量子コンピューターは原子より微小な世界を支配する物理法則、量子力学を活用して情報処理を行う次世代計算機だ。実用に耐える大規模な量子コンピューターを作るのは難しいとみられていたが、その突破口が開けた。米ハーバード大学や米エール大学、米メリーランド大学などの研究者が立ち上げたベンチャー企業が研究開発をリードしている。「モジュール」をつなげて規模の問題を解決従来のコンピューターの場合、情報の基本単
量子コンピューターは原子より微小な世界を支配する物理法則、量子力学を活用して情報処理を行う次世代計算機だ。実用に耐える大規模な量子コンピューターを作るのは難しいとみられていたが、その突破口が開けた。米ハーバード大学や米エール大学、米メリーランド大学などの研究者が立ち上げたベンチャー企業が研究開発をリードしている。「モジュール」をつなげて規模の問題を解決従来のコンピューターの場合、情報の基本単
横浜国立大学大学院工学研究院の小坂英男教授らは、ドイツのStuttgart 大学、大阪大学、東京大学との共同研究で、量子通信に用いる光子を量子メモリーとなるダイヤモンド中に量子テレポーテーションの原理で転写して、長時間保存する新原理の実証に世界で初めて成功したと発表。絶対的に安全な量子通信網の飛躍的長距離化・高信頼化が期待される。 量子通信は、量子力学を応用した盗聴不可能な暗号通信技術で、量子でできた暗号鍵の自動配信(QKD)を用いる。現在、100km程度の距離で実用化が進行中だが、それ以上の長距離には、量子テレポーテーションという原理で光子が一度では届かない遠方に量子状態を再生する量子中継が不可欠。光子が届く数10km毎に配置した量子ノード間に量子もつれ(2量子間の量子的な相関状態)を生成し、量子ノード内で量子もつれを検出する必要があるという。 中継ノードは量子メモリーとなるダイヤモンド
米Googleが新方式の量子コンピュータを実現する技術を開発した。「量子ゲート方式」の量子コンピュータによって「量子アニーリング」をシミュレーションする。Googleは新方式によって、既存の「量子アニーリング方式」の量子コンピュータが抱える課題を解決できると主張している。 2016年6月9日に科学誌「Nature」で「Digitized adiabatic quantum computing with a superconducting circuit」と題する論文を公開し、詳細を明らかにした。最大9個の「量子ビット」を備えた量子コンピュータのプロトタイプを開発し、量子アニーリングをシミュレーションする実験に成功したとしている。タイトルにある「adiabatic quantum computing(量子断熱計算)とは、量子アニーリング(Quantum Annealing)の別名。 量子コン
要旨 理化学研究所(理研)理論科学連携研究推進グループ分野横断型計算科学連携研究チームの横倉祐貴基礎科学特別研究員と京都大学大学院理学研究科物理学宇宙物理学専攻の佐々真一教授の共同研究チームは、物質を構成する粒子の“乱雑さ”を決める時間の対称性[1]を発見しました。 乱雑さは、「エントロピー[2]」と呼ばれる量によって表わされます。エントロピーはマクロな物質の性質をつかさどる量として19世紀中頃に見い出され、その後、さまざまな分野に広がりました。20世紀初頭には、物理学者のボルツマン、ギブス、アインシュタインらの理論を踏まえて「多数のミクロな粒子を含んだ断熱容器の体積が非常にゆっくり変化する場合、乱雑さは一定に保たれ、エントロピーは変化しない」という性質が議論されました。同じ頃、数学者のネーターによって「対称性がある場合、時間変化のもとで一定に保たれる量(保存量)が存在する」という定理が証
カナダD-Wave Systemsの量子コンピュータ「D-Wave 2X」が「組み合わせ最適化問題」を既存のコンピュータに比べて最大1億倍(10の8乗倍)高速に解いた――。米航空宇宙局(NASA)、米Google、米大学宇宙研究連合(USRA)は2015年12月8日(米国時間)、シリコンバレーにある「NASA Ames Research Center」で記者会見を開いて発表をした(写真1)。 NASAやGoogleは2013年5月に「Quantum Artificial Intelligence Lab(QuAIL、量子人工知能研究所)」を設立し、これまで2年間にわたってNASA Ames Research CenterでD-Waveの量子コンピュータを運用し、性能のテストなどを行ってきた。2015年9月には「0」と「1」の情報を重なり合った状態で保持できる「量子ビット」を1000個以上搭
