日本も運用に関わるISS=国際宇宙ステーションのプロジェクトについて、ロシア国営の宇宙開発公社「ロスコスモス」は2024年以降に離脱する意向を明らかにし、今後の宇宙開発への影響が懸念されます。 ロシア国営の宇宙開発公社「ロスコスモス」のボリソフ社長は26日、プーチン大統領にロシアの宇宙開発事業について報告しました。 この中で、日本やアメリカなども運用に関わる国際宇宙ステーションについて「2024年以降、離脱することを決めた」と述べ、プーチン大統領もこれを了承しました。 そのうえで「離脱するころには、ロシア独自の宇宙ステーションの建設が始まっているのではないか」と述べました。 2011年に完成したISSの運用期間は2024年までとなっていますが、NASA=アメリカ航空宇宙局のネルソン長官は2030年まで運用を延長する方針を発表していました。 運用の延長には各国の合意が得られるかが焦点となって
白亜紀のブラジルに暮らしていた小さな羽毛恐竜が、原産国から持ち出された重要な化石を返還するキャンペーンの主役になっている。(ILLUSTRATION BY BOB NICHOLLS, PALEOCREATIONS.COM) これは古生物学にとって画期的な決定になるかもしれない。ドイツ当局が他に類を見ない羽毛恐竜の化石をブラジルに返還すると発表した。 この恐竜は1億年以上前のブラジルに暮らし、「ウビラジャラ・ジュバトゥス(Ubirajara jubatus)」と名付けられた。先史時代に存在したどの生物とも異なり、肩から槍のような長い羽毛が突き出ていた。現代の鳥と同じように、社会的地位を争うため、あるいは求愛行動のために使われていた可能性が高い。このよく目立つ羽毛が名前の由来だ。ウビラジャラはブラジルの先住民トゥピ族の言葉で「槍の神」を意味する。 この発見は2020年末に学術誌に発表され、高く
近年では大量の農薬や化学肥料を使った工業的農業に対する問題意識から、化学肥料・農薬などを使わない有機農業への注目が集まっています。インド洋に浮かぶスリランカでは、「化学肥料や農薬の輸入を禁止し、国内の農業をすべて有機農業へ転換する」という大胆な政策が実行されましたが、これは農家に大きな打撃を与えて失敗に終わりました。なぜスリランカの有機農業政策が失敗したのかについて、アメリカのニュース誌であるフォーリン・ポリシーが解説しています。 Sri Lanka's Organic Farming Experiment Went Catastrophically Wrong https://foreignpolicy.com/2022/03/05/sri-lanka-organic-farming-crisis/ スリランカでは1960年代から、合成肥料を購入する農家に対して補助金を与えており、これに
「九州新幹線西九州ルート」の新鳥栖~武雄温泉間について着工の見通しが立たない。 その理由の1つに「佐賀県の負担金問題」がある。佐賀県にとっては福岡へ行くにも長崎へ行くにも在来線で不満はない。佐賀~博多間の時間短縮は15分。佐賀市から新鳥栖駅まで所要時間は12分。そこから関西直通の新幹線に乗れる。フル規格の費用負担に見合わない。 それでは、佐賀県にとって納得できる負担金額はいくらになるか。2022年2月、この問題を経済学のゲーム理論で試算した論文が完成した。執筆は大阪大大学院経済学研究科の学生(当時)の別府英俊氏だ。 結論から書くと、新鳥栖~武雄温泉間で最も合意しやすい負担額は「国が3946億円、佐賀県が582億円、長崎県が561億円」だった。ゲーム理論が導いた数字は「佐賀県と国の負担減、長崎県の追加負担あり」だ。 現在の枠組みの負担額は「国が4157億円、佐賀県が933億円、長崎県が負担な
