【ローマ=南島信也】財政危機に陥ったギリシャで、政府が年金の抜本的な見直し作業に入ったところ、台帳上では110歳以上になっている321人以上がすでに死亡していたことが判明し、こうした対象者らに年間約1億ユーロ(約107億円)もの年金を支給し続けてきたことが分かった。今後の調査でさらに増える可能性があるという。 支払った年金が銀行口座にそのまま残っていたケースもあったが、多くの場合は親族らが引き出していた。ギリシャ政府の労働省は、詐欺容疑で告発する方針という。 ギリシャでは、手厚い年金制度が財政破綻(はたん)の一因となった。国民への年金の支払いが掛け金の3倍となり、国庫から年金基金への補填(ほてん)額が、2009年は158億ユーロ(約1兆7千億円)と多額になっている。 このため、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)から総額1100億ユーロ(約11兆8千億円)の融資を受ける条件として