2020年07月13日17:00 by 東京創元社 『シカゴ・ブルース』『まっ白な嘘』ほか巨匠フレドリック・ブラウンの新訳続々刊行! カテゴリ海外ミステリSF みなさまこんにちは。翻訳ミステリ班の東京創元社Sでございます。 2019年の創元推理文庫創刊60周年記念〈名作ミステリ新訳プロジェクト〉に盛大な応援をありがとうございました! おかげさまでこのプロジェクトは2020年も継続して、ほぼ月に1冊のペースで新訳作品を刊行しております。 そして!! 今回は今後のラインナップで目玉となる作品をご紹介いたします。ミステリ・SF短編の名手である巨匠、フレドリック・ブラウンの作品をなんと一気に3冊新訳し、読者のみなさんにお届けいたします! フレドリック・ブラウン(1906-1972)はアメリカ生まれの作家です。新聞社、雑誌社などに勤務のかたわら執筆を開始し、1947年刊行の長編『シカゴ・ブルース』で
登録日:2011/06/07(火) 22:20:39 更新日:2020/10/25 Sun 19:44:24 所要時間:約 3 分で読めます 始末屋ジャックとは、F・ポール・ウィルソンの小説に登場するヒーロー。依頼を受け、殺人も含む非合法な手段でトラブルや事件を解決する。 ただし、女性や子供、社会的弱者が理不尽な暴力に晒されるのを好まず、法は破るが自ら定めたルールは守り、古いホラー映画を好み、同じく古いアニメーションのキャラクターグッズ(時計やルームランプ)を集める一面もある。 外見は三十代半ば、髪も目も茶色。中肉、中背で目立たない服装をし、どこにでもいる男性。 だが、様々な武器の扱いに長け、殺人としての格闘術を身につけている。 初出は[マンハッタンの戦慄](扶桑社ミステリー文庫)。老婆に頼まれ、奪われたネックレスを探す内に、マンハッタンの闇の中に人々を襲う怪物達がいる事を知り、怪物とそれ
相反するすべての思いをこめて、H・P・ラヴクラフトに捧げる――。これはヴィクター・ラヴァルのホラー小説『ブラック・トムのバラード』(藤井光訳、東宣出版)の巻頭に掲げられた献辞だ。ラヴァルは1972年生まれのアフリカ系アメリカ人作家。怪奇小説の巨匠ラヴクラフトの世界に少年時代から魅せられていた彼は、後年ラヴクラフトが人種差別主義者だったと知って、裏切られたような思いを抱いたという。 『ブラック・トムのバラード』は、そんなラヴァルの愛憎半ばするラヴクラフトへの感情が深く刻まれた傑作である。ラヴクラフトの短編「レッド・フックの恐怖」と共通する世界を扱いつつ、ハーレムで生きる黒人青年を主要人物のひとりに据えることで、ラヴクラフトの視野からこぼれ落ちた恐怖や悪夢を見事すくいあげている。移民への嫌悪感や偏見と切っても切れない関係にある問題作「レッド・フックの恐怖」が、まさかこんな形でアップデートされる
中島らもの急逝により未完結となった作品、『ロカ』。死を予期していたのではないかと思うほどに世界観が爆発しているこの問題作は、一切の”うわべ”がなく本音に満ちている。彼が『ロカ』で伝えたかった”本当のこと”とは何だったのだろうか。 目次 未完の近未来私小説『ロカ』 あらすじ 小歩危ルカを通して語られる中島らもの本音 なかったことにされる現実 精神の緑内障 ヒマが世界を形作ってる いい文章の書き方 人間の役割と生と死 Illustration by エノシマナオミ 未完の近未来私小説『ロカ』 中島らもの小説には私小説が多い。彼の代表作のほとんどは私小説かエッセイであり、基本的に過去の自分について書いている。しかし、中島らも最後の長編小説『ロカ』は一味違う。 「近未来私小説」と題されている通り、未来の自分を想像して描いたものなのだ。中島らもは52歳で亡くなったが、『ロカ』の主人公・小歩危ルカは6