今日(3月30日)は、東京で10年ぶりに黄砂が観測されるなど北日本から西日本の各地で黄砂が話題になっていますが、その裏で気象庁と環境省からたいへん重要な報道発表がありました。内容は「生物季節観測の発展的な活用に向けた試行調査の開始について」というもの。 私自身はこのニュースを聞いて、たいへん嬉しく感じました。というのも、70年近くに及ぶ貴重な観測データが、廃止されることなく今後も存続することが、ほぼ確実になったからです。 生物季節観測とは何か 昨年11月10日、気象庁はこれまでの生物季節観測を見直すとして、2021年(今年)から動物の観測を完全に廃止し、また植物の観測も大幅に縮小するとの発表をしました。このニュースは新聞やテレビなどでも大きく取り上げられ、気象関係者のみならず、多くの方の関心を呼びました。(参照記事) 簡単に生物季節観測について補足すると、気象庁は1953年から季節の進み具
透過電子顕微鏡で捉えた新型コロナウイルスの画像。米国立衛生研究所が公開(2020年2月27日入手)。(c)AFP PHOTO /NATIONAL INSTITUTES OF HEALTH/NIAID-RML/HANDOUT 【3月29日 AFP】(更新)新型コロナウイルスの発生起源について中国・武漢(Wuhan)で調査を行った世界保健機関(WHO)の調査団が、ウイルスはコウモリから別の動物を媒介して人に感染した可能性が非常に高く、研究所から流出した事故説の「可能性は極めて低い」と結論付けたことが分かった。 AFPは29日、調査団の最終報告書を正式発表に先立ち入手。これによると、調査団は新型コロナウイルスを中間宿主が媒介したとの説について「可能性が高い、または非常に高い」とみる一方で、ウイルスが研究所から流出したという説については「可能性が極めて低い」との見方を示している。 報告書には、「最
絶滅の危機にあるダイオウヤシの森に滝が流れ落ちる。キューバ、アルテミサ州のソロアで撮影。(PETER R. HOULIHAN, NATIONAL GEOGRAPHIC IMAGE COLLECTION) カリブの島々は、地球上でも特にユニークで多様な生物の宝庫だ。しかし、経済のグローバル化が進むにつれて、故意または偶然に持ち込まれた外来の動植物に侵食されている。多くの島では、こうした外来種によって在来種が完全に排除される可能性が指摘されている。 ところが、キューバは例外だ。半世紀以上前にフィデル・カストロが権力を握った後、貿易と観光が抑制されてきた。抑制が緩和されたのはここ10年か20年のことだ。カストロ政権下の経済的孤立はキューバの人々を苦しめたが、最新研究によると、この孤立のおかげで島が外来種から守られてきたという。 米国とキューバの科学者から成るチームがカリブ海に浮かぶ45の島を調査
研究日誌 東京大学大学院農学生命科学研究科アイソトープ農学教育研究施設 田野井が研究者、大学教員としての活動をご紹介します。少しでも大学教員を目指す人が増えるとよいな、と思いながら情報発信します。 この話は年末からスタートしたらしいのですが、全く知らなかったです。ニュースを先ほど感知しました。 問題点は2つあるようで。。。 個人情報を入手し論文等で発表する過程で、許可を得ていない人がいた。線量を1/3程度に計算ミスしているデータがあった。 ネット上ではさぞかしバッシングを受けているのでは、、、と思って検索すると、予想通りたくさん叩かれています(これを炎上というのでしょうか?)。さて、ご本人のツイッターはどうなっているかな?と思って久々ツイッターをwebsiteで開くと、、、なんと完全に通常運転!肝が据わっていらっしゃいます。私も伊達市でイネの試験作付に参加させていただいたこともあり、早野先
米バッドランズ国立公園の公式ツイッターアカウントが投稿した地球温暖化に関するツイートが削除されたのを機に、「非公式」アカウントが登場して政権批判を始めたほか、複数の国立公園の公式アカウントが次々と、気候変動のデータなどをツイートしている。気候変動などでっちあげだと主張するトランプ大統領に、国立公園の関係者たちがこぞって抵抗運動を開始したようにも見える。 国立公園局の公式ツイッターアカウントは20日、大統領就任式の直後に、観衆の人数がオバマ前大統領の就任式よりも少なかったと示す写真をリツイート。アカウントはしばらく非表示となった後、「昨日このアカウントから間違ってリツイートしたことを遺憾に思い、今後もこの国の公園の美しさと歴史を皆さんと共有していきたいと思います」とツイートした。 24日には、サウスダコタ州にあるバッドランズ国立公園のアカウントが、「産業革命以降、海洋の酸化が3割進んでいる」
