匿名性が必要なのか。それは声をあげた者(この場合は誰かの著作物について批評した者)を、保護するためである。身の安全が担保されてこそ、批評家は正直な批評をおこなうことができる。それがメディアの言い分だった。というわけである。しかし彼は、その欺瞞をこうあげつらう。 だがこの種のケースが一件あれば、自分で言ったことの責
日々報じられるニュースの陰で暗躍している諜報機関──彼らの動きを知ることで、世界情勢を多角的に捉えることができるだろう。国際情勢とインテリジェンスに詳しい山田敏弘氏が旬のニュースを読み解く本連載。今回は、台湾の総統選挙で人々を巻き込んだ「情報工作」について。 情報工作には「思ったほどの影響がなかった」 世界から注目されていた台湾の総統選挙が1月13日に終わり、与党・民進党の頼清徳(現・副総統)が次期総統に選ばれた。ただ民進党は、議会で過半数を確保できなかった。これは今後の政権運営にあたり、足枷になる可能性がある。 そして今回の選挙で筆者が注目していたのは、選挙に介入しようとするサイバー空間上の動きだ。2016年の米大統領選挙以降、世界では政治的イベントにライバル国がサイバー工作を仕掛け、ディスインフォメーションを拡散させるなどして、自国に有利になるような活動をおこなっている。 選挙直後、台
XのようなSNSを見ていると時々思うのですが、情報の入手方法について幅を持たせること、すなわち情報リテラシー教育がもっと必要なのではないかと考えています。 というのも、今年の年始は災害や事故が連続したため特に多く見かけましたが、「なぜこうやっているんだ」「どうしてこうやらないんだ」「国は何をやってるんだ」と言ったような、どうにも情報の入手方法が分かっていないのではないかと思われるポストが散見されるためです。 離散と連続 情報には離散と連続の違いがあり、「データの間に無限のデータが存在するか」が離散と連続を分けます。 例えばサイコロを10回振ってどの数字が出るかは前後に連続性はなく、それぞれの試行で繋がりが無いため離散データです。対して髪の毛の伸びた長さや預金残高の変動など、ある時間においてどのようなデータがあるかを無限に測定することが可能なものは連続データです。 人には認知バイアスがあるた
今井翔太 / Shota Imai@えるエル @ImAI_Eruel 東京大学 技術経営戦略学専攻 松尾研究室 @Matsuo_Lab / 博士(工学,東京大学)/ AIを研究 強化学習,マルチエージェント,生成AI,LLM,ゲームAI @UTokyo_News_en / 著書:『生成AIで世界はこう変わる』『G検定公式テキスト』『AI白書』 / 翻訳書:『強化学習』/ 石川県金沢出身 slideshare.net/ShotaImai3 今井翔太 / Shota Imai@えるエル @ImAI_Eruel 思いっきり金沢で現地被災したのでTwitterから情報収集しているのですが、イーロンがやってきたAPI制限やリプライゾンビが最悪の形で現れているのを複数観測しているのでこれは本当になんとかしてほしい。 災害大国として真面目な災害対策をしている中で、海外の富豪の気まぐれでこうなるのはどうか
昨朝(2018/06/18),大阪で震度6弱の地震があり,朝からテレビやSNSで様々な情報が流れていました。それに伴って各地の災害状況,インフラの状況,驚いたことなど様々な情報が拡散(リツイート)されています。情報の拡散の背景には「自分にもできることは」と考えて,とにかく役に立つ情報を流して(広げて)いこうという気持ちがあるんだろうと思います。たしかにこういうとき,当然のことながらいろいろな人がいろいろな仕事をして復旧や救援などにあたっていますし,私でもこういうときにどうしたらいいか考えることはあります。ですが,とりあえずの結論として,当事者性の低い場合が多いであろう学生には「SNSでは何もするな」と伝えました。以下その理由です。 ちなみに私は大学教員なので直接(口頭で)伝えたのは学生ですが,もっと対象を広げてもほぼ同じことだと思います。 理由1:いつも正しい情報を適切なタイミングで流せる
たとえば離れた国で戦争などの悲惨な出来事が起こったとき、ニュース速報が次々と出され、私たちはそれに釘づけになる。しかし、それも長く続けば、危機的出来事そのものの重大さは変わっていないにもかかわらず、「もうその話はいいよ」と人々が思ってしまうことも多い。 こうした無関心は、「危機疲れ」から生まれる。これは人間の性質からして必然である一方、乗り越えることも大切だ。米ノースダコタ大学の哲学教授が、原因と対策を解説する。 人々の関心はやがて薄れる 2022年2月24日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナへの全面侵攻を開始した途端、世界中の人々が戦争の光景に戦慄した。戦争から遠く離れていても、ウェブで記事を読んだり、攻撃から逃れて地下シェルターに駆け込むウクライナ国民の姿をテレビで見たりして、私たちはこの不当な攻撃の恐ろしさをひしひしと感じてきた。 侵攻開始から半年が過ぎたいまも、攻撃
