タグ

critiqueとBookに関するja_bra_af_cuのブックマーク (192)

  • 問題にされてこなかった生きる意味の問い――『人生の意味の哲学入門』上|じんぶん堂

    記事:春秋社 懇親会での忘れがたい思い出から話は始まる。 書籍情報はこちら 哲学者は「人生の意味」が苦手かもしれない もう十数年も前のことになるけども、ある哲学の学会の懇親会で同席した年長の研究者の人から自分の専門について尋ねられたことがある。そこで私は、さしあたり最近関心があることとして「人生の意味に関心があります」と答えた。どうやらその人は私の返事が冗談だと思ったのか、少し笑って「それは難しい問題ですね。ところで当のご専門は何なんですか」と返してきた……。 これは私にとって忘れがたい思い出だ。自分の研究が馬鹿にされたという感じはない。どちらかと言えば、その思い出には少しユーモラスな感じが伴っている。 サイモン・クリッチリーの『ヨーロッパ大陸の哲学』(佐藤透訳、岩波書店、2004)でも、職業的哲学者にありがちな困惑として、次のような場面が描かれている。 専門職業的な哲学者がパーティで見

    問題にされてこなかった生きる意味の問い――『人生の意味の哲学入門』上|じんぶん堂
  • 既存の「わかりやすい」人類史を現代の知識・研究でとらえなおす、『ブルシット・ジョブ』著者の遺作となった大作ノンフィクション──『万物の黎明 人類史を根本からくつがえす』 - 基本読書

    万物の黎明 人類史を根からくつがえす (翻訳) 作者:デヴィッド・グレーバー,デヴィッド・ウェングロウ光文社Amazonこの『万物の黎明』は、世の中にはやってもやらなくてもいいようなクソどうでもいい仕事で溢れているのではないかと論を展開した『ブルシット・ジョブ』で知られるデヴィッド・グレーバーの最新作にして、遺作となった大作ノンフィクションである(単著ではなく、考古学の専門家デヴィッド・ウェングロウとの共著)。今回テーマになっているのは、サブタイトルに入っているように、「人類史」だ。 多くの(特に売れている)人類史には、環境要因に注目したジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』や「虚構」をテーマにしたユヴァル・ノア・ハラリの『サピエンス全史』のように「わかりやすい切り口」が存在するものだが、書(『万物の黎明』)の特徴の一つは、数多語られてきた「わかりやすい切り口」の「ビッグ・ヒストリ

    既存の「わかりやすい」人類史を現代の知識・研究でとらえなおす、『ブルシット・ジョブ』著者の遺作となった大作ノンフィクション──『万物の黎明 人類史を根本からくつがえす』 - 基本読書
  • やっかいな句読点「;」知れば知るほどワクワクする読書体験/『セミコロン かくも控えめであまりにもやっかいな句読点』書評(週刊SPA!) - Yahoo!ニュース

    セシリア・ワトソン(著)、萩澤大輝 (訳)、倉林秀男(訳)『セミコロン かくも控えめであまりにもやっかいな句読点』(左右社) 世の中には読んだほうがいいがたくさんある。もちろん読まなくていいだってたくさんある。でもその数の多さに選びきれず、もしくは目に留めず、心の糧を取りこぼしてしまうのはあまりにもったいない。そこで当欄では、書店で働く現場の人々が今おすすめの新刊を毎週紹介する。を読まなくても死にはしない。でもを読んで生きるのは悪くない。日刊SPA!で書店員による書評コーナーがスタート。ここが人ととの出会いの場になりますように。 いきなり個人的な話で恐縮だが、私は英語が好きではない――しかし外国文学を読むのは好きだったし、それを批評するのも楽しかったため、英文学の修士号までとっていたりする……実情は就活に失敗してどうにか滑り込めたのが内部進学での院進だっただけで、とにかく私はでき

    やっかいな句読点「;」知れば知るほどワクワクする読書体験/『セミコロン かくも控えめであまりにもやっかいな句読点』書評(週刊SPA!) - Yahoo!ニュース
  • 歌詞の音響が生み出す効果や機能や意味を解析的に明らかにする―木石 岳『歌詞のサウンドテクスチャー:うたをめぐる音声詞学論考』栗原 裕一郎による書評(ALL REVIEWS) - Yahoo!ニュース

    歌詞の音響が生み出す効果や機能や意味を解析的に明らかにする―木石 岳『歌詞のサウンドテクスチャー:うたをめぐる音声詞学論考』栗原 裕一郎による書評(ALL REVIEWS) - Yahoo!ニュース
  • 音楽からもらった想いを届けたい~『音楽ライターになろう!』の感想~|茜涼夏 a.k.a 泡沫たんぽぽ|pixivFANBOX

    あなたは音楽ライターという職業を知っていますか?私は、好きな音楽作品について書くことが好きですが、音楽ライターについては何も知りませんでした。 好きになった音楽についてずっと書いていきたい。だから、プロの音楽ライターについて知りたい。そう思って、このを手に取りました。 読んでいて、気付かさ...

