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ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (10)

  • 炎上プロジェクトの火消し術『プロジェクトのトラブル解決大全』

    飛び交う怒号、やまない電話、不夜城と化した会議室。 集められたホワイトボードが衝立のように立ち並び、全員が立って仕事をしている(座る間が無いから)。週をまたぐとメンバーの疲弊が目に見えはじめ、月を跨げば一人二人といなくなり、仕事場はお通夜となる。 トラブルの無いプロジェクトは存在しない。炎上するかボヤで済むかの違いなだけで、大なり小なりトラブルは付きものである。 自分が所属する部署は大丈夫かもしれない。だが、隣のブースだとか、同期がいるチームで炎上しているのを横目で見ながら仕事する、なんてことがある。ホワイトボードは目につくし、大きな声はイヤでも耳に入ってくるので、プロジェクト炎上⇒鎮火するパターンなんてものも、なんとなく伝わってくる。 消火作業のイロハとか、怒った客をあしらう方法、リカバリ計画の立て方なんてのも、肌感覚で分かってくる。 そして、トラブルの扱いが分かってくる頃には、「応援

    炎上プロジェクトの火消し術『プロジェクトのトラブル解決大全』
    Xenos
    Xenos 2022/07/23
  • おかしな議論にごまかされないための『論証のルールブック』

    『論証のルールブック』は、簡潔で説得力のある文章を書くためのルールが、50にまとめられている。1つのルールに1つの例文、1つの解説という構成で、このそのものが簡潔さを目指している。 ごく基的な常識レベルのものから、見落としがちな盲点まで、まんべんなく網羅されているのがいい。いくつか紹介する。 主張には根拠が必要だ 数字は他のエビデンスと同じような検証が必要だ 長文の論証や、口頭で伝える際、サインポストを活用する 論点先取の見抜き方 「主張には根拠が必要だ」なんて、当たり前すぎて、なにを今さらと感じるかもしれない。確かにその通りだろう。だが、実際に、事実のフリをした意見や、根拠レスの主張に出会ったとき、即座に見抜けるだろうか。 たとえば、この主張なんてどうだろう。 聖書に神は存在すると書かれているから、神は存在する 聖書は神が書かれたのだから、正しい これは、結論が前提に含まれた有名な例

    おかしな議論にごまかされないための『論証のルールブック』
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    Xenos 2019/10/22
  • 俺の嫁が美人なわけ。『ファスト&スロー』はスゴ本

    わたしの嫁さんは、美人である。 いわゆるカワイイ系ではなく、美人。レトロなフランス人形のような整った顔立ちをしている。一目惚れから十数年、結婚してよかったなーと思う。 だが、男女が一緒に暮らすのだから、順風満帆というわけにゆかぬ。カッとなって激しくやりあった夜や、冷たい応酬の日々が続いたときは、後悔することもある。 さらに、メタ視点から、「この結婚」に対する認知の歪みも自覚している。結婚に費やした時間、コスト、感情、労力が莫大かつ取り戻せないため、「この結婚はいいものだ」という認識に反する事柄を、予め排除しようとする。この結婚を否定することは、そこに費やしたわたしを否定することになる。あまりに犠牲が大きいため、結婚を疑うことに一種の恐怖を感じる。 そしてこれを、「サンクコストの誤謬」と呼ぶことも知っている。莫大な投資をした事業から撤退しようにも、取り戻せない費用を、サンクコスト(埋没費用)

    俺の嫁が美人なわけ。『ファスト&スロー』はスゴ本
  • 『レトリック感覚』と『レトリック認識』はスゴ本

    使い慣れた道具の構造が分かり、より効果的に扱えるようになる。これまでヒューリスティックに馴れていた手段が、一つ一つ狙い撃ちできるようになる。こいつ片手に、そこらのラノベを魔改造したり、漱石や維新を読み直したら、さぞかし楽しかろう。 レトリックというと、言葉をねじる修飾法とか、議論に勝つ説得術といった印象がある。もちろんその通り。アリストテレスによって弁論術・詩学として集大成され、ヨーロッパで精錬された修辞学は、言語に説得効果と美的効果を与える技術体系だ。 だが、「技巧や形式に走る」といって、棄ててしまったのが現代なのだと弾劾する。ものには名があるから、妙に飾らないで、名で呼ぶのがいい……そんな俗物的な言語写実主義の教訓が、私たちの楽天的すぎた科学主義=合理主義=実用主義と混ぜこぜになって、言語感覚を狂わせたのだという。 できあいの言語をじゅうぶん便利なコミュニケーションの道具と信じ、形

    『レトリック感覚』と『レトリック認識』はスゴ本
  • 3週間でやりなおす「高校数学の教科書」

    習うより慣れろ、学ぶより真似ろ。 やりなおし数学シリーズ。いつもと違うアタマの部分をカッカさせながら、3週間で一気通貫したぞ。もとは小飼弾さんへの質問「数学をやりなおす最適のテキストは?」から始まる。打てば響くように、吉田武「オイラーの贈物」が返ってくる……が、これには幾度も挫折しているので、「も少し入りやすいものを」リクエストしたら、これになった。 書の特徴は、「つながり」。アラカルト方式を改め、高校数学の体系を一化しているという。なるほど、上巻の「数と式」の和と差の積の形に半ば強引に持ち込むテクは、下巻の積分の展開でガンガン使うし、図形と関数はベクトルと行列の基礎訓練だったことに気づかされる。ベクトルが行列に、行列が確率行列に、さらに行列がθの回転運動や相似変換に「つながっている」ことが「分かった」とき、目の前がばばばーーーっと広がり、強制覚醒させられる。 上巻 1章 数と式 2章

