今年3月、京都府城陽市のコンビニエンスストアで重症急性呼吸器症候群(SARS)に感染しているように装い営業を妨害したとして、偽計業務妨害の疑いで逮捕された60代男性が不起訴処分になり、17日までに産経新聞の取材に応じた。男性は逮捕時から「『サーズ』とは言っていない」と主張、店内の防犯カメラに記録された音声が冤罪(えんざい)を晴らす証拠となった。新型コロナウイルスによって社会全体に不安感が増す中、何げない発言が思わぬ聞き間違いを招いたとみられる。 男性は3月31日午後1時半ごろ、城陽市内のコンビニでチケットを発券し、支払いをする際に、パートの女性従業員に「僕はサーズですので消毒してください」などと言い、店の業務を妨害したとして、偽計業務妨害の容疑で京都府警に逮捕された。 だが、男性や男性の弁護士によると、状況は異なる。 当時、眼科医院で検査技師として働いていた男性。「事件」前、感染力が強い流
詐欺罪に問われ10カ月以上勾留された後、9月に大津地裁で無罪判決を受けた20代の大学4年の男性=大阪府=が17日までに、京都新聞社の取材に応じた。客観証拠がほぼない中、滋賀県警と大津地検が「共犯者」の虚偽供述を別の共犯者に伝えて供述を引き出す強引な手法で、有罪立証に突き進んだ。「初めから犯人と決めつけられた。自分のように苦しむ人が今後なくなってほしい」と訴える。 【写真】誤認逮捕で謝罪する愛媛県警本部長 ■「なんで黙秘すんねん。やってるからやろ」「しゃべれや、うそつくなや」 昨年7月30日、男性は大阪市内で大津北署の刑事3人に呼び止められ、逮捕状を見せられた。「え、どういうこと?」。心当たりがなく「身に覚えありません」と答えたが、「分かった分かった。あっち(大津)で話を聞くから」と手錠を掛けられた。 容疑は、共謀し、高齢者から現金計200万円をだまし取った疑い。「共犯者」の知人とはアルバイ
強姦(ごうかん)事件などで服役中に被害証言がうそだったとわかり、再審で無罪となった男性(75)と妻が国と大阪府に計約1億4千万円の国家賠償を求めた訴訟の判決が8日、大阪地裁である。男性側は冤罪(えんざい)の責任は捜査機関だけでなく、裁判所にもあると訴えている。 訴状などによると、男性は2004年と08年に当時10代の女性に自宅で性的暴行を加えたとして強姦と強制わいせつの罪で起訴された。一貫して無罪を訴えたが、大阪地裁は09年5月、「女性が被害をでっちあげることは考えがたい」として、女性本人や被害を目撃したとする親族の証言などから懲役12年の判決を言い渡した。最高裁が11年4月に上告を退け、確定した。 しかし男性が服役中の14年、女性が「被害はうそ」と告白。親族も証言が虚偽と認めた。その後の大阪地検の調べで、女性が被害届を出した後に受診した医療機関に「性的被害の痕跡はない」とするカルテがあっ
元刑務所の内部。米サンフランシスコにて(2007年6月14日撮影、資料写真)。(c)AFP/ROBYN BECK 【10月14日 AFP】無実の罪で人生の半分以上に当たる23年間を刑務所で過ごしてきた米カンザス(Kansas)州出身のラモンテ・マッキンタイア(Lamonte McIntyre)さん(41)が13日、再審で無罪となり釈放された。マッキンタイアさんは釈放直後、テレビカメラや支援者の輪の中で母親を抱き締めた。 マッキンタイアさんは17歳だった1994年、白昼に発生した発砲事件の裁判で複数の目撃者の証言により2人を殺害したとして有罪判決を受けた。しかし、この目撃者たちは後に証言を撤回。当時の検察当局も物的証拠やマッキンタイアさんの動機も提示していなかった。 米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)によれば、事件当時は捜査令状も出されず、マッキンタイアさんと被害者らと
