日本に住むベトナム人の数は2020年に4万人近く増加し、昨年末時点で44万8053人を数えるまでになった。その数は韓国人を抜き、外国籍として77万8112人の中国人に次いで多い。新型コロナウイルスの感染拡大で在日外国人が減少した昨年、国籍別の上位10カ国で唯一増加したのもベトナム人である。 過去10年間では、在日ベトナム人は10倍以上に増えている。出稼ぎのため、実習生や留学生として来日するベトナム人が急増したからだ。しかし、長く続いた日本への“出稼ぎブーム”にも、最近になって変化の兆しが見える。コロナ禍によって実習生らの新規入国が止まっている一方で、日本から去っていくベトナム人が相次いでいるのだ。 在日ベトナム人のうち、半数近い20万8879人は技能実習生だ。実習生は人手不足の中小企業や農家にとって欠かせない労働力だが、ベトナム人は約38万人の実習生の半数以上に上る。そんなベトナム人実習生