    音楽からもらった想いを届けたい~『音楽ライターになろう!』の感想~|茜涼夏 a.k.a 泡沫たんぽぽ|pixivFANBOX
  • ドラムキットという奇妙な楽器とその時代(、つまり現代)[review: Matt Brennan, Kick It: A Social History of the Drum Kit. Oxford University Press, 2020.] – imdkm.com

    最近の投稿 日曜日のプレイリスト 009 2024-04-14 日曜日のプレイリスト #008 2024/03/24 [書評]川上幸之介『パンクの系譜学』(書肆侃侃房、2024年) 三宅唱監督「夜明けのすべて」を見た(ネタバレあり) 日曜日のプレイリスト #007 最近のコメントなんとなくPython入れ直したらSpleeterがうまく動かなくて困ったけどなんとかなった話とおまけ に 耳コピ/ボーカル抽出が捗る!Spleeterの使い方 – YTPMV.info より読書会をやった に ポプミ会報告(大和田俊之編著『ポップ・ミュージックを語る10の視点』より永冨真梨「カントリー・ミュージックの新潮流と多様性」) – imdkm.com よりヨルシカ「創作」の販促のあれ に ryuto よりヨルシカ「創作」の販促のあれ に imdkm よりヨルシカ「創作」の販促のあれ に ryuto よりア

  • 歴史認識をアップデートする『世界史の考え方』

    歴史を学ぶ意義について、物理学の教授と話したことがある。 歴史とは、過去を扱う学問だ 過去は既に確定しており、覆ることはない 新たな史料が発見され、史実が変わることは滅多にない だから、歴史を学ぶことは、昔の出来事を覚える作業になる。過去は確定しているから、教科書はほとんど変わらない―――そう教授は断言した。 「過去は変えられない、確定した出来事だ」という一言は妙に刺さり、なるほどなぁと納得したことを覚えている。 しかし、世界史を学びなおし、最近の教科書を読み直してみると、これは誤っていることが分かった。「過去は変えられない」は正しいが、「過去に対する認識」は変化するからだ。 現代は「平和な時代」か? 例えば、次の文を読んでみよう。 長い歳月のあいだに人間の暴力は減少し、今日、私たちは人類史上、最も平和な時代に暮らしている スティーブン・ピンカー『暴力の人類史』の主張で、かつては、頷いた方

    歴史認識をアップデートする『世界史の考え方』
  • フランチェスコ・グアラ『制度とは何か』(瀧澤 弘和 監訳・水野 孝之 訳) - logical cypher scape2

    社会科学の哲学の立場から書かれた制度論 経済学的な制度理解と哲学的な制度理解とを架橋するための議論が展開されている。 二部構成となっており、前半では、制度についての均衡説と制度についてのルール説を統合した統一理論「均衡としてのルール」説を展開する。 ただし、これは均衡説とルール説との単なる折衷案ではなく、ルール説を均衡説へと還元するような方向の統一理論(正確には、ルール説の代表的立場であるサールが説く「構成的ルール」を、統整的ルール(均衡をももたらす条件付き戦略)へと還元する立場)。 後半では、制度についての実在論の立場にたち、反実在論的な社会構成主義を批判すると同時に、社会構成主義の動機である規範的アプローチないし改良主義的なアプローチを、実在論によって掬いとろうとしている。 個人的文脈 社会科学の哲学、社会的存在論については、以前から興味があった 例えば、下記の倉田論文 『現代思想20

    フランチェスコ・グアラ『制度とは何か』(瀧澤 弘和 監訳・水野 孝之 訳) - logical cypher scape2
  • 通勤電車で読む『大学4年間の社会学が10時間でざっと学べる』。乗れなかった。 - クリッピングとメモ