2019年06月27日17:00 by 東京創元社 ユーモアの魔術師『フレドリック・ブラウンSF短編全集1』7月刊行! カテゴリSF海外ミステリ 2月の新刊ラインナップ説明会でも予告いたしましたが、ついに刊行開始となります〈フレドリック・ブラウンSF短編全集〉。ブラウンが1941~65年にかけての作家生活で書いた全111編のSF短編を刊行順に全四巻に集成して、6ヶ月おきに刊行いたします。 第一巻「星ねずみ」には、有名な某ねずみへのオマージュに満ちた表題作をはじめ、羽が生えて飛び立つミミズを目撃するところから続発する奇妙な出来事の思いがけない真相に突き当たる「天使ミミズ」など、初期の傑作群12編を収録。 さらに巻末には牧眞司氏による全収録作の解題と、鏡明氏による解説も収録し、まさに「全集」と呼ぶにふさわしい豪華版。 ブラウンの奇抜な発想とユーモア、プロットのひねりを存分に楽しめる全集で、ミス
奇抜な着想、軽妙なプロットで、短編を書かせては随一の名手。1963年には『未来世界から来た男』で創元SF文庫の記念すべき第1弾を飾ったフレドリック・ブラウン。その多岐にわたる活躍の中から、111編のSF短編すべてを年代順に収めた全4巻の決定版全集。第1巻には「星ねずみ」「天使ミミズ」など初期の傑作を収録。 序文 バリー・N・マルツバーグ 「最後の決戦(ハルマゲドン)」Armageddon 「いまだ終末(おわり)にあらず」Not Yet the End 「エタオイン・シュルドゥル」Etaoin Shrdlu 「星ねずみ」Star Mouse 「最後の恐竜」Runaround 「新入り」The New One 「天使ミミズ」The Angelic Angleworm 「帽子の手品」The Hat Trick 「ギーゼンスタック一家」The Geezenstacks 「白昼の悪夢」Daymare
マインクラフトというゲームがあります。名前だけは聞いたことがある人も多いと思いますが、2014年にMicrosoftが25億ドルで買収し、販売本数は1億本以上、アクティブユーザーは数千万人いるという化け物みたいなゲームです。 このゲームは、すべての物質がかくかくのブロック上になっている世界で、キャラクターを動かして、拠点となる家を作ったり、襲ってくる敵mobを倒したり、ひたすら地面を整地したり、巨大建築物を作ったりと、とにかく何でもありです。 ※2011年作成のオフィシャルトレーラー。基本要素は当時から変わっていない。 マインクラフトは、発達障害児がプレイするのに適していると言われたり、 マインクラフト(Minecraft)が発達障害児によいと言われる理由 - うちの子流~発達障害と生きる プログラミング教材として使えるということは、そこそこ有名なんじゃないかと思います。 1日1時間は子ど
ノベライズ版「沙耶の唄」 先日、ノベライズ版「沙耶の唄」が星海社より発売されました。15周年記念の今しかチャンスがないですからね。星海社は相変わらずエロゲ関係に力を入れてくれて嬉しい限り。また大槍先生挿絵の本出してください。 文章を担当したのは。アボガドパワーズでお馴染みの大槻涼樹先生。「黒の断章」などを手がけていたこともあり、さすがクトゥルフモノの空気感はお手の物。詳しくは後述しますが、そのおかげでコズミック・ホラー感は原作以上に強め。なんとエンディングは原作のどのルートとも違った締め方となっております。 原作はご存知の通り、グロテスクな世界観だからこそ紡がれる歪で美しい恋愛にクトゥルフを織り交ぜた名作美少女ゲーム。 沙耶の唄 (星海社FICTIONS) 作者: 大槻涼樹,虚淵玄(Nitroplus),Nitroplus,中央東口 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/12/1
