ロシア軍によるウクライナ侵略を、プーチン大統領はまだやめない。 国際社会の批判に強硬に反発する大統領の暴挙を止められるのは、ロシア国民であるはずだ。 だが、ロシア国民の大半は「プーチン支持」である。大統領が言う「ネオナチからの解放」が生後間もない赤ちゃんの命まで奪う残虐な戦争犯罪であることを、ほとんどのロシア人は知らない。 言論、報道、表現の自由がない国家が世界に及ぼす脅威と犠牲を直視しなければならない。 ロシアだけではない。 東京・池袋の東京芸術劇場でこの4月、天安門事件を題材とする演劇が上演された。 「5月35日」。題名は、中国当局が敏感な事件の日付を言い換えた隠語である。1989年6月4日、中国の民主化と自由を求めて天安門広場に集まった学生らが、戦車と装甲車に先導された人民解放軍に殺傷された。 舞台では、最愛の息子を天安門事件でなくした老夫婦の30年後が描かれる。遺族は常に監視され、