    大学4年間の社会学が10時間でざっと学べる 作者:出口 剛司KADOKAWAAmazon帯に「この社会の原理を東京大学ではどう教えているのか?」と書いてあり、表紙の折り返しのところに「東大の社会学が「ざっと」身につきます!」と大書してあるので、えー、東大では東大用の社会学ってのがあるのかあ、うちの大学ではスタンダードな社会学を教えてるんだけどさすが東大ひとあじちがうなあ、ちょっと見てみたいなあと思いながら読み始めるわけだが、最初の項で「まず、社会学(者)は〈社会〉は個人の集まりであると考えます」と書いてあってそこで乗れなかった。じぶんは「社会学(者)は〈社会〉は個人の集まりではないナニモノカであると考えるよ」というふうに勉強したし授業でもそう言ってるので。えーとこういうのは入り口が重要で、「〈社会〉は個人の集まり」を入り口にしたら、そのあといくら相互行為とか創発特性とかシステムとかいろいろ

    通勤電車で読む『大学4年間の社会学が10時間でざっと学べる』。乗れなかった。 - クリッピングとメモ
    ja_bra_af_cu
    ja_bra_af_cu 2022/03/10
    "社会学に触れたことのない人の通念に合わせていろいろな単語や社会学者の横顔が「とにかく、腑に落ちる」ようにざっと書いてある、みたいな狙いの本"
  • 第585回:「叱る依存」という病〜指導死、虐待、DV、パワハラ、そしてSNS上のバッシングや「厳罰化」、危険な中絶方法などなどの背景にある根深いもの。の巻(雨宮処凛)

    ホーム 雨宮処凛がゆく! 第585回:「叱る依存」という病〜指導死、虐待、DV、パワハラ、そしてSNS上のバッシングや「厳罰化」、危険な中絶方法などなどの背景にある根深いもの。の巻(雨宮処凛) 雨宮処凛がゆく!

    第585回:「叱る依存」という病〜指導死、虐待、DV、パワハラ、そしてSNS上のバッシングや「厳罰化」、危険な中絶方法などなどの背景にある根深いもの。の巻(雨宮処凛)
  • 『物語の外の虚構へ』リリース! - logical cypher scape2

    (追記2023年6月) sakstyle.hatenadiary.jp Kindle版について(Amazon) 一番手に取りやすい形式ではあるかと思います。 ただ、エゴサをしていて、レイアウトの崩れなどがあるというツイートを見かけています。 これ、発行者がちゃんとメンテナンスしろやって話ではあるのですが、自分の端末では確認できていないのと、現在これを修正するための作業環境を失ってしまったという理由で、未対応です。 ですので、来、kindle版があってアクセスしやすい、っていう状況を作りたかったのですが、閲覧環境によっては読みにくくなっているかもしれないです。申し訳ないです。 pdf版について(BOOTH) ペーパーバック版と同じレイアウトのpdfです。 固定レイアウトなので電子書籍のメリットのいくつかが失われますが、kindle版のようなレイアウト崩れのリスクはないです。 また、価格はk

    『物語の外の虚構へ』リリース! - logical cypher scape2
  • 【書評】ファクトフルネス 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣 : 九段新報

    今回は2019年から話題になっているビジネス書です。タイトルからして胡散臭さそうな雰囲気だったので積極的に読む気はなかったのですが、たまたま図書館に新着で入っていたので手に取りました。 結論から言うと、書の主張である「事実をきちんと理解して考えるべき」というところには賛同しますが、肝心の著者がその「ファクトフルネス」を全く実践できていないとしか思えず、そのために著書の信頼性が著しく毀損されていると評価するべきでしょう。 ファクトフルネス(事実に基づくとは書いていない) 書の主眼はタイトルにあるように「事実に基づくこと」ですが、書の主張自体は事実に基づいているといえません。特にその傾向が顕著なのは、人間の性質を10の能として説明しているところです。著者によれば、人間は「世界はどんどん悪くなっている」という思い込みである「ネガティブ能」や、恐ろしくないものに恐怖を感じる「恐怖能」な

    【書評】ファクトフルネス 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣 : 九段新報
  • 新書『英語独習法』が売れている|認知科学者がおしえる思考と学習

    岩波新書の今井むつみ『英語独習法』が売れている。僕自身も大変興味深く読んでおり、これは英語学習者にとっての必読書に指定したいくらいだと思っている。それくらい、これまでの英語関連書にはない、ユニークな一冊となっているのだ。 世の中に数多存在する、英語がペラペラ話せるようになるといった宣伝文句の教材、ヒアリングとして英語を浴びるように聞いて慣れさせようという授業、そうした安易なやり方をまずは否定するところから書は始まる。それではこの『英語独習法』は、これまでの英語学習とはいったい何がどう異なっているのか?その答えはひとことでいうと、著者が英語の専門家ではない、ということに尽きる。 今井むつみ 1989年慶應義塾大学大学院博士課程単位取得退学。 1994年ノースウェスタン大学心理学部Ph.D.取得 現在―慶應義塾大学環境情報学部教授 専攻―認知科学、言語心理学、発達心理学 著書―『ことばと

