祭谷一斗 @maturiya_itto サイゼ社長の文庫本、薄いし淡々としてるんだけど端々に凄みがある。「売上高では店長を評価しないし目標も掲げさせないよ、近隣店舗開店や道路工事も関係してるしそれコントロール不能でしょ(意訳)」「評価するのはコントロール可能な数字(意訳)」で、これ割り切れるだけで常人じゃない。 2018-12-17 12:06:26
世の中「正義」が多すぎる。 自分が言いたいことのためにカスタマイズした「正義」を振りかざし、気に入らないモノは好きなだけ殴っていいという謎の主張を繰り返す。「正義の反対は悪ではなくて、別の正義」というが、そんな「正義」はもはや主義にすぎぬ。 個人的な主張の主語を最大限に拡張し、「それは世間が許さない」と世間を味方に指図する太宰メソッド。庶民、世論、大衆と、後ろ盾を入れ替える知恵が回るということは、大勢を占めないと自己主張が通らないことは分かっている。 その「正しさ」の根っこにある信念は、生まれ育った環境や、当時の世相を映した主張にすぎぬ。それ、経済学の世界なら、ロバート・ハイルブローナー『世俗の思想家たち』で履修済み。 たとえば、希望を失い追い詰められた人生でマルクスが構想したのは、「破滅に向かう資本主義」だった。人生を軽快に気楽に首尾よく乗り切ったケインズは、「持続可能な資本主義」を主張
2012年07月31日08:30 カテゴリ書評/画評/品評SciTech 知不知 - 書評 - ウナギ 大回遊の謎 出版社より献本御礼。 ウナギ 大回遊の謎 塚本勝巳 出来れば土用の丑の日とかに書評を上げるべきだったのかも知れないけど、当時は在庫切れ。祝在庫復活。 ウナギが(食材として)嫌いな人は、(生物として)好きになる。 ウナギが好きな人は、好きの意味が変わる。 同じ土用でも土用波のような一冊。いろいろなものがひっくり返ります。 本書「ウナギ 大回遊の謎」は、こんな一冊。 カバー背より ウナギは淡水魚と思っている人が多いが、実はニホンウナギは遠く数千キロも離れた太平洋のど真ん中で毎年、産卵していた。本書は、大海原で親ウナギが産卵する瞬間をピンポイントでつかまえたい、この究極の謎に挑んだ科学者たちの冒険の記録だ。度重なる失敗にもめげず、海山仮説や新月仮説や塩分フロント仮説などで絞り込み、
保養所のあった来宮は静かで居心地のよい環境だったが、「どこかに行こうか」と駅前に降りるたび、雑然としていて騒がしく、品のない雰囲気に失望させられるのだった。しかし、それすらも魅力であり、なぜか惹きつけられる魅力が熱海にはあったのだった。 そんなこともあり、いまでもときどき、熱海の話題が飛び交う掲示板を除いてみることがある。しかし、それらをチェックするたびいつも「自分はなぜここまで、熱海のことが気になるのだろう?」と不思議な気分になったりもする。 だから当然のことながら、『熱海の奇跡』(市来広一郎著、東洋経済新報社)を目にしたときにも、大きな期待感を抱いた。 市来氏は現在、「株式会社machimori代表取締役」「NPO法人atamista代表理事」「一般社団法人熱海市観光協会理事」「一般社団法人ジャパン・オンパク理事」「一般社団法人日本まちやど協会理事」と、熱海に関する複数の肩書を持つ。熱
これは素晴らしい本だ。 NHKディレクターの国分さんと最初に知り合ったのは、沢木耕太郎さんに紹介されてだった。アマゾンの未開部族についてのドキュメンタリーを本にする、とのことで、正直言うとその時「ああ、またテレビの人が本を書くのか」と、軽くみていた。後で送られてきた本『ヤノマミ』は、書き手である国分さんの視点から、文明と接触していない部族「ヤノマミ」が文明と接触するとどうなるか、ということが描かれてあり、襟を正した。活字の作品として完成されている。この本は大宅壮一ノンフィクション賞を受賞する。 新作『ノモレ』は、アプローチからして前作と違う。ドキュメンタリーでアマゾンの奥地に入っていった国分さんの視点はまったく出てこない。 冒頭から歌うように始まるこのノンフィクションは、アマゾンで100年前に生き別れたイソラド(文明にまったく接していないアマゾンの部族)の物語だ。 100年以上前、ゴム農園