1975年生まれ。慶應義塾大学経済学部教授。。横浜市立大学、横浜国立大学、慶應義塾大学の准教授を経て、2014年より現職。人々の意思をよりよく反映させる選挙方式、物を高く売るオークション方式、人と組織を上手く結ぶマッチング方式といった制度設計の研究で、多くの国際業績をあげる。著書には『マーケットデザイン入門』(ミネルヴァ書房)、『社会的選択理論への招待』(日本評論社)といった定番テキスト、および一般向けの『マーケットデザイン』(ちくま新書)、『多数決を疑う』(岩波新書、2016年新書大賞4位)などがある。2015年義塾賞。 「決め方」の経済学 私たちが慣れ親しんだ決め方である多数決は、欠陥だらけの方法だった。『多数決を疑う』の著者である坂井豊貴氏が、民主的な「みんなの意見のまとめ方」を経済学のツールを使って解説。「多数決」と「数の暴力」はどう違うのか? 曖昧でいい加減な「民意」「選挙」の議
来年度から5年間に渡る科学技術振興策を方向づける第5期科学技術基本計画の答申素案が先日公開され、現在素案に対するパブリックコメントを募集している。 募集期間は平成27年11月2日(月)~平成27年11月16日(月)12時(総合科学技術・イノベーション会議、「第5期科学技術基本計画」答申素案PDF、「第5期科学技術基本計画」答申素案についての意見募集PDF)。 また、こちらにて第3、第4期科学技術基本計画に対するパブリックコメントのまとめとそのフィードバックを確認できる。 本計画は平成8年の第1期科学技術基本計画よりまもなく20年を迎える。答申素案では、2000年以降の自然科学系のノーベル賞受賞者数が世界第2位であること等を挙げ、実績を強調する一方で「我が国の科学技術イノベーションの基盤的な力が近年急激に弱まってきている」とし、「若年人口の減少が想定される中で、科学技術イノベーション活動を担
自党に有利となるよう選挙区の区割りを変更することは「ゲリマンダー」と呼ばれるが、これは他党の支持者が多い地区を少数の選挙区に集めるなどして、多くの選挙区で自党の支持者が多数になるようにするものだ。ゲリマンダーが疑われる例として、2012年の合衆国下院議員選挙でのノースカロライナ州の区割りが挙げられる。 この時、州全体では民主党の得票数が共和党を上回っていたにもかかわらず、共和党が13議席中9議席を獲得した。このような結果となった原因を数学的に説明するため、デューク大学の研究者らが2012年の投票結果を複数の異なる区割りに当てはめたシミュレーションを行っている。数学者のJonathan Mattingly氏とChristy Vaughn氏は、各選挙区の人口をおおむね同じにする必要があるという連邦法の規定と、選挙区は地理的にまとまっている必要があるという州法の規定に従い、13選挙区の境界線をラ
次の日曜(11月30日)、小惑星探査機はやぶさ2の打ち上げが予定されています。 こうした、宇宙開発の基本方針を定めているのが国の「宇宙基本計画」ですが、その見直しが、いま大詰めを迎えています。 今夜は、日本の宇宙開発がどこへ向かうのか、展望します。 そもそも、「宇宙基本計画」とは、宇宙開発の目標や、年間3千億円に上る宇宙関係予算の使い方など、宇宙政策を総合的・計画的に進めるため作られているものです。 現在の基本計画は去年1月に、5年間の政策を盛り込んで策定されました。 ところが、それから2年もたたない今年9月、安倍総理が、新しい基本計画を年内に作るよう指示しました。 我が国を取り巻く外交・安全保障環境の急変と、宇宙関連企業の事業撤退が相次いでいることなどを理由に、「政権の安全保障政策を反映させること」や「産業基盤の強化」を求めたのです。 さらに、厳しい財政事情を踏まえ、やるべき
