はっきり言おう。 障害児は生きてはいけないのである。 障害児は殺されなければならないのである。 この、あまりに凄惨な文章の書き手は横田弘(1933~2013)。脳性マヒ(CP)の障害を持ち、CP者の団体「青い芝の会神奈川県連合会」の一員として、バス乗車拒否に対する闘争を繰り広げ、優生保護法改定や養護学校義務化にも反対。障害者の生存権確立運動を展開した人物だ。 引用した上の文章が収録されている本は『障害者殺しの思想 増補新装版』(現代書館)。1970年に障害児を殺害した母親への減刑嘆願が起こったときに、それに異議を申し立てた文章だ。横田が言いたいことは、以下のようなことである。 マスコミは障害児を抱えた家庭を「不幸」であるように報じていること。その「不幸」を報じることで世間に生まれるのは、自分の隣にいるかもしれない障害児への想いではなく、「自分が障害児を生まなかったことへの『しあわせ』」であ