2021年12月20日追記:第2版できました! IPv6を解説した「プロフェッショナルIPv6」をラムダノート株式会社から出版しました。 初版は456ページになりました。紙版の厚さは23mmになる予定です。 現時点で、IPv6に関して世界で最もまとまっているIPv6本であると個人的に考えています。 「プロフェッショナルIPv6」は、株式会社日本レジストリサービス様、BBIX株式会社様、NTTコミュニケーションズ株式会社様、日本ネットワークイネイブラー株式会社様、クラウドファンディング(「すごい技術書を一緒に作ろう。」という企画です)でのみなさまによるサポートにより実現しました。 IPv6に関する技術情報を広く公開するという趣旨に賛同いただき、本書の執筆と制作、公開にあたって多大な協賛をいただきました。ありがとうございます!!! 「プロフェッショナルIPv6」は、通常の書籍として5000円で
放射能リテラシーを学べる本としては易しい順に「知ろうとすること。」「いちから聞きたい放射線のほんとう」「やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識」「原発事故と放射線のリスク学」「放射線被曝の理科・社会」などがあります
本書『反ワクチン運動の真実』は『代替療法の光と影』に続き、地人書館から出版されるポール・オフィットの2冊目の著書となる。 ポール・オフィットは1951年生まれ、感染症、ワクチン、免疫学、ウイルス学を専門とする小児科医である。ロタワクチンの共同開発者の一人であり、米国屈指の名門小児科病院であるフィラデルフィア小児科病院で長らく感染症部長を務めた後、現在はペンシルバニア大学医学大学院の小児科教授として教鞭をとるほか、フィラデルフィア小児科病院ワクチン教育部長も務めている。 1999年に『予防接種は安全か――両親が知っておきたいワクチンの話』日本評論社(2002)と抗生物質の使い過ぎをやめようと呼びかける親向けの本を出版、その後、本書にも登場するポリオワクチンでポリオに感染した子供が出たカッター事件を扱った、『カッター事件』(未訳)を2005年に執筆出版したのを機に、2017年に出版された『パン
プリズナー・トレーニング 圧倒的な強さを手に入れる究極の自重筋トレ 作者: ポール・ウエイド出版社/メーカー: CCCメディアハウス発売日: 2017/07/28メディア: Kindle版この商品を含むブログ (3件) を見る 健康な肉体を欲してボディメイクに関心を持つだけでなく、何かに上達するということそのものを考えるときも参考になる本に出会った。『プリズナー・トレーニング』である。この本は自重筋肉トレーニングの教則本だ。巨大なマシンのあるジムに契約するのではなく身近な器具や設備で筋肉を強くすることを目指す。 なぜ著者がジムの不要を主張するのか? それは、書名の通り、著者がトレーニングを極め、またコーチを実践してメソッドとして確立したのが刑務所での服役中だった、というからだ。監獄という、一般の経済活動から隔絶された不自由な状況下で、肉体と精神の自由をまもるために、ひたすらトレーニングをし
歴史修正主義と「言語ゲーム」――学術の力を信じるために 『歴史修正主義とサブカルチャー』著者、倉橋耕平氏インタビュー 情報 #「新しいリベラル」を構想するために 90年代に現れた歴史修正主義的言説。多くの学術的な批判がなされてきたが、一向に収束する気配はなく、インターネット時代になってますます広く深く蔓延している。なぜ、学術は無力にみえるのか? あるいは、まだ学術の力を信じることはできるのか? 『歴史修正主義とサブカルチャー』の著者、倉橋耕平氏に話を伺った。(聞き手・構成/芹沢一也) ――最初に本書のコンセプトを教えてください。 今国会で財務省の公文書改ざんが話題になっていますが、あれこそまさに「歴史修正主義(=歴史否定論)」の系譜にある思考です。私が今回の本で問題にしていることの根幹というか、その最悪の事態がいままさに目の前で起こっている。歴史を恣意的に歪めることは、事実を歪めることです
本当は「自分の機嫌を自分でとる方法」の参考になる本を紹介しようと思っていたのだけれど、違うテーマになりました。でも、「自分の機嫌は自分で直したいが、他人の所為でなかなかうまくいかない」と考えている方の参考になると思います。 家族や職場の同僚・上司になかなか自分の意図を汲んでもらえない、何度言っても分かってもらえない、そうしたことがストレスになり、自分の機嫌を自分でとれと言われても難しい場合がある。本稿ではそういう問題に精神医学的に正しい方法で対処するための参考書を紹介する。 人間関係の調整、円滑なコミュニケーションそのものの成立をもって治療法とする精神療法があり、対人関係療法と呼ばれる。わが国では水島広子先生が第一人者で、実のところ「この本読め」でわたしの言いたいことは終わる。 自分でできる対人関係療法 作者: 水島広子 出版社/メーカー: 創元社 発売日: 2004/08/01 メディア