2018年の秋アニメでアニメ化して2018年12月現在も絶賛放送中。 内容もめちゃくちゃ面白いし、ヒロインも可愛いんでね、まだ見てない人はマジで見てみてください。オヌヌメ。 まぁこの作品がおすすめってのは一旦置いておいて、この「青春ブタ野郎はバニーガールの先輩の夢を見ない」ってタイトルなんだけど、ラノベではこのタイトルじゃないんだよね。 Wikiとかで調べればわかると思うんだけど、「青春ブタ野郎シリーズ」って感じで一括りにされてるわけ。 どういうことかって言うと、 1巻 – 青春ブタ野郎はバニーガールの先輩の夢を見ない2巻 – 青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない3巻 – 青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない4巻 – 青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない以下の巻も同様…こんな感じで最初の「青春ブタ野郎は」ってとこだけ固定して、それ以下が1巻ごとに変化していくパターンになって
大正一二年に書かれた魔法少女の物語『忍術漫遊 戸澤雪姫』を公開しています。今でいう漫画やラノベにあたる存在です。当時の挿絵も貼り付けつつ、各章の最後に解説もつけておきます。
ベニー松山 @BennyMatsuyama 今日の暖かな秋の空気に記憶が蘇った。30年前の今頃、『隣り合わせの灰と青春』の最後の仕上げに、目黒不動そばの旅館に自主カンヅメをしていた。クラスチェンジ直後のレベル1サムライの分際で大魔導師ワードナのダンジョン最下層に潜る、無謀なる作中主人公のような、21歳の青二才が文豪気取りで! 2018-10-06 18:08:59 ベニー松山 @BennyMatsuyama 連載中も「レベル1で地下10階に行くヤツはいないだろ」としばしば指摘されたのであるが、思い返すと私は、元となったウィザードリィの中で“可能である”ことをベースに小説の骨子を考えていた。HPがあって、ダメージ安定のカシナートの剣を持ち、高レベルキャラのお守りつきのパワーレベリングならば? 2018-10-06 18:09:39 ベニー松山 @BennyMatsuyama さらに道中で幸い
お題「好きな作家」 夏らしく読書感想文です。 本は「死者の奢り」大江健三郎です。 “死者たちは、濃褐色の液に浸って、腕を絡みあい、頭を押し付けあって、ぎっしり浮かび、また半ば沈みかかっている。” 大江健三郎の死者の奢りはこのように始まります。 何の話だと思いますか? 死体の入ったホルマリンプールの話です。 大江健三郎を読んだことはありますか? ノーベル文学賞の作者が書いたので、都市伝説でも三流ホラーでもありません。 死者の奢りは、死体洗いではなく、古い黄褐色のホルマリンプールから新しい白濁したホルマリンプールへ選別した死体を移動させる話です。 ホルマリンの死体と、希望も絶望も持てない睡眠不足の真面目な文学部の主人公、お腹の子を堕胎するためのお金を稼ぐために死体運びのバイトをすることにした女学生、そして、三十年この死体処理室で仕事している孫のいる男の管理人が対比されます。 昭和三十二年の作品
2018年6月2日に東京・下北沢の書店「本屋B&B」で「[京極夏彦×装丁夜話]京極夏彦の版面」というイベントが開催された。このイベントを企画したのは、装丁家の折原カズヒロさんと坂野公一さん。今回は、坂野さんがこれまでに何冊もの装丁を手掛けた作家京極夏彦さんを呼んで、版面(はんめん、はんづら)づくりの詳細を語ってもらった。 今回はその後編である。 前編はこちら http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/53511 ルビを振る基準のマニュアルを作成 版面をパッと見たときに、ルビの存在はかなり大きなウェイトを占めていることがわかります。傍点よりも存在感があるわけで。難読漢字には比較的画数の多い漢字が多いです。画数の多い漢字の横にルビがあるかないかは、大きな問題になります。 さらに、ルビには位置の問題があります。肩付き、中付き、3字ルビ(1文字の漢字に3文字のルビが