3月28日 農業は地球の環境悪化の緩和に重要な役割を果たす フランス農学・獣医学・林学研究院 アグリニウム会長 マリオン・ギュー 氏 3月8日 近未来SF漫画で描かれるテクノロジーの未来 漫画家 山田胡瓜さん 12月28日 「世界中の望遠鏡が協力して中性子星合体を観測 ―重力波と光の同時観測『マルチメッセンジャー天文学』の幕開けは、何を意味するのか?」 理化学研究所仁科加速器研究センター 玉川 徹 氏 4月2日 《JST主催》「トップサイエンスによる社会変革への挑戦」―JSTの第2回ACCELシンポジウム開催 サイエンスポータル編集部 3月22日 第84回「日本発のデザインバイオロジー確立に向けて」 科学技術振興機構 研究開発戦略センター ライフサイエンス・臨床医学ユニット 山本秀明 氏 3月9日 市民の感情に「科学的知見」を持つ科学者はどう向かい合うか―AAAS年次総会2018レポート
3月28日 農業は地球の環境悪化の緩和に重要な役割を果たす フランス農学・獣医学・林学研究院 アグリニウム会長 マリオン・ギュー 氏 3月8日 近未来SF漫画で描かれるテクノロジーの未来 漫画家 山田胡瓜さん 12月28日 「世界中の望遠鏡が協力して中性子星合体を観測 ―重力波と光の同時観測『マルチメッセンジャー天文学』の幕開けは、何を意味するのか?」 理化学研究所仁科加速器研究センター 玉川 徹 氏 4月10日 「持続可能な食の未来へ」をテーマに「ノーベル・プライズ・ダイアログ東京2018」開催 世界中からの食の専門家が集結 「科学と社会」推進部 4月2日 《JST主催》「トップサイエンスによる社会変革への挑戦」―JSTの第2回ACCELシンポジウム開催 サイエンスポータル編集部 3月22日 第84回「日本発のデザインバイオロジー確立に向けて」 科学技術振興機構 研究開発戦略センター ラ
(CNN) 2013年から米国の科学の授業が変わり始める。米国の26州が、次世代科学基準(NGSS)の導入を予定しており、それらの州の学校に通う子どもたちは、親、あるいは兄や姉とも違う方法で科学を学ぶことになる。 単に子ども向けに書かれた科学の教科書を読むだけではない。NGSSの開発者によると、新基準に基づく授業では、子どもたちが模型を作ったり、問題を解決したり、あるいは混乱し、悩むこともあるという。NGSSの開発者らは、次代の子どもたちが科学や工学を理解・習得し、将来、世界で競争できる人材に育つことを期待している。 「このNGSSの導入により、科学の教え方が大きく変化する可能性がある」と語るのは全米科学教師協会(NSTA)の事務局長を務めるゲリー・ウィーラー氏だ。 「子どもたちが従来とは違う種類の教室で学ぶことになるということを家族にも知ってもらう必要がある」(ウィーラー氏) では、一体
講談社は2012年11月16日、自然科学系新書「ブルーバックス」電子書籍版52タイトルの販売を開始した。2012年の1年間で国内の出版物6万冊の電子化を目指す経済産業省の「コンテンツ緊急電子化事業(緊デジ)」の適用を受けた。 配信タイトルは、2008年ノーベル物理学賞を受賞した南部陽一郎氏の『クォーク第2版』(1998年2月刊)、2002年ノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊氏の『ニュートリノ天体物理学入門』(2002年11月刊)のほか、『子どもにウケる科学手品77』(後藤道夫著、1998年11月刊)など。人気が高く、版を重ねているものを選んだ。 配信は以下の17書店(五十音順)。エルパカBOOKS、GALAPAGOS STORE、紀伊國屋書店BookWebPlus、コープデリeフレンズ電子書店、koboイーブックストア、セブンネットショッピング、電子文庫パブリ、どこでも読書、TOP BOO
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