【被害者に「学校にいかなくてもいいんだよ」という“一見優しい言葉”に問題提起!】 いじめ加害者が学校に居続け、被害者が立ち去るという歪んだ現状をどう変えるべきか。精神科医と社会学者が、人々の意識データなどを取り上げつつ、被害者優先のケアのあり方を論じる。 副題が、「処罰と被害者優先のケア」。 <本書は、わたしたち大人がつくりあげてきたいじめ被害者に対する今日的なケアを批判的に検討しています。被害者に対するやさしい(はずの)声かけの課題を明らかにし、一方でこれまで私たちがほとんど目を向けてこなかった加害者の処遇に切り込む、タブーの書>だと。 以下、お二人の声を―― 内田: <これまで私たち教育関係者は、被害者が学校から離れられるよう世論を形成し、環境を整備することに力を注いできました。それはたしかに、いじめ被害者にいくらかの安全・安心な日常を提供してきたことでしょう。ただ、その安全・安心な場