  • 「日本人だけど、日本語についてあまり知らないな」と思ったら読む本【新書読書】

    「日人だけど、日語についてあまり知らないな」と思ったら読む【新書読書】 2021.02.26 0 メディア エッセイ, 新書の書棚, 日語, 書評, 読書, 金田一 春彦 金田一 春彦 日語〈上〉 岩波新書 1988/1/20 巷では「当は知らない日語」みたいなネタはウケやすいようで、Twitterなどでも良くバズる定番の一つではあります。 「そんなに好きなら、そういうネタだけ書いたがあるんだから読めばいいのになぁ……」 と、私がいつも思い浮かべるのがこの。 短いタイトルほどダメ率は低い傾向があります  ―小飼弾『新書がベスト』 これは先日紹介した『新書がベスト』で小飼弾氏が述べていることですが、書もこの例に漏れず、書籍史に残る名著だと思います。 1988年の出版にも関わらず、現在まで売れ続け、(電子化されない書籍が数多くある岩波新書の中で)しっかり電子化までされてお

    「日本人だけど、日本語についてあまり知らないな」と思ったら読む本【新書読書】
  • 私は信田さよ子を知らなかった『家族と国家は共謀する サバイバルからレジスタンスへ』 | カドブン

    書評家・作家・専門家が《新刊》をご紹介! 選びにお役立てください。 (評者:東畑 開人 / 臨床心理学者、白金高輪カウンセリングルーム 主宰   http://stc-room.jp/ ) はじめに断っておく。広い読者に向けられたでもあるけれど、ひとりの心理士として書きたい。この書評の題は、そういう思いからつけたものだ。 私は信田さよ子を知らなかった。不明を恥じる。だけど、私だけじゃない、と言い訳したくなる。誰も信田さよ子を知らなかったのではないか。 もちろん、みんなが信田さよ子を知っている。それもわかっている。彼女はおそらく、日で最も有名な心理士だ。アディクションとDVの第一人者であり、数えきれないほどのを書き、多くの良き読者がいる。 それでも思う。信田さよ子は孤独ではなかったか。この25年間、彼女はたった一人で体系を編み上げ、オルタナティブな臨床心理学を構築してきたのではなかっ

    私は信田さよ子を知らなかった『家族と国家は共謀する サバイバルからレジスタンスへ』 | カドブン
    ja_bra_af_cu
    ja_bra_af_cu 2021/02/26
    "信田さよ子はもはや心理学を基礎理論としていない。彼女は女性学をはじめとする社会理論をインストールして、全く新しい認識論を作り上げている。これを単なる社会理論の応用と思ってはいけない。なぜなら〔……〕"
  • 思考を鼓舞する書|ちくま学芸文庫|本田 由紀|webちくま

    「社会的なるもの」を理解するための、新たな想像力をもたらす社会学。アウトサイダーの立場から社会を観察する社会学を学ぶことで世界は一変する。それだけでなく社会学は、「誰にとってもよりよい世界」という希望をもたらす。書でケン・プラマーはそう主張し、社会学の歴史から理論、未来までを平易に説いていく――。社会学者の田由紀氏がこの書について、熱く鋭く論じて下さいました。ご一読を! 書は、イギリスの社会学者ケン・プラマーが2016年(初版は2010年)に著した、社会学の教科書・入門書の邦訳である。 教科書といえば、堅苦しく、定説が並べられ、偉そうな雰囲気がまとわりつくものである。しかし書は、目配りの良い充実した教科書でありながら、筆者が受けた強い印象は、生き生きと清新で読者の思考を鼓舞する書であるということだ。 各章末に簡潔な要約があり、「さらに調べてみよう」という問いかけがあり、豊富な参考文

    思考を鼓舞する書|ちくま学芸文庫|本田 由紀|webちくま
  • 『ユリイカ2019年12月号 特集=Vaporwave』 - logical cypher scape2