「元のお母さんに戻ってほしい」 取材に応じてくれた2人の大学生は、そう口をそろえました。 2人とも「母親が“陰謀論”を信じ込んでしまい、親子関係に亀裂が入った」というのです。 “陰謀論”とは「世界はディープ・ステート(闇の政府)が操っている」「ワクチンにはマイクロチップが埋め込まれている」など、政治的・社会的な出来事などについて、背後に大きな力が働いているという考え方。 親子に何が起こったのか、そして身近な人が陰謀論を信じ込んだらどうすればいいのか、取材しました。 (「フェイク・バスターズ」取材班) スマホの“おすすめ”動画が母を陰謀論に引き込んだ ~ちひろさん(仮名)のケース~ ちひろさん(仮名) 「理想を言えば、陰謀論にはまる前までの母親に戻ってほしいというのは常にいちばんにありますけど、もうそれは不可能に近いんだろうなって…」 母への思いをそう語るのは、大学4年生のちひろさん(仮名)
YouTubeのおすすめアルゴリズムで表示された動画を延々と見続けてしまったという経験がある人は多いはず。このおすすめアルゴリズムをたどっていくことで視聴する動画のジャンルが限定されていく現象は「ウサギの穴」と呼ばれ、視聴者が過激なコンテンツや陰謀論を語る動画にはまってしまいやすくなるといわれています。しかし、ダートマス大学のブレンダン・ナイハン教授の率いる研究チームが、おすすめアルゴリズムによる「ウサギの穴」で過激なコンテンツや陰謀論にはまるという現象はほとんど確認できなかったという実験結果を報告しています。 Subscriptions and external links help drive resentful users to alternative and extremist YouTube channels | Science Advances https://doi.org/
くぼた・まさき/テレビ情報番組制作、週刊誌記者、新聞記者、月刊誌編集者を経て現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌へ寄稿する傍ら、報道対策アドバイザーとしても活動。これまで200件以上の広報コンサルティングやメディアトレーニング(取材対応トレーニング)を行う。 著書は日本の政治や企業の広報戦略をテーマにした『スピンドクター "モミ消しのプロ"が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)など。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。 新刊『潜入 旧統一教会 「解散命令請求」 取材NG最深部の全貌』が発売中。 情報戦の裏側 できれば起きてほしくない「不祥事」だが、起きてしまった後でも正しい広報戦略さえ取れば、傷を最小限に済ませることができる。企業不祥事はもちろん、政治家の選挙戦略、芸能人の不倫ネタまで、あらゆる事
note.com 先日、狂人を名乗っている小山さんが、「論破王」ひろゆきさんとtwitterで「議論」になった一部始終をnoteにまとめてらっしゃった。その内容は、ひろゆきさん自身に焦点を当てるよりも、ひろゆきさんのファン層に焦点を当てた内容だった。 小山さんは驚きをもって語る。「日本語は読めないけれど論破したい」という欲望が存在する、と。ひろゆきさんのファンからの声には、論争内容を理解したコメントがぜんぜんなくて、まったく論争内容を理解していないコメントが無限に飛んでくる、と。 自分はインターネットに20年以上どっぷり浸かり、不毛なネット論争を何十何百と繰り返してきたわけなのですが、ここまでファン層の知的レベルが低いのは確実にひろゆきさんが初めてだと思います。というか、おそらくは「論争」という知的(?)遊戯を嗜まない層にまでひろゆきさんの影響力は波及している。論争の当事者になることで、そ
にったさん @__mgml__ 中年の男性からある地域課題についての問い合わせの電話があった。「なぜこの問題を報じないのか」と怒っていた。「恐れ入りますが、うちの新聞読んだことありますか?」と言った。これまでに同僚が連載企画もし、動きがある度に詳報を出している問題だった。 2023-01-08 21:58:02 にったさん @__mgml__ 男性は縷々この問題について関心があるのだと説明をしてきたが、結局「購読もしていない。ネットで調べたが見つからなかった」と明かした。「ちゃんと報じていますので、それほど関心がおありのようなら、弊社以外でもいいので新聞を取ってみては?」と言うと、うーんと渋っていた。 2023-01-08 21:58:38 にったさん @__mgml__ 僕は「最寄りの図書館で過去の新聞を保管してたりするので、ぜひお確かめください」と続けた。男性は「そこまでは面倒くさい」
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