2017年9月10日、チケット売買を巡り、徳島県警察(三好署)により詐欺容疑で女性Aが逮捕、勾留されていた事件について、別人(女子中学生B)によるなりすましの犯行であり、女性Aは誤認逮捕であったと報道されました。ここでは関連情報をまとめます。 インシデントタイムライン 日時 出来事 2016年8月頃 女性AがTwitter上にチケット売買を書き込み。 2016年8月17日 女子中学生BがAになりすましてC、Dと架空の売買契約。 その後 徳島県内の女子高生C、Dがチケット代として計8万円を振り込み。 2016年9月 チケットが届かなかったとして女子高生Cが被害届を徳島県警察三好署へ提出。 女性A逮捕直前 徳島県警察が女性Aの自宅を家宅捜索。 2017年5月15日 現金をだまし取ったとして女性Aが詐欺容疑として徳島県警察により逮捕。同月送検。*1 :(19日間) 女性Aを勾留。 2017年6月
【8月24日 AFP】悪魔的なカルト儀式で児童を性的虐待したという無実の罪を着せられ、21年間も獄中生活を送る羽目になった米国人夫婦が23日、テキサス(Texas)州から補償金340万ドル(約3億7000万円)を受け取った。数か月前に検察が2人の冤罪(えんざい)を認めていた。 託児所を経営していたダン・ケラー(Dan Keller)さんと妻フラン(Fran Keller)さんは1991年、子どもたちを虐待し、赤ちゃんの手足を切断したりペットを痛めつけたりする邪悪な儀式を行っているとして起訴され、全米を騒がせた一大事件の渦中の人となった。 しかし、当局はその後、虐待されたと証言した児童らが不適切な取り調べを受け、誤った記憶を想起させられていたと認めた。当時、全米では悪魔崇拝者が子どもたちを食い物にしているという見解が広く信じられ、恐怖感が膨れ上がっていた。 児童らの体に虐待の証拠を発見したと
窃盗の罪に問われて300日以上身柄を拘束された後、無罪となったミュージシャンの男性。「捜査機関に謝ってほしい」と、国家賠償を求める裁判の二審が始まりました。 大阪のミュージシャン、SUN―DYUさん(26)。5年前、泉大津市のコンビニエンスストアで1万円を盗んだ罪に問われ300日以上身柄を拘束されました。店のドアからSUN―DYUさんの指紋がみつかり、捜査側は犯人が逃げる際に付けたと見立てました。しかし、SUN―DYUさんの母親が防犯カメラの映像を調べたところ、事件の5日前にこのドアに触れていたことなどがわかり、無罪判決が確定しました。 「『お前、警察なめんなよ』とくる。そういう繰り返しで20日間、耐えて耐えてってやっていると、『認めたほうが楽かも』という悪魔のささやきがくる」(SUNーDYUさん) いまSUN―DYUさんは、えん罪をなくそうとシンポジウムなどで経験を語っています。
「足利事件」を伝える当時の読売新聞の記事*1の一部です。 地裁・高裁の判決文(e-politics - 刑法・刑事政策/足利冤罪事件)と合わせれば、事件の流れの概要がつかめるのではと思います。 なお、被害者とその遺族の名前は伏せました。 1991年12月1日 読売東京 朝刊 一面 14版 1頁 幼女殺害 容疑者浮かぶ足利 45歳の元運転手 DNA鑑定で一致 栃木県足利市の渡良瀬川河原で昨年五月、同市内のパチンコ店員Mさんの長女M・Mちゃん(当時四歳)が他殺体で見つかった事件を調べている足利署の捜査本部は、三十日までに、容疑者として同市内の元運転手(四五)を割り出した。一両日中にもこの男性に任意同行を求め、殺人、死体遺棄の疑いで事情を聴取、容疑が固まり次第逮捕する。M・Mちゃんの衣類に付着していた男の体液のDNA(デオキシリボ核酸)と元運転手のものが一致したことが決め手となった。同市とその周