・宇宙の成り立ちを理解するための鍵となる理論:3次元量子重力理論の厳密計算に世界で初めて成功 ・従来の近似手法では厳密な計算は困難があったが、近似を一切用いずに、新たな手法での厳密計算を完了 ・宇宙のはじまり、ブラックホールの解明に必要な量子重力理論の理解を切り開く一つのステップとなる成果 飯塚則裕(大阪大学大学院理学研究科助教)は、田中章詞(研究開始時大阪大学大学院生、現在は理化学研究所基礎特別研究員)、寺嶋靖治(京都大学基礎物理学研究所助教)との共同研究により、宇宙定数が負の場合、3次元(空間2、時間1次元)の量子重力理論(現代物理学の2大柱:量子力学とアインシュタインの一般相対性理論 を統一した理論)の厳密な計算をある等価性の下で行うことに世界で初めて成功しました。 量子力学は、電子のような小さな粒子が運動する経路を計算する方法です。量子力学の基本原理である「経路積分」は、従来の方法
(報道発表資料) 2015年9月14日 世界で初めて、誤り率監視の不要な量子暗号実験に成功 ~波束の収縮に基づいた新原理による手法を実証~ 日本電信電話株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:鵜浦博夫 以下、NTT)と東京大学大学院工学系研究科(東京都文京区、総長:五神 真)は共同で、光子伝送の誤り率監視を行うことなしに安全性を確保する量子暗号を世界で初めて実現しました。 本成果は、総当たり差動位相シフト(round-robin differential phase shift: RRDPS)方式と呼ばれる量子暗号方式を実験により実証したものです。この結果により、不確定性原理に基づく従来の方式と異なり、波束の収縮(※1)を安全性の原理とした量子暗号を世界で初めて実証することができました。本実験により、従来方式で必須とされてきた送信者と受信者との間での定期的な誤り率監視が不要な量子暗号が実
British scientist Stephen Hawking attends a press conference in London on July 20, 2015, where he and Russian entrepreneur and co-founder of the Breakthrough Prize, Yuri Milner, annouced the launch of Breakthrough Initiative, a new project to attempt to detect life in the Cosmos. AFP PHOTO / NIKLAS HALLE'N (Photo credit should read NIKLAS HALLE'N/AFP/Getty Images)
大栗 博司 Kavli IPMU 主任研究員 1.発表者 大栗 博司(おおぐり ひろし) 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 主任研究員 2.発表のポイント 重力の基礎となる時空が、さらに根本的な理論の「量子もつれ」から生まれる仕組みを具体的な計算を用いて解明した。 物理学者と数学者の連携により得られた成果であり、一般相対性理論と量子力学の理論を統一する究極の統一理論の構築に大きく貢献することが期待される。 成果の重要性等が評価され、アメリカ物理学会の発行するフィジカル・レビュー・レター誌(Physical Review Letters)の注目論文(Editors’ Suggestion)に選ばれた。 3.発表概要 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)の大栗博司主任研究員とカリフォルニア工科大学数学者のマチルダ・マルコリ教授と大学院生らの物
量子の非局所性の厳密検証に成功――新方式の量子コンピュータにも道:アインシュタイン提唱の「物理学の100年論争」が決着!(1/3 ページ) 東京大学 教授の古澤明氏らの研究チームは2015年3月、約100年前にアインシュタインが提唱した「量子(光子)の非局所性」を世界で初めて厳密に検証したと発表した。検証に用いた技術は、「新方式の超高速量子暗号や超高効率量子コンピュータへの応用が可能」(古澤氏)とする。 東京大学 教授の古澤明氏らの研究チームは2015年3月24日、約100年前にアインシュタインが提唱した「量子(光子)の非局所性」を世界で初めて厳密に検証したと発表した。検証に用いた技術は、「新方式の超高速量子暗号や超高効率量子コンピュータへの応用が可能」(古澤氏)とする。なお、この研究成果は、英国の科学雑誌「Nature Communications」(2015年3月24日[現地時間]オン