……え!? エンドレスエイトの本!? 2018年に!? 『エンドレスエイトの驚愕 ハルヒ@人間原理を考える』p.389 何いってんの????? キョンくんでんわ 哲学者が書いた「エンドレスエイト」読解本が出た…2018年に 『エンドレスエイトの驚愕 ハルヒ@人間原理を考える』という本を読みました。2018年に出た本です。 著者は三浦俊彦。東京大学文学部教授で、美学・分析哲学の専門家です。 読んでみたらハチャメチャに面白くてためになり抱腹絶倒、狂気と恐怖と謎のカタルシスすら感じるとてつもなく変な本だったのでご紹介します。 エンドレスエイトって? アニメ『ポプテピピック』で、30分の前半・後半で同じ映像を繰り返していることが話題になりましたが…… もっとヤバい「繰り返し」が昔もありましたよね? そう、「エンドレスエイト」です。 アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズ最大の驚愕と絶望と議論を巻き起こ
今、私の中では嫉妬の炎が燃えまくっている 。そう、我らがブルマー教授こと山本雄二先生がとうとうブルマー本『ブルマーの謎: 〈女子の身体〉と戦後日本』を出されたのだ。これが身悶えずにいられようか。 なぜ、私がこんなにもムズムズとしているのか、それを説明するためには15年以上も前に時計の針を戻さなくてはならない。私は本書の著者、山本教授のゼミに所属する大学3回生であった。卒業グループ研究のテーマを決める打ち合わせの最中から、全ては始まる。私達が「若者のファッション論で進めたい」と主張すると、先生は「ありきたりだよね」と秒殺。研究室には沈黙が横たわって、はや数分が経とうとしていた。 あのまま研究に身を捧げていたならば! おもむろに先生から、「どうせなら、男子体操のユニフォームの変遷なんてどう?」と斜め上からの提案が繰り出され、部屋の中にはさらにビミョーな空気が漂い始める。(そ、そうじゃない、私た
『世界の七不思議』や『花火』のデザイナーとして有名なアントワーヌ・ボウザが来日したとき、小さな講演の中である書籍を推薦しました。それがこの本です。 この本は三部構成で、第一部では、ゲームの構造を「フォーマル要素」「ドラマチック要素」「システム力学」という3つに分解することでゲームデザインの基礎を分析します。第二部では、コンセプトの立案からプロトタイプの作成、テストプレイの実施など、ゲームデザインの過程を解説します。そして第三部では、実際のゲーム産業での働き方について説明しています。 実践的であり、ボードゲームを範疇に含めており、かつ日本語で読めるという条件をすべて満たすものの中では、この本が最も優れているのではないかと思います。要所で簡潔な演習問題を設けるなど、教科書的な構成になっており、学習用に読むのに向いています。 また、アラン・ムーンやリチャード・ガーフィールドなど、多数のゲームデザ
第1部では、iOSの新機能の中でも特に大きくとりあげられた、ARと機械学習を解説します。 「第2章 ARKit」「第3章 Core ML」は共に基礎から応用までを深く解説してあります。 第2部では、iOS 11の土台となる「Swift 4」と「Xcode 9」を解説します。 第3部では、ユーザーインターフェイスの変更点を解説します。「Drag And Drop」「Document-Based Application」「Auto Layout関連の変更点」を解説します。 第4部では「PDFKit」「Core NFC」「SiriKit」「HomeKit」「Metal」「MusicKit」「AirPlay 2」を解説します。 iOS 11の新フレームワークではないSiriKit、HomeKit、Metalは、それぞれ入門からはじまり、iOS 11におけるアップデートを解説する構成となっています。
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