私自身は親や学校での教育の影響で子どもの頃からずっと左派っぽい考え方を刷り込まれてきたのですが、東日本大震災前後ぐらいから佐々木さんの発信や、著書を追いかける中で、個人的には「当事者の時代」に最も影響を受け、社会の見かたや物事の見かたにかなり影響を受け、右からも左からも距離を取って相対的に物事を見るようにしてきました。 最新作の「神話解体」でも、日常の発信でも、左派的なものに厳しい見かたをなさっていると思いますが、佐々木さんが左派的な価値観に対して距離を置くきっかけみたいなものはありましたか? 私が左派的な価値観から距離を置く決定的なきっかけになったのは、福島第一原発事故です。福島の人たちを差別するような風評加害が、まさかリベラル左派言論人から巻き起こされ、あのような惨憺たる事態を引き起こしたこと。それについて事故から何年が経ってもまったく反省も振り返りも行われなかったこと。いったいそのど