大量データを格納するには,容量当たりの単価が安く,かつ保存の観点からメディアがリムーバブルなテープ・ストレージが必要とされる。テープ・ストレージには非常に多様なタイプがあり,用途に合わせて選択できる。記録方式と互換性,データ転送速度という二つのポイントでテープ・ストレージを解説する。 テープ・ストレージとは,磁気テープを記録媒体として使用した装置の総称である。記録媒体のテープは,「カートリッジ」と呼ぶ保護ケース内の軸(リール)に巻き取られている。テープを読み書きする装置は「テープ・ドライブ」だ。カートリッジ内のテープを走行させ,磁気ヘッドでデータを読み書きする。 テープ・ドライブはスタンドアローンで利用できるが,複数のカートリッジ・テープを収納する棚(スロット)とドライブ内のテープを自動交換するロボット機構を備えた「オートローダー」や「ライブラリ」(写真1)もある。オートローダーとは,テー