    3週間でやりなおす「高校数学の教科書」
  • セックスの回数が増えている件について

    3.11の前と後で、増えてる、きちんと数えてないが、2倍ぐらい(当社比)。 未曾有の危機を目の当たりにし、「ゆれ」に対して極端に敏感になっており、身体モードが戦闘態勢に入っているからだろうか。加えて、目先の不安、将来の不確かさが「生きること」そのものへの欲求をつのらせているからだろうか。生命の危機に瀕すると、生命を残そうとする情動スイッチが興るのだろうか。 吊橋効果というコトバがある。ぐらぐらする吊橋を男女で渡るとき、恐怖によるドキドキを恋愛によるドキドキと勘違いしてしまうやつだ。聞くところによると、婚約指輪がバカ売れしているそうな。コンドームも然りかと。揺れているのは福島だけではない。日列島という弧が巨大な吊橋と化しているのか。 いずれにせよ、スイッチが入ったのは、わたしだけでない。行為に没頭することで不安を鎮めようとするのか、互いが互いにしがみつく。だが、これが「」になると想像力を

    セックスの回数が増えている件について
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    Xenos 2011/04/13
  • 大学教師が新入生にすすめる100冊

    恒例の100冊リスト。 ただし、これまでの趣向を外した。「ベスト100ランキング」は楽しいが、変わりばえしない。毎年似たような「ベスト100」をヒネり出すのも飽きた。ホントのところ、「大学新入生」と銘打っているものの、わたしのためのブックリストなのだ。読んできたやつ、未読のやつ、読みたいやつを抽出したりふり返るためのきっかけなのだから。 だから、今回はランキングをしない。母体のリストは、「大学教師が新入生にオススメする」なんだけれど、そこからの選出はわたしの手になるもの。今までのリスト作成の過程で知り合えたものや、「読まねばリスト」に追加したもの。積読山に刺さったまま、課題と化しているものを中心に100挙げた。 もちろんこの100冊を参考にしてもいいし、母体リストから自分専用の一覧を作ってもいい。母体のリストは三千弱になるが、元となったのは、以下のリスト。ブックガイドは多々あるが、「大学

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    Xenos 2009/05/22
    アイディアのつくり方
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 名著!「日本人の英語」

    東大、京大、北大、広大の教師が新入生にオススメする100冊」で第5位。 特に京大のセンセが、「英語質がわかると言っても過言ではない」とか、「全学共通科目の英語なんぞ 100 年続けても、この1冊には適うまい」といった最大級の賛辞を贈っている。 著者はマーク・ピーターセン。明治大学経済学部の助教授(当時)。新入生の「異様な英語」から、修士や博士論文に出てくる「イライラする文」までを、達意な「日語」で説明してくれる。なぜ「異様」なのか、そしてなぜ「イライラ」するのかを理解するとき、英語の壁を一つ越えるだろう。 そういうわたし自身、単語をつなげたり拾ったりするだけなので、心もとない。次の例文は簡単なくせに面白い「読み」ができる。 a) Last night, I ate chicken in the backyard. b) Last night, I ate a chicken in

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  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 東大、京大、北大、広大の教師が新入生にオススメする100冊

    毎年この時期になると、「東大教師が新入生にオススメするベスト100」という企画で紹介してきたが、飽きた。 ほとんど変わり映えしないリストにも飽きたし、毎年「ベスト1はカラマーゾフ!」とハヤすのも飽きた。カラ兄が最高であることはさんざん宣伝してきたから、皆さんご承知だろう(異論・反論大歓迎、これを超えるものがあるならね)。 だから、今回はスコープを広げてみる。 ■ この企画の趣旨 東京大学に限らず、新入生を迎えるにあたって、センセイたちは思うところがある(はずだ)。ゼミにくる前に、せめてこれぐらいは読んでおいてもらいたいと望んだり、若かりしころハマったで自分語りをしてみたり。そうした願望を吸い上げているところもいくつか見つけた。以下のとおり。 リスト1 「北海道大学教員による新入生への推薦図書」 リスト2 「京都大学新入生に勧める50冊の」 リスト3 「広島大学新入生に薦める101冊」

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  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 数学ぎらいは幸せになれないか? 「生き抜くための数学入門」

    塾に行かせない方針だけど、読み書き算数は徹底している。できないと苦労するからね。 しかし、これが「数学」になると文句が出るはず、「どうして生活の役に立たない数学を勉強しなきゃならないの?」ってね。もっともらしい小理屈はネットで探すとしても、とーちゃんが信じている理由は上手く表現できない。 学校の数学の目的は、抽象化や論理的思考力を身につけることなんだが、そのまま言ってもハイそうですかと分かってもらえない。「考えるチカラ」なんて表現も納得しないな(自分が子どもだった頃を思い返してみよ!)。 わたしの場合、数学の恩恵は常考レベルで染みわたっており、生活の端々でしみじみすることはない。帰納法は意識せず使うし、問題解決の基「仮説検証プロセス」は公理→定理の導出そのもの。教養書の数式の鮮烈さにドキドキすることはあっても、「そのため」の勉強だと言っちゃうと逆効果だろう。 ちょうどいいが、よりみちパ

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 数学ぎらいは幸せになれないか? 「生き抜くための数学入門」
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    Xenos 2008/01/14
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