ある日突然、まったく身に覚えがないのに、警察に逮捕される。検察も裁判所も助けてくれない。ここに記す冤罪被害の告白は衝撃的だ。そして、これは明日、あなたの身に起きても不思議ではない。 ある日突然、自宅で逮捕 私の時計は'12年10月11日の朝で止まったままになっています。 2人の刑事が突然、我が家に来たので、何かの協力依頼かと思った私は2人を家に招き入れ、名刺交換をしました。少しの会話をした後、刑事はとんでもないことを言い始めました。 それは私が近所の銀行で、客が置き忘れた現金入りの封筒を手に取り、少し歩いた所で封筒内の現金だけを抜き取って、左の胸のポケットにねじ込み、封筒を元の位置に戻したというものでした。 何の事かわからない私は、「そんな馬鹿な」としか言えなかった。刑事は「盗った証拠が防犯ビデオに映っているんだ!!」と怒鳴り、私が証拠を見せて欲しいと強く要望すると、「見せる訳にはいかない
■問題 もし,あなたが,突然,電車で「この人,痴漢です」と言われたらどうすべきでしょうか? ■結論 駅のホームから動かずに,その場から,携帯で知り合いの弁護士か弁護士会に連絡すべきです。 そして,「今から弁護士が来るので,それまでここで待ちます。移動しません。」と説明してください。 それができないのであれば,すぐにスマホの録音・録画を始めてください(現在の状況を自分で喋って録音できるとベターです)。 駅員室や鉄道警察の建物には移動しないでください(特に駅員室には移動しないでください。理由は後述します)。 【2014.06.05追記】弁護士会では即座に対応しきれないことがありますので,知り合いの弁護士がベストです。「知り合いの弁護士なんていない!」という方は,事前に,即時対応を謳う法律事務所等をネットで検索して,電話番号を登録しておいていただけると有益かと思います。 【2015.06.08追
今日、6月27日は「メディア・リテラシーの日」です。 「メディア・リテラシー」とは、次の3つを構成要素とする複合的な能力のこととされています。 1.(自主的に)メディアにアクセスし、活用する能力。2.メディアを主体的に(批判的に)読み解く能力。3.メディアを通じて双方向コミュニケーションを行う能力。 言葉にするのは簡単ですが、これを身に付けるのはとても難しい高度スキルです。インターネットが普及している今は、まさに玉石混交の情報が日々量産されていて、主体的に取捨選択し、判断することはとても難しくなっています。 この「メディア・リテラシーの日」を制定したのは、放送メディアのひとつであるテレビ信州です。1994年6月27日にオウム真理教による「松本サリン事件」が発生しました。このテロ事件は、実は一人の会社員をあたかも真犯人であるかのように報道し続けた、報道被害事件でもありました。そこで、テレビ信
路線バスの車内で義足の位置を直していたものの、乗り合わせていた女子高校生数人からわいせつ行為を行ったと通報されて、公然わいせつ罪で逮捕・起訴された44歳の男性に対する判決公判が1月31日、福岡地裁で行われた。 裁判長は「目撃者の誤認」として、男性に対して無罪を言い渡している。 問題の事件は2004年3月1日に発生している。同日の午後0時30分ごろ、福岡市中央区から同市博多区に向けて走行していた路線バスの運転手に対し、乗客の女子高校生が「後ろの方に乗っている中年のおじさんがスボンを下げ、下半身を見せている」と告げた。 バスの運転手はわいせつ事件だと判断して警察に通報。終点のJR博多駅に到着した段階で男性の身柄を駆けつけた警察官に引き渡した。警察官は男性に任意同行を求め、直後に公然わいせつの現行犯で逮捕した。 だが、逮捕された男性は警察の取り調べに対し、「左足に装着していた義足がずれ、足が痛く
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