うなぎばか 作者: 倉田タカシ出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/07/04メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る2013年に絶滅危惧種に指定されて以来ニホンウナギがマジでやばいことはだいぶ浸透してきたように思うが、まだまだ土用の丑の日にはそこら中でうなぎを売り、みんながぱくぱく食べるという状況には変化がない。おいしいし、何より普通に売っているのだから、食べるのも当然だろう。実際、ニホンウナギの個体数の減少が過剰な漁獲にあるのかどうかも現実的にはまだわからない状態である。本当はこのまま食べ続けても絶滅しないのかもしれないし、あっさりと消えてなくなるかもしれない。 土用の丑の日あわせで刊行された倉田タカシ『うなぎばか』は、そんな「もしウナギが絶滅したら……」という未来を描いたポストウナギSFである。ポストウナギSFってなんやねんという感じだが、伊
東山彰良さんは、チャールズ・ブコウスキーの『パルプ』をどう読んだのか。6月刊のちくま文庫より解説を公開します。 俺がチャールズ・ブコウスキーと出会ったのは、いまから二十年ほどまえのことだ。なにかの雑誌記事で『くそったれ! 少年時代』が紹介されていた。記事の内容なんかまったく憶えてないし、当時の俺は結婚したばかりで仕事もなく、しかも子供が生まれたばかりだったから、本なんかに二八〇〇円も使うのは狂気の沙汰だった。だから、そのまま忘れてしまうことにした。 が、この本との縁はそんなことくらいで切れたりしなかった。一、二年後、俺が住んでいる町の貸本屋がつぶれた。商売用の貸本を処分していると知って冷やかしてみたところ、『くそったれ! 少年時代』がただ同然でたたき売られていた。俺は買った。そのときいっしょに買った本も憶えている。ヘレン・フィールディングの『ブリジット・ジョーンズの日記』とスティーヴン・キ
IQ (ハヤカワ・ミステリ文庫) 作者: ジョーイデ,熊谷千寿出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/06/19メディア: 文庫この商品を含むブログを見る日系アメリカ人であるジョー・イデによる『IQ』は、黒人を主人公に据え、『ベイカー街の脳をサウス・セントラル・ロサンゼルスに移し替えたシリーズ第一作』とも評された探偵小説だ(ベイカー街はホームズの住んでる街)。新人賞三冠受賞作+装丁もカッコよくかなり期待して読み始めたのだけれども、これはまーおもしろいですね。 www.theguardian.com 治安は最悪でギャング同士の抗争が盛んなサウス・セントラル・ロサンゼルスを舞台として、一悶着も二悶着も誘発しそうなクールでIQがべらぼうに高くホームズのような頭脳をもった黒人を主人公に据え、ラッパー殺人未遂事件の解決と黒人探偵が”なぜ探偵になったのか”を追うこの物語は、セリフも地の文もどこ
『風の名前 1 (キングキラー・クロニクル第1部)』 パトリック ロスファス,中田 春彌,山形 浩生,渡辺 佐智江,守岡 桜 早川書房 902円(税込) 商品を購入する Amazon HonyaClub HMV&BOOKS honto 異世界ファンタジイにしろ魔法学園小説にしろ、どうしてこうも長いシリーズが好きなのか。せっかく作りあげた設定やキャラクターを大切にしたい(読者の側からすれば「長くひたっていたい」)と思う気持ちはわかるが、それに値する設定やキャラクターがそうあるものではない。量的に拡大すればするほど、ジャンル全体は陳腐化・劣化するだけではないのか----なんて心配になる。よけいなお世話かもしれないけれど。 もちろん、こうした論は「木を見て森を見ず」の逆で、個々の作品の特質をきちんと確かめているわけではない。正直にいえば『ハリー・ポッター』以降あまりに作品が増えすぎて、どれを読め
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