今年3月、スマートフォンなどを製造する中国の小米科技(シャオミ)は炊飯器を発売した。低価格かつ高品質の製品とネットを中心とした巧みなマーケティング戦略で、スマホメーカーとして急成長を遂げたシャオミは、テレビや空気清浄機、浄水器などに商品の領域を広げている。それでも、シャオミが炊飯器まで手がけたことに対しては、中国でも驚きの声が上がった。 日本を訪れる中国人観光客が何台もの炊飯器を買っていく光景は記憶に新しい。多くの中国人が自国製ではなく日本製を信頼する姿は、中国国内で様々な議論を呼んだ。シャオミの炊飯器は独自の技術により、様々な種類のコメに対応していることを売りの1つにしており、発表会では開発に携わった1人の日本人の技術者の言葉が大きく紹介された。かつて三洋電機で「おどり炊き」シリーズを生み出し、大ヒットさせた内藤毅氏(68歳)だ。なぜ内藤氏がシャオミの炊飯器作りを手伝うことになったのか。