2020年東京五輪・パラリンピックで性的少数者(LGBTなど)の交流や情報発信をする「プライドハウス」を大会公認の施設として設置するために、脱サラした男性がいる。LGBTを支援する認定NPOの松中権(ごん)代表(41)。16年間勤務した広告大手の電通を今春退社し、「LGBTのことをもっと多くの人に知ってもらいたい」と五輪に向けた活動一本に絞って実現を目指している。 昨夏、仕事で訪れたリオデジャネイロ五輪中に届いたニュースが松中さんを奮い立たせた。母校・一橋大の学生がゲイであることを打ち明けた友人に周囲に広められたことを苦に自殺した。自らも卒業直前に友人にカミングアウトして幸い理解を得られたが「もしかしたら自分がそうなっていたかもしれない」。当初は二足のわらじでこなすつもりだったが「(専任で)やるしかない」と覚悟した。