失われた多くの命を考えれば、遅すぎたと言わざるを得ない。それでも、国際社会が一歩踏み込んだ姿勢を打ち出したことを前向きにとらえたい。問題は、この意思を実現させられるかだ。 イスラエル軍の攻撃で人道危機が深まるパレスチナ自治区ガザについて、国連安全保障理事会は15日、「十分な日数」の戦闘休止などを求める決議を採択した。 イスラエルは米国と1日4時間の戦闘休止で合意しているが、それでは不十分だという国際社会の意思の表明だ。何より、国連総会決議とは異なり、法的拘束力がある安保理の決議は重い。 10月7日にイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が始まって以来、この問題での安保理決議は初めてだ。これまで出された四つの決議案は、米ロ中が拒否権を行使するなどして採択されなかった。 今回、決議案を提出したマルタの国連大使は「戦争に引き裂かれたガザの子供たち、人質にされた子供たちの窮状に焦点をあてた」「彼らの