緊急事態宣言下での休業や閉館、さらにはGo Toトラベルキャンペーンの実施など、2020年は宿泊業に大きな注目が集まる1年だった。ステイホーム中に「コロナが落ち着いたら、ゆっくり温泉にでも行きたい……」と思った人も多いはず。そうした温泉旅館に欠かせないのが、日本の「おもてなし文化」を支える“女将”たちの存在だ。 長年温泉旅館を取材し続けてきた山崎まゆみ氏による『女将は見た 温泉旅館の表と裏』(文春文庫)は、そんな女将たちの知られざる日常と“本音”に迫った1冊。同書の中から、5人のベテラン女将たちが“旅館の裏側”を明かした「匿名座談会」の一部を抜粋して公開する。 A:中部地方の温泉旅館に嫁いだ50代女将。 B:関東の温泉旅館の跡取り娘として育った40代女将。 C:関東の温泉旅館を営む50代女将。 D:東北の温泉旅館に嫁いだ40代女将。 E:関東の老舗旅館に嫁いだ40代女将。