    松下哲也「ビアズリーの挿絵はマンガの形式に影響をおよぼしたのか?」(『ユリイカ2019年3月臨時増刊号』) - logical cypher scape2の勢いで、こっちの号のユリイカもちらっと眺めた やはりこちらも主に松下さんの記事について ユリイカ 2019年12月号 特集=Vaporwave ―Oneohtrix Point Never、Vektroidから シ Corp.、ESPRIT 空想、2814まで…WEBを回遊する音楽― 作者:ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー,Night Tempo,仲山ひふみ,銭清弘,山形一生出版社/メーカー: 青土社発売日: 2019/11/28メディア: ムック imdkm「空間ならざる空間の響き――エコージャムズと零度の空間」 vaporwaveの方法(でありvaporwaveという名前がつく以前はジャンル名でもあった)エコージャムズについ

    『ユリイカ2019年12月号 特集=Vaporwave』 - logical cypher scape2
  • 大谷能生×吉田雅史が語る、近年の音楽書の傾向とその可能性 「ファクト重視で念入りに検証した批評が増えている」

    大谷能生×吉田雅史が語る、近年の音楽書の傾向とその可能性 「ファクト重視で念入りに検証した批評が増えている」 音楽に関する書籍が近年、ますますバラエティに富んでいる。2019年に発売されたものだけでも、人文書院からはロックミュージックの歴史を壮大なサーガとして描いた西崎憲『全ロック史』、DU BOOKSからは新たなヒップホップ史観を提示するソーレン・ベイカー『ギャングスター・ラップの歴史 スクーリー・Dからケンドリック・ラマーまで』、リットーミュージックからはプログレッシブ・ロックの歌詞に着目した円堂都司昭『意味も知らずにプログレを語るなかれ』など、多様なテーマ/切り口の音楽書が並ぶ。これらの書籍を並べて俯瞰した時、近年の音楽を巡る言説にはどのような傾向や変化が見られるのか。音楽家であり批評家でもある大谷能生氏と吉田雅史氏が、近年の音楽書について濃密な対談を繰り広げた。なお、最終ページには

    大谷能生×吉田雅史が語る、近年の音楽書の傾向とその可能性 「ファクト重視で念入りに検証した批評が増えている」
  • 細馬宏通『ミッキーはなぜ口笛を吹くのか』 - logical cypher scape2

    サブタイトルは「アニメーションの表現史」で、アメリカの初期アニメーションを取り上げ、当時の技術やアニメ以外の文化との関連から、なぜこのような表現になったのかについて書かれた。 各章の独立性が高く、比較的どの章からも読めるし、とっつきやすい。 タイトルにはミッキーとあるが、これは第七章の章タイトルでもあり、実はディズニーについて主題的に扱っているのはこの章だけである。 『愉快な百面相』から始まり、マッケイ、フライシャー兄弟、ディズニー、MGM、ワーナーの作品がそれぞれ取り扱われている。 「ミッキーはなぜ口笛を吹くのか」というのは、筆者の講義を受けていた学生が『蒸気船ウィリー』に対して抱いた疑問である。書はたびたび、現代のアニメーションに馴れた我々(学生たち)が、20世紀前半に作られた過去のアニメーション作品を見た際に抱く素朴な疑問を出発点としている。 大ざっぱにいうと、 1〜4章は、絵を

    細馬宏通『ミッキーはなぜ口笛を吹くのか』 - logical cypher scape2
    ja_bra_af_cu
    ja_bra_af_cu 2017/12/07
    詳しめなノートありがたい
  • 岡本健『ゾンビ学』(人文書院)を読む:近代、移動、資本

    いつもお世話になっております。 ミルチこと、某院生です。 兼ねてからお知り合いだった、観光学者の岡健さんの『ゾンビ学』(人文書院)を日ようやく手にすることができ、読んでいます。 多くの書評やレビューの類はあるので、取り留めもない考えや思い付きを書くことにしたいと思います。 1.ゾンビと私 古めの知識人とか、大学教員が、かつてよく書いていた文章として、「〇〇と私」というたぐいのものがありました。 「寺山修司と私」とか、「マルクスと私」とか、そういう感じのタイトルは五万とあります。 そして、この種のタイトルの文章が苦手でした。 このタイトルの文章に反発していたのは、「お前の個人的な話なんてどうでもいいよ!!」「研究の話してよ!!」と思うからですね。 でも、ここはブログなので好きに書くのです。 何を隠そう、私はかなりゾンビが好きです。 小説とかだと、幽霊の方がモチーフとしてはずっと好きなので

    岡本健『ゾンビ学』(人文書院)を読む:近代、移動、資本