東京都千代田区の景観まちづくり重要物件に指定されている大正時代の銅板建築「柏山(かしやま)邸」(神田須田町一)が十月、老朽化のため取り壊される。将棋の駒のようなユニークな形の「マンサード屋根」を持つ建物を記憶にとどめてもらおうと、近隣にある大学の学生らが「お別れ会」を企画、パネル展示やライトアップなどで、およそ九十年の歴史の幕引きをする。 (井上幸一) 神田のオフィス街にある木造三階建ての建物は、交通博物館があった旧万世橋駅跡地の目の前に位置する。正確な年月は不明だが、大正期の建造とされ、家の正面部分に、現在は薄緑色になった銅板が張られている。屋根は勾配が上部は緩く、軒に近い方で急に折れ曲がっている。