【ニューヨーク=畑中徹】米アップルは4月30日、総額約170億ドル(約1兆6600億円)の社債を発行する手続きを始めた。米メディアによると、金融機関を除く米国企業が1回で発行する社債の額としては、過去最大規模になる見通し。調達したお金は株主還元策に使う予定だ。 アップルは4月、四半期決算の発表にあわせて、配当や自社株買いを通じて、2015年末までに総額で約1千億ドル(約9兆7千億円)を株主に還元していく方針を打ち出した。この資金を社債発行でまかなうとみられている。 複数の欧米メディアによると、投資家の高い関心を集めている。総額の3倍以上の応募があったとする報道もある。日米などの中央銀行による積極的な金融緩和策で主要国の国債利回りは低水準が続いているため、利回りが高めの社債は人気がある。 アップルが最近、株主への還元に力を入れるのは、株価の低迷や業績の伸び悩みに対する株主の批判をかわし