光は「粒子」の性質と「波」の性質を併せ持っていますが、これまでは同時に観測できなかったこの両方の性質を、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の研究チームが世界で初めて電子顕微鏡で撮影することに成功しました。 The first ever photograph of light as both a particle and wave http://actu.epfl.ch/news/the-first-ever-photograph-of-light-as-both-a-parti/ Simultaneous observation of the quantization and the interference pattern of a plasmonic near-field : Nature Communications : Nature Publishing Group htt
デイビッド・ドイッチュがあちこちで「量子コンピュータが圧倒的に速いことは多世界解釈が正しい証拠」と宣伝しており、またそれを扇動的に扱う科学記事も人気を集めているため、世間では多世界解釈は完成された量子論解釈と誤解している人がこの10年くらいで増えてしまったように思う。 多世界解釈では宇宙全体を記述するただ1つの波動関数が実在しており、図1のように時間とともに様々な宇宙の量子的線形重ね合わせに進化する。 ここに出てくる各宇宙に異なる計算作業を分担させて巨大な並列計算を量子コンピュータは行うために古典コンピュータに比べて指数関数的に速いのだとドイッチュは説明するのだ。 また他にも、コペンハーゲン解釈で出てくる波動関数の収縮はシュレーディンガー方程式では記述できない"謎"の過程であり、それはコペンハーゲン解釈を超えて説明されるべきだという主張を繰り返す人もいる。 多世界解釈では宇宙全体を記述する
量子コンピュータの可能性――量子テレポーテーションのパイオニア・古澤明氏に聞く:【再録】 ITmedia Virtual EXPO 2014 秋(1/5 ページ) 2014年9月30日に閉幕したITとモノづくりに関する日本最大級のバーチャル展示会「ITmedia Virtual EXPO 2014 秋」では、基調講演として、一部でノーベル賞候補として名前も挙がる量子力学の第一人者でもある東京大学の古澤明氏が登壇し、「量子コンピュータの可能性」について、最近の研究成果なども交えながら語った。この基調講演の模様を記事化した。 「夢のコンピュータ」と呼ばれる量子コンピュータ。常人には理解しがたい「量子力学」を応用したコンピュータであり、これまでの常識を覆すような性能を持つコンピュータとされる。同時に、量子コンピュータの実現には、とても大きな技術課題をいくつも乗り越えなければならない。そういった意
海外FX業者を利用する上で、ボーナスは絶対に欠かせません。口座を新規開設するだけでもらえる「口座開設ボーナス」、入金時にもらえる「入金ボーナス」、その他にもキャッシュバックなど、様々なボーナスがもらえます。 受け取ったボーナスはそのまま取引に使え、利益が出た時は出金することも可能です。お得はあっても損はないボーナスなので、海外FX業者を選ぶ際には必ず比較しておきたいところです。 そこでこの記事では、海外FXボーナス(口座開設ボーナス・入金ボーナスキャンペーン)を徹底的に研究した上で、おすすめ比較ランキングにまとめてみました。日本人に人気のFX業者だけでなく、マイナーの海外FX業者や注意点なども詳しく解説していきます。 「海外FXボーナスが豪華な業者をすぐに知りたい」という方向けに、海外FXボーナス選びに役立つカオスマップを作成したのでこちらも併せて参考にしてください。 「どのFX業者で口座
ウィーン工科大学など複数の研究者から成る研究グループは、「量子チェシャ猫」を実験的に実証したと報告した。 量子チェシャ猫とは、粒子の物性(スピンや質量など)のみをその粒子から分離できるという近年提唱された量子力学的な理論。粒子本体がないのにその性質だけが存在することから、「不思議の国のアリス」の身体が消えても笑いだけが残るチェシャ猫に例えられる。 ウィーン工科大の長谷川祐司准教授らが行った実験では、ビームスプリッターと干渉計を使い、中性子を2つの経路にとって飛ぶ装置を用いた。量子力学では、たとえばある粒子が2つの経路で飛ぶ場合、たった1つしかない粒子でもその両方の経路に存在し得る。 分けられた経路の一方で「弱い測定」と呼ばれる量子力学的手法で磁気モーメントを測定したところ、そこで観測された結果はもういっぽうの経路の粒子にも反映され、粒子本体とその性質のみを分離できる量子チェシャ猫が実証でき
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く